1488「習近平氏の朝貢政治?」(94()晴れ)

 

赤絨毯の上に習近平夫妻。

奥さんは俳優だった、ということだが青いチャイナ服が似合うなかなかの美人だ。

舞台袖から各国の首脳が次々に現れる。夫人を連れてくるものも多い。

彼らは笑みとともに習近平夫妻に近づき握手、すぐに正面を向いて並び、写真撮影・・・。延々と続く。朴大統領、安倍首相も同じスタイル。CCTVテレビを見ながらこれこそ中国の夢、形を変えた朝貢政治の復活ではないか、とさえ思えた。習近平夫妻に三跪九叩頭の礼?

G20とは、1999年に財務相・中央銀行総裁会議が始まり、リーマンショック後の2008年からは首脳会議も毎年開く。世界的な経済の安定と成長をはかるための国際会議。G7(主要7か国財務相・中央銀行総裁会議)の米国・英国・フランス・ドイツ・日本・イタリア・カナダと、ロシア・中国・韓国・インド・インドネシア・オーストラリア・トルコ・サウジアラビア・南アフリカ・メキシコ・ブラジル・アルゼンチン・EU20か国。

舞台は杭州。人口900万人、ウイキペデイアを写せば「隋代以降、江南運河の終着点として経済文化が発達し、「上に天国あり、下に蘇州・杭州あり。(上有天堂、下有蘇杭。)」とたたえられた。また、五代十国の時代、呉越国の都となり、南宋時代には事実上の首都、臨安府が置かれた。市中心部の西には世界遺産の西湖という湖があり、国の内外より多くの観光客が訪れる。」・・・・行ったことがある、安いツアーで、雨の中をバスであの迎賓館の前を通ったような気もする。

同じ日、日経新聞には「米中、パリ協定同時批准」

日経新聞記事をまとめれば「パリ協定は2015年パリで開催した「COP21」で採択した2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際的枠組み。1997年の京都議定書は先進国だけに温暖化ガス削減目標を義務付けた。パリ協定は中国など途上国を含む196か国・地域が参加する。産業革命前からの気温の上昇を2度未満にすることを目的とし、各国に1.5度に抑えるように努力することを求めた。今世紀後半には温暖化排出量を実質ゼロにする。しかし発効条件は55か国が批准し、それらの国の排出量の合計が世界全体の55%以上になること。まだ批准が少なく、米中が参加しても38%、排出量の多いロシア、インド、日本の動向が鍵を握る。」パリ協定批准に米中両国が抜けては話にならぬところ・・・しかし一つでも合意点が見いだされ一安心。

最もこれは思惑があって、日経新聞見出しには

オバマ氏・・・政権の歴史的成果に。

習近平氏・・・・「責任ある大国誇示」

一番大きい問題はやっぱり中国の海洋進出を巡る問題だろう。中国は南シナ海を「核心的利益」と位置づけ、軍事拠点化を進めている。国の間に海が存在するとき、真ん中で権利を分け合うのが常識と思われるが、蒋介石の言い出した九段線を持ち出し、相手国のすぐ近くまで自分の権利地域とする。ハーグの裁判は正しくない、こういう問題は二国間協議で解決としながら、うまくゆかなければ軍隊、あるいはそれに近いもので恐喝する・・・このようなやり方が許されるようには思えない。しかこのやり方は尖閣列島でも踏襲されようとしている。一方アメリカはオランダでの裁判通りの主張。両者の着地点は見えない。

北朝鮮核・ミサイル問題でも対立している。大体世界に相手にしてもらえないからと、ミサイルを発射して武力を誇示する北朝鮮に制裁することは当然、さらにその防御手段として韓国にミサイル迎撃システムを配備することは妥当と思われる。さらに投資協定、人民元の改革問題、鉄鋼など中国の過剰生産問題、人権問題等両国対立の火種は絶えない。

習氏はかねて米国に「新型大国関係の構築」を訴えてきた。米中は互いの利益を尊重し、摩擦を避けようとの提案だ。地球に平和をもたらすためには悪い提案とは思えない。人口比で考えれば東南アジアやインドが力をつけていない現在、世界人口の2割以上を占める中国と、今までリードしてきた米国が協力して事に当たってゆこうというのは悪い考えではないと思う。しかしそれが支持されない。日本も支持しないのはなぜか。「国益を主張通り受け入れよ。」という思いが透けて見えたり、露骨でありすぎるからからだ。米国だって国益優先は変わりがない、しかしそれでも情報開示などを基盤に、公正というものを考えられ、しかもむやみに国益をひけらかさない。

中国が希望する「責任ある大国」になるためには世界各国の支持が必要である。ところが報道を聞く範囲では、あまりうまくいっているようには見えない。国内景気の低迷に加え、一帯一路計画、それを推進しようとする「アジアインフラ投資銀行」等。さらに世界各地で起きている中国への反発。このような晴れがましい機会を機に、中国自身が己を見直し、「実れば首を垂れる稲穂」になってほしいと願う。

 

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