1478「自由になった男たち」(728()晴れ)

 

ようやく関東地方にも梅雨明け宣言が出たようだ。昨日は会社の時の仲間5人、今日は小学校同期の友人5人が集まった。

会社の後輩、a君はOB会の会長になった。5000人を率いる組織、本社に本部が置かれ、現役時代と同様に出勤、しかし週に1日休日になり、茨城県にあるゴルフクラブの理事をやっているのでそちらに行くそうだ。確か70歳直前、昔よりずいぶん人が丸くなったように見える。

完全に趣味に没頭する者もいる。会社の先輩bさんは油絵。何しろ武蔵野美術大学に定年後通ったという本格派。OB会などにいつも出品している。100号という代作品に今取り組んでいるとか。また近くのおばさんを集めてちぎり絵教室のようなものを開いているという。そのほかによく本を読まれており、最近は私に日本語の成立に関する本を紹介してくれた。

小学校同期のc君も絵が趣味。そういえば子供のころから絵が上手であった。杉並区のボランテイア活動に参加したり、童話作家志望のお母さんと組んで活動をしている。

d君は、常日頃、私は何をしているのだろうと思っていた。外語大学の中国語学科を出て、高等学校の英語の教師などをやっていると聞いていた。しかしいまだ独身である。生真面目すぎる顔をしていて、あれでは女性が話しかけにくいのではないか、とさえ思っていた。その彼が私とe君の前に紙包みをどんとおいた。自作の「きみに送る恋歌」と題する抒情詩集2冊であった。真っ青な空に大きなひまわりの絵の表紙が心を和ませる。彼は「詩はたくさん作っても、一つでもよいものがあればそれでいのだ。」という。

家へ戻ってパラパラと目を通す。「好もしい人の地」・・・・恋心を抱く女性の家を住所を頼りに訪ね歩く。「ぼくがまだ 学校にかよっていたころ きみの家を尋ねていったことがある」それらしい家は見つかったがそうではなかった。しかし「でも あの日 ぼくは満ち足りていた。」・・・・何となく共感した。実は私もそういう経験があるから・・・・。女性たちへの恋の詩集であるけれども彼にこんな側面があるとは知らなかった。現実主義的になってしまった私は恋ってもともっとドロドロしたものじゃないかなあ、とも思った。年を取り純粋さがなくなった証拠?

e君は合唱団に属し、老人ホーム訪問など仲間と幅広い活動をしているらしい。しかし彼はまだどこかで働いている、とも言っていた。彼もまたロマンテイストなのだろうか。

私の場合は完全に没頭するほどの趣味はない。しかし時間は面白おかしく有効に使いたい。そこで趣味として詩吟、中国語、習字、カラオケ等々。そして旅行。多彩ではあるが、これと言ったものもないというところか。しかし時々「あんたが一番人生をエンジョイしているように見える。それに元気そうだ。」と言われるとうれしい。

ほかの男たちは・・・・「もうのんびりやっている。」ということで、どう過ごしているのかは知らぬ。しかし健康と金力と家族のものの存在などに合わせて精一杯活動しているところか。会社時代のf君は独自の世界を持っている。彼は「11万円程度なら今の俺でも使える。それ以上使うと食う方が困る。残念ながらため込んでいる者が多くないからこうなるのだ。」など言っている。帰りにいつものように新宿3丁目でおりた。私も連れて行ってもらったことのある、かわいいママのやっているスナック。ママは彼が昔からの知り合い。「男一人でスナックに行って何が面白いのだ。」と私など思うが、それなりの世界と、それなりに癒される側面があるのかもしれない。

それにしてもいつまで続くかわからないけれど、こうして仲間同士で食事をしたりだべったりできるのは本当に幸せ・・・神様に感謝しなければなるまい。

小学校同期のg君は肺がんで自宅療養している。体重が10キロ以上も痩せてしまったという。お見舞いに行きたいところだが本人が「人と話しているとすぐに苦痛を感じる。来てほしくない。」と言っているとか。「秋になったら体力が回復するだろう、そうしたら会おう」と言っていたそうだが、c君によれば「それまで持つかどうか心配。」だそうだ。g君は大変だろうけれど、一方でもう鬼籍に入ってしまった人も1割以上はいる。

二回の会での共通の話題・・・・この時代の変化の激しさ。BREXITに参議院銀選挙、南シナ海、そしてあさっては東京都知事選挙、スマホ一つ自由に操れぬ、我々年寄りは右往左往するのみ。せめて世界も日本も平和であり続けますよう・・・。

我が家に戻ると庭の草が抜かれてきれいになっていた。少しばかり懐に余裕があるから、爺さんに頼んで抜いてもらっているのである。あの爺さんも私の年齢と似たようなものだと、いささか心の痛みを感じながら、彼のようにやっていた方が長生きできるのだろうと感じた。できるだけ純粋な心を持ち続けたい。

 

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