1537「諸行無常」(3月9日(木)晴れ)
中国語の個人レッスン。終わって食事をしながら先生に「今日は予定はあるのか。」と聞くと、彼女は「特にない。」私は6時から新宿でカラオケ。それまで時間が空いている。散歩でもしようか、となった。彼女は日本に長いから大抵のところは行っている。東大、小石川後楽園等。考えた末、根津美術館に行ってみようということになった。
おりから高麗の仏教関係の仏像、絵巻物等が展示されていた。高麗は韓国では11-13世紀に栄え、やがてあの元に併合されてしまう。そしてその手先となって元寇のおり日本に押し寄せてくるのだが・・・・・・。その高麗では華厳宗が栄え、阿弥陀如来と来世の存在が信じられていたらしい。阿弥陀尿来、水月観音、地蔵菩薩などの絵が展示されていた。終わって園内を散策すると春の息吹があちこちで感じられた。紅梅が美しい。百日紅を「バイリーフォンというのでしょう?」と聞いたら彼女は珍しく知らない様子であった。
終わって、さらに少し時間をつぶし新宿の「キャッスル」
裏通りの小さな小さなスナック。我々とはもう何十年の付き合い。
マスターは我々やり少し若いが、70歳前後か。奥さんをなくされたことを機会にこの20日で店をたたむらしい。この会は今月は高円寺のスナックでやる予定だが、そういうことでお別れパーテイをしようということになった。
常連のほかに、元外務省のa君が現れた。
b君がなくなって今日告別式。八王子の斎場には10人余りが参加したとのことであった。
彼は卓球部で高校時代には東京都のベスト8までは行ったそうだ。囲碁も一番うまかった。
私とは実は小学校2,3年以来の知り合い。引揚者とかいうことで、近くのアパートに住んでいた、我が家に遊びに来て一緒に野球の真似事をして遊んだことがある。早大を出て鹿島建設。すい臓がんということであった。また一人・・・・寂しくなる。
「君の会社は豊洲の土地を東京都にうまく売りつけたな。」
というような話からその話題になった。そういえばあの時私の会社を代表して用地の売却を担当したcという同期の男も2,3年前に亡くなった。こんなことを予想してか契約等にぬかりのない男であった。
「石原氏もぼけたな。あの時代の滅茶苦茶なこと。それに「部下のやったこと、私は忘れた。」というのは言ってはいけないこと。」と誰かが言った。
私の発言「そうかもしれないが、小池氏のやり方は間違っている。」もうやめた人間を引っ張り出して、自分の責任を転嫁しようとする小池氏のやり方に無性に腹が立つ。
「小池氏が就任以来何をやったというのだ。オリンピックで何百億か節約して見せたというが全体から見ればわずかな金額だ。それに小池側が功績とする金額にその遅延による損失は含まれていないか。築地市場は膨大な損失になるから、結局豊洲に移す以外手がないじゃないか。地下水が問題と騒いでも、測定方法を変えたから高い値が出ただけ、建屋の下に、水がたまっていたというのも結局雨水、排水ポンプを動かせば消えてしまった・・・・。」言いながら私は、わが身を振り返りながら「ちっとは年寄りを尊敬しろ!」と叫んでいるに過ぎないのかもしれぬ、と感じる。石原慎太郎、昭和7年生まれ、私より9歳上。小池百合子、昭和27年生まれ、私より11歳も若い!
「しかし東京都の問題なんてコップの中の嵐みたいなもの、トランプ大統領や北朝鮮の問題はどうだ。」とa君に水を向ける。「トランプ大統領が大統領就任前と後では天と地ほど違ってきている、各国首脳の中で彼が段トツで信頼を置いているのは安倍首相」という見方は私とほぼ同じだった。しかし北朝鮮問題についてはa君もうまい答えがないようだ。現在はまだいい。ミサイルに核をつめるようになったら脅威だ。1発の発射ならイージス艦で防衛できる。しかし同時防衛能力は2発だ。複数のイージス艦を展開すれば防衛能力は増すが、何十発も同時に発射されたら防ぎようがない、という見解であった。
やがて歌会になった。いくつかうたったが最後はこの店に別れを惜しんで「蛍の光」。
マスターが感激して目に涙を浮かべていた。学生時代から続けてきたというスナック稼業だが、もう開店する予定はないらしい。諸行無常、人生終わりはいづれ来るもの・・・・。無常観・・・・高麗の人々が感じたそれが現代になってもなくなったわけではない。
註 ご意見をお待ちしています。
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