1453「株価と為替素人考え」(4月26日(火)晴れ)
為替は本来は物の等価という概念から決まるものだ。
アメリカでハンバーグ1個がいくらで売られているか、同じものを日本で売るとしたいくらで売れるか。前者が1ドル、日本で120円なら1ドル120円となるべきだと思う。
ところが1309「バカな経済論」で述べたように、マネタリーベースと為替の連動性は、取れており、全体のドルの量と円の量のバランスによって為替レートはきまると言うのも真実であろう。各国は強い自国通貨を表明しながら、その実自国通貨が弱くなっても、貿易で有利になることを考え、通貨供給量を増やし続けた。
その結果、マネー余剰現象が多き、行き場を失ったマネーを集めてお金持ちやファンド等が動き始めた。そうなった世界では、もはや1ドルのハンバーグが80円だろうと150円だろうと関係ない?
しかしそれでは貿易をしているものは大いに迷惑する。日本の輸出産業は壊滅してしまう。そこで自民党政権誕生の折には日本も通貨供給量を多くすると宣言し、行動したのだ。
考えてみればあの民主党政権の下で1ドル80円であったものが、自民党政権に代わって120円を超えるまで円高になった。あれは決してハンバーグの値段によってそうなったわけではない。人々のドル円に対する見方を変えたからあのようになったと解釈すべきだ。
さてここで問題になるのがファンドというわけのわからぬものだ。とにかく金を持っているからその行動によって相場が大きく変わってしまうことが問題だ!
ファンドは欲望だけが作り上げたお金の山、と考えるとわかりやすい、と思う。その行動パターンは世界平和も道徳も関係なく、とにかく手持ちの財の価値を高めることである。
彼らはたくさん財産を持っている。株も債権も円もドルも・・・それらを動かしてとにかく己の財を多くしようとあの手この手と工夫するのであろう。
その時に彼は資産をどこの国の通貨をベースに考えるだろうか。たぶんドルであろう。
この点は重要で私は自分の財産価値を円で評価している。それゆえに80円が120円になれば財産は1.5倍になったように感じる。しかしドルベースで考えれば何の変りもないのだ!!…実はこの考えに我々はずいぶん惑わされる。株が大いに上がった、と喜んでもそれは円ベースでの話、ドルベースではどうなるのか考えてみることも大切と思う。
ファンドは将来のことなど考えず、目先のことだけだ。日本株を売るのは、これから日本株が下がると予想するからだ。円は、これからさらに円高となると考えているから買うのだ。100円にも90円にもなろうと、考えているらしい。
そして最近はみな高速のプログラム取引をする。あるサイトに彼らは株も債権も商品もあらゆるものをウオッチしている。そして上がり方が少し急になれば遅れまいと買い、さがれば遅れまいと売るのだ。問題は微分値、絶対値ではない。プログラムであるから逆張りを試みることはない。それゆえ一方の評価が正しいとなると、皆同じ方向にどどっと流れる。これが最近の株式や為替の不安定な相場を生んでいるということらしい。
ただ彼らも状況の変化は恐れている。はしごを外されてしまうことを恐れている。ドル円についていうならば当面は日本のさらなる金融緩和であり、為替介入であろう。そこの部分は計算結果がどう出ようと少し人為的に修正して行動してくるのか。
そして彼らがもう一つ恐れていることは永遠に彼らの考え通りに行くであろうか、ということ。
ファンダメンタルズはどうなるかという視点もまた大切である。
我々は日本のファンダメンタルズはそんなに強くないと考えている。それゆえ長い間には円安、つまり1ドルが120円にも130円にもなると考えている。
日本は多くの資産を保有し、それが利を生んで増えていることは事実かもしれない。しかしGDPに対する国の借金は世界のどの国よりも高い。そして高齢化が進み、人口もはやピークを迎えている。老人ばかりになり、生産人口が若者が少なくなってきている。そんな国が将来発展し続けるわけはないのだ。だからいづれ円安になるだろう、というのが一般的見方。私もそれを今のところ信じているのだけれども・・・・・。
同じことが実は株や商品についてもいえる。実態がそれほどでなくて天井知らずに上がることも下がることもある。ただ為替ほど株や商品が国の経済に影響力を持たぬことかもしれぬ。
最後にこのようにして、為替も株も商品も実態経済とかけ離れた動きをする。そしてそれらは一国の経済を揺るがしてしまう。それゆえに「安定化に向けて」介入の余地があるのかもしれない。ただしどの値になれば安定というのか・・・・それはだれにもわからない。しかしハンバーグの値段をファンドが決める・・・・そんな状況の世の中は何かくるっているように感じる。
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