1504「忘年会の季節」(116日(日)晴れ)

 

5人のメンバーが忘年会を開こうと考えた。候補に挙がった日にちが5日あった。しかし5人はそれぞれ2日づつ都合の悪い日があった。5人がみんながあいている「共通の日」を見つけられる確率はどのくらいか。」・・・・・誰か考えてください。忘年会は、一体何人くらいの規模がいいのだろう。そして何人くらいから幹事が独断と偏見で決め「都合の悪い者は来られないでいい。」となってしまうのだろう。

忘年会の意義を、最近私は「また1年間メンバー全員が生きられたことの確認のための儀式」と考えている。同じようにお歳暮や盆の挨拶も、ともかくも相手の声を聴き、姿を見て半年なり、1年なり無事に過ごせたことを確認するためのものと考え始めている。1年変わりなく生きるというのはこの歳になってみるとひどく大切に見える。

重要なのは、どういうメンバーが集まって何を話すのか。誰かがエッセイを面白く書くコツは何か、と聞いた。分からぬが私はまずホンネで自分の本質をさらけ出す精神が大切なのではないか。人間は頭の良い動物である。相手に対してどのように対処したらよいか考える。各人の世界は広いけれどもどの部分を出して対応すればよいかを考える。若い時の男と女のラブゲームだって同じだ。そしてよさそうに見えて一緒になり、後悔するのは人の常。

忘年会の場合はその場をとにかく楽しく過ごし、後にはあまり残らぬ。それでも本音を気楽に出し合える仲間がいい。男5人が話している。そこに女が一人入ってくる。男5人の態度が豹変する。今までの下種な話は引っ込み、一見高尚な話になる。「私が入っても全く変わらない。」ケースは私がみんなから女として認識されない、という話だけ・・・。

会の目的というのははっきりさせておくべきだ。それが動くと時として散漫なものになり、メンバーから不満が飛び出してしまう。その会の趣旨にそった人間だけで集まることが肝要。おなじ学校、おなじ会社、おなじクラブというのはそれだけで合格。ただそのベースが薄いと案外長続きしない。旅行グループで一緒であった、などというのは一見よさそうに見えるけれど、共通項はその旅行だけ、行き詰まることが多いように思う。

ネット記事で読んだ話。あまりふだん親しくない女性同士を一か所に集める。しかし女性はうまいというべきか、30分もたたないうちに議論が盛り上がるのだという。これに対して男同士を集めた場合、ブスリをしたまま会話が続かないのだそうだ。しかし男も、実は内心では議論を盛り上げ騒ぎたいのではないか。それができないのは、一つには共通の話題が見つけにくいこと、商売の不安、会社の不安、自分の行く先の不安等は共通の話題にしにくい。もう一つは世の中にはいろいろな人間がいて「自分の不用意な発言」が問題を起こすことを恐れるからではないか。「外の出れば男には七人の敵」・・・・昔のことわざにあるではないか。政治の話をすれば相手は極左主義者かもしれぬし、経済の話をすれば、相手は株に投資する余力など全くない男かもしれぬ。

娘婿と男二人で酒を飲むことを決めた。親戚同士で集まっても、妻と子が話題の中心になり、父親はそれを見守る役になりがちだ。しかし妻や子がどう思おうと、家の中心は大体父親。それなりの悩みがあるはずだ。二人になったからと言ってそれをぶつけ合えるわけではないけれども、なんとはなしの信頼関係ができればそれでいいのだと思う。

パーキンソン病にかかっている友人が声をかけてきた。昔アメリカに出張したときに駐在していた彼にごちそうになった。それ以来何となく年末に会うようになった。数年前に彼は「自分がパーキンソン病で、先が長くない。」と告白していた。その彼が中学校卒業以来あっていない友人をいれ、3人で昼飯でも食べようというのである。もちろんうれしくてすぐに承諾のメールを入れた。同じ中学校で英語クラブというクラブに属していた。その仲間のうわさ話だけでもいろいろ話すことがあるのではないか、と楽しみにしている。

昔の営業所の部下がいつも暮れの集まりを企画してくれる。メンバーは56人。これで苦労するのは冒頭の日程調整。仲間に重役になった男がいるのだが、そういう人間に限っていそがしく幹事役は苦労しているようだ。

しょせん人間は寂しがり屋。人と人との関係の中にいてその不安を解消できる。呼ばれることも呼ぶことも楽しいけれどもいつまで続けられることやら・・・。喪中欠礼のはがきが入り始めた。今日来たものは知らぬ女性・・・・本人が亡くなったのでその奥様が今までの交情ありがとうございました、と告げてきたものであった。大学同期、隣の研究室にいたひょうきんな男。同期の多くが技術系企業に入ったり、大学に残る中、彼だけが通産省の役人になった。しかし社会人になると、役人に媚びを売らぬわけにはゆかず、みんなにもてはやされた。得意の様子であったが、病に勝てなかったか。合掌。

 

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