1562「若い人の結婚について思う」(6月12日(月)曇り)
東洋経済オンラインに面白い記事が載っていた。「女性が直面する「稼ぐほど結婚できない」現実」 (荒川和久)。連載物になっているらしい。
著者は以前の記事で「女性が結婚したがるのは経済的余裕を欲するからであり、男性が結婚したがらないのも経済的余裕を失いたくないからだ」と、双方が結婚にコストパフォーマンスを求めると指摘したそうだ。
今回は女性の未婚率が高いのは、女性側にも原因があるとしたうえで
「年収が低いほど未婚率が高い男性とは正反対に、女性の場合は年収が高くなればなるほど未婚率が高くなっています。特に、年収1250万円以上の女性にいたっては、6割近くが未婚です。」という驚くべき事実を紹介する。
女性の未婚率は正規が非正規の2.6倍! 東大卒女性は高卒男性と結婚しない
これらの内容は詳しく読まなくとも内容は推定できる!
更に著者はもう一つの事実を紹介する。男性の「下方婚」志向と女性の「上方婚」志向。
「男性は自分より低い収入の相手を希望し、女性は自分より収入の高い人を望む傾向があるわけです。これは、収入だけではなく、学歴にも当てはまります。・・・・」
私の聞いた話。ある50近い女性が結婚相談所に行った。相手に望む収入は「1000万程度、無理なら800万円程度でも。」相談所の答えは「無理です。男の収入は年齢に0をひとつ付けた程度です。」彼女は「じゃあ、私の相手は80のおじいちゃん!」と絶句したとか。
著者は1960年代以降くらいの結婚についての歴史を振りかえる。
「1980年代までの皆婚時代はどのようにして、ほぼ100%のマッチングが可能だったんでしょう? まず、男女雇用機会均等法施行前であり、女性が総合職としてバリバリ働ける環境ではなかったことが挙げられます。・・・・・女性にとっては、「結婚こそが人生最大の就職」という位置づけにされていた。極論すれば、女性にとって結婚とは「死活問題」で、「結婚をしないという選択肢はなかった」ともいえます。
さらに、当時は、結婚すれば性別役割分担が明確で、基本的に男性が家族を養うものという考えが常識でした。・・・だからこそ、ほとんどの男性は結果として経済的に「下方婚」であり、女性は「上方婚」だったわけです。
結婚とは、生きていくうえで必要な社会的共同体システムであり、結婚する個人の責任というより社会の責任という意識がありました。だからこそ、・・・お見合い結婚が有効に機能していたのです。お見合い結婚が恋愛結婚に逆転されるのは1960年代ですが、職場結婚が重視されるようになったがそれも「社会的お見合いシステム」の一環でした。・・・・ところが、そんな職場結婚も1990年代以降激減します。それは、結婚の意思決定の自由を個人が獲得した反面、社会的な共同体の支援が失われたことを意味します。そうなると、特に女性側が自己の最適化を考えて相手の男性を一層吟味するようになった。・・・・」
私も76歳、ときどき適齢期を過ぎた女性から結婚話は無いか、と頼まれる。しかし自分の周囲を探すと、希望条件を満たすような男性はとっくに売れている。話がうまくゆかないとこちらが悪者にされる世の中、触らぬ神にたたりなしと考えてしまう。
そして著者は最後に「「女性活躍」するほど女性の未婚化が進む皮肉」とし
「自分自身が仕事で成果を上げれば上げるほど、自分の年収も上昇し、ますます「上方婚」として結婚相手のハードルが高くなってしまうという悪循環に陥ります。そうして、気づけば40歳。独身女性の場合、出産を諦めた時点で、結婚もまた諦めるという傾向があります。」
しかし著者はならばどうすればいいのだ、という問題に対する答えは発信していない。
関連する記事を調べているとキリスト教司祭の発言。答えの原型があるように感じた。
「日本で結婚とは幸福ではなくサバイバル重視」・・・・「結婚は縁があって出会った男女が関係を日々少しずつ深め、あなたはこういう人と、互いにだんだん納得していく。その中で出産と子育ての可能性が開かれて、2人の交わりの中から、よきものとして子育てや一緒に手掛ける商いという日常が生まれていく。人間の幸せはそこにある。」
これを出だしに、イエスが言う結婚観を論じているようだが興味はない。
最後に私が思うこと。一つ、結婚して子を持つということ、それは生物としての役割だ。結婚しないことは個人の自由であるが、この観点から行けばそういう人生にほとんど意味はない。もう一つ、結婚とは自分が幸福になることも大切だが、相手を幸福にするという観点も必要だ。現代ではますますそれが欠けていくように見える。皆さんどう思いますか?
註 ご意見をお待ちしています。
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