1465「欲のおもむくままに」(6月13日(月)雨)
梅雨になってもなかなか雨が降らず、首都圏の水がめが心配だ、と報道されていた。
しかし今日は一日雨、これが水源にも降ってくれればいいのだけれど・・・・。
株が大きく値下がりし、円が急騰している。イギリスがEUから脱退するかもしれない、という話が懸念されている。BREXITというのだそうだ。
EUに加盟しているため、貧しい国の人々がイギリスにどんどん押し寄せ、イギリス人の職をうばっている。しかし加盟している以上、就労ビザを与えないなどの制限が取れない。それなら脱退しよう、という考え。しかしもしそうなれば大きな混乱が生じるし、欧州経済圏と距離を置くことになるイギリスにとっても長い目ではよいことにならぬ、というのは一致した見方。
6月23日に国民投票が行われるが、最近の世論調査では離脱派が勢いを増しているとか。
欧州経済に混乱が起きて、どうして円高か。日本の政府の借金は、GDP比で見れば世界一、いつデフォルトが起きるかもわからぬ、と喧伝する人がいる。しかし平均的な見方は、そうではないということか。円は各国通貨と比べて安全な通貨とみられているためにそれを買いたいものが多い、結果輸出産業で持っている日本は不利になり、株安、ということだが・・・。
情報は一瞬にして世界に広がり、それに応じて各人が己の利益を求めて勝手に動く時代。科学者は単純に真実を知りたいから。しかし人が少し成長すると、そう唱えて研究することが一番自分に有利と考えるから。政治家は世界のためになど言うが、そう唱えることが自分のためになると知っているから。ボランテイアは、そのこと自体にケチをつける気はないけれど、そうすることによって自分自身の生きがいを見出せるから。あのマザーテレサでさえ、実は神のお告げなど信じてはいなかったという報道も聞いた。
恐ろしい一昔前には考えられぬ時代。大きな流れの中でみな己の欲望に従って動き回る時代。その運動エネルギーの総和、つまり結果が我々を今の場所にたどり着かせた…というべきか。
国家というのは国民が集まって作る。国民はそれぞれの欲望に従うから、国家はその欲望の集積。
なぜ国家があるかといえば、世界に対して自分たちの欲望を貫くには一人ではかなわぬ、徒党を組んで国家というものを形成し、立ち向かわねば損だから・・・・。
政府は国民の支持で成り立っている。国民はそれぞれの欲望が満たされればいい。海の外で何が起きても知らぬ。戦前の日本の場合、国民が政府のやり方、軍部の立派さを支持した。勝っている場合、国民は満足しでは軍国主義はよかったのだ。
国家ではなく世界で考えるべきだ、と唱える人がいる。しかしそう唱えることが自分に有利と考える故からかもしれぬ。平均で見れば、現状では地球の危機はそれほど認識されていない。それよりも国家単位で自分の意思を通し、儲け、うまくたってゆきたい。直近の利益のためにはEUも離脱する、世界への迷惑や地球の裏側の国のことなんか知らない、将来のこともよくわからぬ、次の世代は次の世代で考えればいい・・・そんなところかもしれぬ。
同じ論理がアメリカのトランプの論理にも当てはまる。自分さえ良ければ、という考えは、資本主義が進展し、貧富の差が激しくなってゆく段階では必然的に出てくる考えなのかもしれぬ。
以前は欧米各国は大所高所から見たような考え方を示してきた。それがアメリカに世界の警察の役割を演じさせ、欧州は一つでまとまらせた。しかしあの難民問題がわが身を削るようなことはしたくないという意識を高めた。アメリカもいろいろあって追い詰められ、「我々は我々の生きたいように生きたい。ほっておいてくれ!」というあのモンロー主義的な考えが復活してきていないか。その結果が日本に対しては「自分の身は自分で守ってくれ。君たちを守る無駄な金はもうない。」。エゴなのだが、我が身を振り返れば非難もできぬ!
現代の人間の意識を一番変えているものは情報伝達の速さ、正確さではないかと思う。そしてそれに伴う個人個人が自由に考えてよいという点。その結果が宗教の消滅ではないか。釈迦やキリストを信じても一銭の得にもならぬ、合理的でもない、とわかってしまった。しかしそれは裏をかえせば個人個人の信念の喪失である。何となく楽に生きていればいい、他人のことは目をつぶっていよう、との各自分さ良ければ、という意識の助長ではないだろうか。
勝手が横行し、アメリカという警察がなくなる・・・我々は結局どこへ行くのだろう。
追記 世界の将来を考えるうえで当面次の4つの結果が問題なのではないか。
1 アメリカでトランプが勝つか否か。・・・・これはクリントンの勝利で終わるのではないか。
2 BREXITが起こるかどうか。・・・・起きるだろう。しかしEU解体は予想できぬ。
3 イスラム問題 4 南シナ海問題
ただBREXITについて日本は過剰に反応しすぎている、との指摘もあった。
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