1573「李白の生涯」(7月28()曇り)

 

詩吟の上手な歌い方についてある人は

1音程 2発声 3明瞭な発音 4正しいアクセント 5詩心の表現

を揚げている。他の項目はともかくも詩心の表現というのはどういうものを言うのか。

結局は最初に吟じた人の状況を思い浮かべながら吟じるということなのか。とすればその詩がどのような状況で作られたかを知ることが大事であるように思う。

詩吟では唐の最盛期にでた李白の詩を吟じることが多い。

今回詩吟の研究会があるので、その資料の一つとして李白の生涯を調べた。

李白の母親は701年に太白(金星)の夢を見て李白を出産したという。家は裕福な商人であった。

李白は幼少のころ(遅くとも5歳までの間)蜀の青蓮郷に移住してきた。

成長するにつれて読書に励むとともに、剣術を好み、任侠の徒と交際した。その文才を認められる一方、峨眉山など蜀の名勝を渡り歩いた。

一方この時代は中国は唐の時代で、あの玄宗皇帝が712即位した。そしてその後741年まで

貞観の治と並び称せられる中国史上の政治の安定期の一つで、唐は絶頂期を迎えた。

ついでながら日本は奈良時代、仏教による鎮護国家を目指し て、天平文化が花開いた時代である。

ヨーロッパではビザンチン帝国の力が次第に衰え、混とんとした時代に入っていた。

李白はようやく25歳になって蜀の地を離れる。

このときの詩が(峨眉山月の歌)。「君を思えども見えず」について、月を指すなどという説があるが私は断然恋人説。翌年に(静夜思)を作っている。「首をたれては故郷を思う。」・・・・具体的には何を思っていたか?

李白は32歳の時、高宗(第三代皇帝:在位649-683)の宰相であった許圉師(きょぎょし)の孫娘と結婚した。長女李平陽と長男李伯禽という2人の子が生まれている。

737年、玄宗皇帝は寵妃・武恵妃の薨去により、玄宗は新たに後宮を求めた。

740年玄宗は55歳、玄宗の息子の妃となっていた楊貴妃が見出される。

李白はやがて730年あるいは737年の頃に、長安に滞在して仕官を求めた。742年の秋、友人元丹丘の尽力により、玄宗の妹で、李白より5歳年上で女道士となった玉真公主(持盈法師)の推薦を得て長安に上京した。当時の詩壇の長老である賀知章の来訪を受け、この時彼から名高い「謫仙人」の評価を得ている。宮廷で有力な影響力を持つ2人の推薦を得て、同年の冬、李白は宮廷の翰林供奉(天子側近の顧問役)として玄宗に仕えることになる。

以後の3年間、李白は朝廷で詩歌を作り、詔勅の起草にもあたった。

この時期、楊貴妃の美しさを牡丹の花にたとえた「清平調詞」三首などの作品が作った。

しかし酒のみが過ぎた。高力士は李白より17歳年上で、玄宗皇帝の腹心として権力をふるった人物。ところが玄宗が李白を召した時、すでに酔っていた李白は、高力士に靴を脱がせたという。これがために讒言を受け、李白は官職を得られなかった。744年、長安を離れることとなった。

長安を去った李白は、洛陽もしくは梁・宋(現河南省開封市・商丘市)で杜甫と出会って意気投合し、1年半ほどの間、高適を交えて山東・河南一帯を旅した。

754年には、前年に安倍仲麻呂が日本への帰国途中、遭難して死去したという知らせ(誤報)を聞き、「晁卿衡を哭す」を詠んでその死を悼んでいる。

755年安史の乱勃発。756年、楊貴妃や楊国忠は四川に逃れる途中、軍隊に殺された。玄宗は皇太子の李享(粛宗)に位を譲り太上皇となった。757年安禄山は眼病のため狂暴になり、最も信頼を受けていた宦官によって殺された。

李白は757年、当時、李白は廬山(江西省)に隠棲していたが、玄宗の第16子、永王李璘の幕僚として招かれた。しかし永王は異母兄の粛宗が玄宗に無断で皇帝に即位したのを認めず、粛宗の命令を無視して軍を動かしたことから反乱軍と見なされ、将軍・皇甫侁と萬適の追討を受けて斬られた。李白も捕らえられ、尋陽(現江西省九江市)で数ヶ月獄に繋がれた。

その後、いろいろあったが結局は粛宗の朝廷側から夜郎(現貴州省北部)への流罪とされた。

配流の途上の759年、白帝城付近で罪を許され、もと来た道を帰還することになる。

この時の詩が「早に白帝城を発す」である。

赦免後の李白は、長江下流域の宣城(現安徽省宣城市)を拠点に、再び各地を放浪。

762年 安史の乱終結後、長安に戻った玄宗は半軟禁状態となり、崩御した。

同じ年、李白は宣州当塗県の県令李陽冰の邸宅で62歳で病死した。安史の乱は翌年鎮圧された。

・・・・これらの気持ちを織り込んで詩を吟じる・・・・やっぱり無理みたい?

 

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