1527「APAホテルの「南京大虐殺関連本」問題」(1月27日(金)晴れ)
APAホテル客室にいわゆる「南京大虐殺」を否定する記述のある書籍が置かれていたことが、大きな議論を呼んでいる。米国に住むある中国人夫婦が取り上げ、問題にした。中国国営新華社通信が女性を含む複数の記者を東京新宿区のアパホテルに派遣して“潜入取材”を行い、「実地調査、怒りのう上にまた怒り」と題する映像ニュースを配信した。
ホテルに入った記者らはまず、フロントに「右翼書籍」が販売されていることを“発見”した。その後、客室に入った女性記者は、「このような狭いに空間にもかからず、アパホテルは右翼思想の宣伝に全力を傾注している」と話しながら、テーブルの上に備えた鏡の処に備えた書籍「本当の日本の歴史」などを手に取り、「これはこのホテルのCEOが書いた本だ。南京大虐殺と慰安婦を否定している」と説明した。
その上で、書籍は日本語と英語で書かれていること強調し、「アパホテルはこのような形で日本国民と、世界各地からくる外国人観光客に右翼思想を広めようとしている」とする。
問題の本は16年6月に発売された「本当の日本の歴史『理論近現代史学II』」。アパグループ代表の元谷外志雄氏が「藤誠志」のペンネームで、グループの月刊広報誌「アップルタウン」に発表していた「社会時評エッセイ」の過去1年分をまとめたもの。
「張作霖爆殺事件がソ連の特務機関による謀略であったことや、南京30万人大虐殺が国府軍による捏造であること、従軍慰安婦20万人強制連行について、吉田清治の虚偽の証言を朝日新聞が大々的に取り上げたことなど、10のテーマについて具体的に論じた」とか。
真実は素人にはわからぬが、私が昔読んだ「松井石根と南京事件の真実」では
「日本軍の進撃の後総大将唐生智は逃げ出した。中国軍は大混乱となり、市民の安全地帯が設けられていたがそこに逃げ込み便衣服に着かえ、一般市民を装い、日本軍への反撃を試みた。そのためその掃討作戦を行わざるを得なかった。その結果予想を超える捕虜を抱え込み、一部の軍団に行きすぎた行為があった。」というようなことが書かれていた。
とにかくその後日本側は平均的には「虐殺はあったかもしれないが30万人ということはないだろう。せいぜい2万人だろう。」
一方中国側は30万人にこだわり、南京資料館にその数字を掲げている。
「中国が30万人(それより多い40万人でも50万人でもよさそうなのに)という数値にこだわるのは、広島・長崎の原爆の死者は合計で約20数万人なので、それより多い数値でなければならないということだろう。それによって、中国こそが最大の戦争被害国であって、原爆の被害はあっても、日本は加害国だということをはっきりさせたいのだ。」
いづれにしろ、両国ともそれぞれの国民にはそれぞれの「愛国心」というものがあるだろうから、ネット上の議論は大炎上ということになった。
国民感情も考慮したのか、中国政府が日本に抗議する。しかし菅義偉官房長官は「報道官の発言一つ一つに政府としてコメントすることは控えたいと」述べた。その上で「過去の不幸な歴史に過度な焦点を当てるのではなく、日中両国が国際社会が直面する共通の課題、そして未来志向に向けて取り組んでいる姿勢を示すことが重要だ」と指摘した。おっしゃる通りと思う。
おりから札幌市で第8回冬季アジア大会が開かれる。組織委員会は「スポーツ理念にのっとった対応」を求めて撤去を求めた。ホテル側は最初は拒否したが、結局大会期間中は撤去すると言う事になったらしい。
この問題、最初はアパホテルに抗議や励ましの電話が殺到したという。しかしのちには新華社の東京支局にも電話が殺到し東京によれば「通常の業務に支障」が出るほどとか。
行き着くところはどこか、次のような報道も興味深かった
「騒動の発端になった書籍の増刷が決まった。 購入希望が多数寄せられ、在庫が不足しているためだ。初版5万部で、2万部増刷する。一連の騒動で書籍の知名度が上がり、独自の主張を「読んでみたい」という声も増えているという。」
こんなことを書きながらCCTVを見ると、なんと上海の南、天台山にある国清寺の復興の話をしていた。西暦 598年建立。日本の天台宗開祖である伝教大師、智証大師円珍、栄西禅師ほか多くの日本の僧侶がここを訪れている。田中角栄のころ日中親善の一環であろうか、1973年荒れ果てていた寺の大復興が行われた、と放送していた。つまらんことを取り上げるより、こういう話の方がお互い楽しくていい。
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