1511「中学校の友人と会食」(11月30日(水)曇り)
「あのブルーインという先生はすごい先生だった。」
中学校の時の英語の先生は若いa先生だったが、自分を「ブルーイン」と呼ぶように周囲に伝えた。何かの童話に出てくる主人公の名らしいが、よくわからぬ。とにかく英語教育に熱心であった。英語クラブというものを作り生徒を集め、私もその一人であった。「君たちは私が作り出した作品みたいなものだ。」とかわいがってくれた。同時テニスクラブの顧問もしていた。その頃はあのふにゃふにゃしたボールを使う軟式テニスだった。私も入り、そちらで知り合った人も多い。
中学校では1年に1度くらい映画を見に行った。a先生は特に熱心で語学クラブの生徒だけ「白鯨」を見に連れていった。グレゴリーペック主演の格闘しながら巨大な白い鯨をとる話・・・ヘミングウエイの「老人と海」の鯨版。b君はその一説をまだ覚えているという。ただ依怙贔屓をする先生であったようだ。生徒を平気でぶん殴った。もっとも出来ないことに対してではなく「宿題などやってこない。」ことを怒った。亡くなったおふくろの話では「父兄会で**さんのお母さんが「公平に扱ってください。」と文句をつけた。すると先生は「**?ああ、あの出来の悪い娘のお母さん?」と言い放ったという。
私は実はここに来るまで「b君と会うのは卒業以来初めて。」と考えていたのだからおめでたい。「中学校の真ん前にあった社宅に10年近く住んでいましたよ。子たちは近くのお寺の経営する幼稚園に行きました。お子さんたちを迎えに来ていた貴方と会いましたよ。」彼はM重工の営業マンとして世界各地に原動機を売り込んでいたらしい。そんなことをいわれてやっとうっすらと記憶がよみがえってきた。その思い出になるような写真のコピーを2枚用意してくれた。
1枚はたぶん中学校の教室の中で撮影したものであろう。左側に裸電球の下にクリスマスツリーが写っているからその時の写真か?26人の集合写真。女の子が12人で先生を囲んで前方に座っている。後ろに制服姿の男の子たち。不思議に私がいない。
もう1枚はb君が「これが君がアレンジしてくれた「肉の万世」での記念写真。」と言っていたが、テーブルを囲んで男6人、女9人。先生を含め男は、私を除きみな背広姿。たぶん私が大学院に進んだ頃のものではないか。大学院に進んだ私は世間知らず、服装のことなど一向に無頓着、セーターにジーパンで恥ずかしい。
2枚の写真をもとに思い出話が広がった。1枚目にはクラス会で相棒であったdさんが写っている。卒業後クラス会を彼女とともに何回かやったが、彼女がくも膜下出血で他界、担任の先生もなくなって開かれなくなった。b君のクラスはまだ開いているというから立派。2枚目の中央にツンとした顔の美人。eさんだ。私が一番関心のあった「種屋の娘さん」であったが、こちらも亡くなったと風のうわさで聞いた。中央にa先生とf君。熱血漢のa先生が、のちに医者になったf君に看取られながら亡くなったのは、何年前であったろうか。
c君は心配していたが、部屋に入って来た時から様子がおかしい。よたよたとし、姿勢が前かがみで悪くじじくさい。食事もゆっくりゆっくりで、たいして多くない松花堂弁当を残している。パーキンソン病が進展しているのかもしれない。「歩くのがきつい。手がしびれる。他は大丈夫だよ。」というが心配なことだ。
c君とは、学校を卒業した後、なんとニューヨークで再開した。私が会社の企画部にいたときであろうか、アメリカに出張になった。日商岩井の人がアレンジしてくれたが、それまでアメリカに行ったことのない私、ひどく大きなチャンスに見えた。「ニューヨークにわが社のc君がいる。」と聞き、会えるようアレンジしてもらった。むこうでソフトシェルの夕食をごちそうになった。ずいぶん調子のいいことをしたが、その後親しくなり、彼が帰国してからも時折あう。ここ10年くらいは、年末になるとこの魚耕で一杯やる。彼に「パーキンソンもかかってしまった。」と告げられたのは、3年くらい前で会ったろうか。今日はその二人にb君が加わった。
c君は国際的に活躍していただけに見かたも広い。トランプ後の日本について聞いてみると「今、株は売りだ。ドルはやはり強い。長期的にはやがて円安になる。日本は自動車産業が危ない。35%もの関税をかけられたら売れなくなってしまう。円安で輸出しやすい環境が整うというのに関税のために売れないという状況だ。ただし短期的には円高になり、その結果日本株は下がる。」
「自動車は現地生産が多いのではないか。」というと「安倍さんがすぐにトランプ氏に会いに行ったのは正解だ。彼は日本の自動車産業が現地生産に移り、多くのアメリカ人の雇用に貢献していることを訴えたのであろう。」
2時間はあっという間に立ってしまった。b君はこれから96歳のお母さんの様子を見に行く、c君は証券会社に約束があると別れた。「来年はg君も入れてあおう。」とc君。g君は英語クラブではなかったが我々と親しかった。実現することを祈る。
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