1436「中国の人情社会」(2月26日(金)晴れ)
久しぶりに馬莉先生の中国語個人レッスン。彼女は1か月ほど前逢った時に比べて、少し明るく元気になったように見えた。夜の仕事・・・・別に悪い意味ではない。丸紅など企業に派遣されて中国語を教える機会が多くなったのだそうだ。スポーツクラブに通い、ダンスに励んでいるようで「運動をすると体調がいい。」という。アメリカの娘さんは6月に帰国するという。1月16日に日経記事に「中国人材、需要高まる、販売員派遣時給に加算も」の記事。訪日中国人の増加に伴い、中国人販売員の時給が増え、専門性の高い通訳に近づいている、という内容だが、その中に「中国語の通訳の派遣時給は2500円が中心」とあった。専門性が高いと高待遇・・・・どの世界でも同じだろう。日本語、英語双方を操れる彼女はそれなり待遇も確保できるのだろう。
個人レッスンはこちらでいつも資料を用意し、事前にメール等で送っている。それ故生徒の私は準備で」結構大変なのだけれど・・・・・。今回、私は、NHKで聞いているレベルアップ中国語の巻末に或るイマドキ中国事情という資料を用意した。これは私にとってはなかなか難しいレベル。穴埋め問題形式になっているがほとんどわからぬ。知らぬ文字や単語も多い。訳文は書いてあるから、原文を音読して発音を治してもらい、かつ新単語を使う術を知ることが目的。私の中国語の問題点が発音と単語力であることは自分でもわかっている。
今回は12月号にあった「人情社会の困ったこと」、1月号の「中国移民の流れ」の二つの記事。
後者は、中国移民はかって東南アジアに華人労働者としてゆくもので、辛いケースが多かったが、最近は富裕層を中心に移民ブームが起こっている。より良い経済環境、食品の安全問題、水や空気の汚染に対する心配、子供に自由な教育を受けさせたい、そんな理由の移民が多いのだという。
その中で先生がびっくりしていたのが最後の次の一節中国人は故郷への思いを大切にするが、世界を我が家と思う事にも慣れている。しかし移民の波の背後に存在する、民衆の国家への信頼感、安心感の欠如は確かに深慮にあたいする。」・・・・・先生は「こんなことを書いて警察に引っ張られないだろうか。」と心配していた。著者は張佳恵という人で杏林大学の非常勤講師。日本に住んでいるからできるのかもしれぬ。
前者はなかなか面白いと感じた指摘。訳文をそのまま書くと
「中国人は人づきあいを重要視する社会で、人情を熟知し関係をスムーズにしてこそ社会に立脚点が持てる。「人づきあいができない」は絶対通用しない。そこで人々は贈答品をやり取りして気持ちを伝え、親しみをまし互いの距離を縮める。以前は正月や節句の時、友人同士や隣近所を訪問しあって挨拶をした。誰かがトウモロコシを何本か持ってくれば、自分は大豆油をさげて行き、純朴で温かみがあった。だが、このごろは冠婚葬祭や子供の誕生やら、入学・進学、就職・昇進、医師探しにも、なにがしかの用意をせねばならず、いろいろな名目の「人情」のために、苦しむのだが、世間体もあってやめることもできない。祝儀袋は厚くなる一方、宴会は大きくなる一方だ。付き合いのための消費はますます見栄の張り合い、金もうけの手段になっている。人間同士の素直な気持ちは薄くなり「礼のやり取り」の本質は遠のいてきた。世間体の為、さらに機会あれば吐き出した「人情」を回収しようと、儀礼の贅沢化がひどくなっている。長い間社会の雰囲気が悪化し、2012年、政府は厳罰する政策を打ち出した。今は不正の風潮は一定程度抑えられ、大衆の人付き合いの消費心理にも徐々に大きな変化が起こり、節約ムードが静かに広がっている。スマートフォンが普及したことで、メールでお祝いを送り、無料アプリの祝儀袋も新しい流行になった。昔の言葉に「来して往(かえ)さざるは比例なり」とあるが、私たちは「礼は軽くともよしみは重い」とよく言う。付き合いの消費はきっと分相応に行うべきだろう。」
「無料アプリの祝儀袋」は原文では微信紅包(ウエイシンホンパオ)となっている。これはメールに送る金額と相手先、不特定多数もありだそうだが指定しておくと、受け取ったほうはそれが通貨のように使えるシステムらしい。もちろん送り手の金額はその人の銀行口座に繋がっている。
昔の日本も人情社会であったがこれほどではなかったかのように思う。またこの辺が中国に汚職がはびこる原因であり、習金平が権力闘争に利用しながら、このような社会を修正しようとしているのもわかる気がする。先生自身が日本に永住したいと考えているのもその辺に理由があるのかもしれぬ。
追記 微信紅包は別として紅包は本来春節などで世話になった人に配る御祝儀。世話になった人にどんどん配り、日本人のお年玉感覚ではやっていけない。あるサイトには特に親しい人は別にしてそれ以外は5元(100円足らず)の新札を大量に用意し、近付く人に皆配るといい、としていた・・・・。
註 ご意見をお待ちしています。
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