1471「あえなく敗退」(7月3日(日)晴れ)
詩吟をやっていると自分の実力を試そうと思えば多くの機会がある。クラウン、キングなどレコード会社主催の大会、詩吟連盟など詩吟関係者の会。市民の文化交流の一端として公が行うもの。その他いろいろ。しかし私は、詩吟はあくまで趣味で行うものと決めていたから、今までそういうものに出たことがなかった。しかし初めて5年にもなるのでそろそろそういうものに一度くらい出てみるのもよいのではないか、と考え始めた。
今日暑い中、キングレコード全国吟詠コンクール予選が大井町の民謡会館で行われた。出場したが、あえなく敗退。おなじ流派からの参加者は5人、そのうち二人が全国大会出場、二人が入賞ということで名前を呼ばれなかったのは私だけ、少々悔しい。最も全国大会出場の二人はもちろん入賞に二人だって何度もこのような大会に出ている。私は初めて、とあれば仕方のないことなのかもしれないが・・・・・。
私は28番で和歌「東風ふかば」を吟じた。
「東風吹かばにおい起こせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」菅原道真の句でよく知られている。
吟じる曲は先方から指定される。
すべてが絶句で、和歌はこの一曲だけが指定されていた。和歌はすでに「幾山河」「わが胸の」を吟じたことがあり、先生がこれにしたらよいと言うので選んだ。
この和歌はどう吟じるべきか・・・・。
特段に決まったものがあるわけでもない。インターネットで調べたが吟じている者も2,3人で少ない。私の流派の教科書にもない。結局メロデイは先生につけてもらった。伴奏もキングのCDにあるものから選ばねばならぬ。少々明るいがこれでよかろうとB-17を選んだ。1日20分程度であろうか、この2か月余り練習した。歌というものは、私は出だしが難しいように思う。そこが狂ってしまうとあとの音は前を基準に上下させてゆくから、みんなくるってしまう。またメロデイに決まったものがないのであるから、詩の情感をもっと出さなければいけないのだが、もそこまで行かなかった。
5月に申し込みをし、パンフレットが末頃送られてきた。
詩吟の部は第一部64歳以下、第二部65歳以上から71歳、第三部72歳以上、それに中学生までの幼少年の部に分かれる。ところが応募者は第一部4名、第二部21名、第三部49名、幼少年の部にいたってはわずかに1名であった。(それも当日欠席)詩吟がいかに老人の余技という位置づけにおかれているかわかるように感じた。このほかに歌謡吟詠12名。私はもちろん第三部の28番目であった。和歌を吟じるのは私一人・・・・。
10時半開始で第三部から。昼休み後第二部、第一部、歌謡吟詠。
審査員の先生は6人。それぞれが点数をつけるが最高点と最低点をカットして残り4者の平均、あるいは総合計らしい。採点には癖や好みがあるから排除するように工夫しているのであろう。
舞台に立ち、曲が流れ出すと無我夢中で吟じてしまったような気がする。詩吟は身振りや手ぶりは入れてはいけないのだが、つい手が出てしまったようだ。声も多少上ずっていたかもしれぬ。席に戻ると先輩が「声が高すぎた。」と評していた。
第一部の若手はみな上手に聞こえた。声がまっすぐでのびやかである。
終わってキングレコード会員の歌謡吟詠があった。このような大会で全国大会に駒を進め、上位入賞し、キングレコードを契約しているわけでさすがに上手だ。我々の先生は「日本刀」、大先輩のb先生は例によって「風雲真田丸」、事務局の神谷梧道という人の「桜田門外の変」もよかった。この人は板橋で不動産屋さんをやっている、と誰かが言っていた。
そして最後に結果発表。最初に述べたような結果になった。長年参加し続けたお年寄りなども特別表彰されたりするなどなかなか和やかな雰囲気であった。詩吟コンクールというものを通じて一つの社会が出来上がっているようにも感じた。
会が終わった後の仲間内の酒席。「声が年齢によってああも違うものか。われわれも知らず知らずのうちに声が衰えている。」と嘆いたがその通り。地声で歌っていても十分に魅力のあるものが多かった。羨ましい。
決勝戦は9月1日にイイノホールで行われるとか。いつかそこで歌謡吟詠をやってみたいとaさん。羨ましい。誰かが言っていた。「今の時代詩吟だけうまくてもヒットしない。歌謡曲と一緒なら・・・。」しかし詩吟と歌謡曲が両方うまい・・・・なかなかハードルは高そうだ。
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