1579「抜歯とインプラント」(8月16日(水)雨)

 

今年の夏はどうなってしまったのだろう。雨続きで気温も上がらぬ。外に出ると半袖で出たことを後悔してばかりいる。

お盆休み。この期間をどのくらい休むかはその人の懐と人生に対する考え方を反映しているのかもしれぬ。金のある医者は1週間そのまま休む手合いもいる。

書棚に若いころいつ買ったか覚えていない、それほど昔に買った「マーフィイの法則」という本がある。全米NO1のベストセラーになった本とかいう触れ込みで初版発行が1993年とある。とするとイギリスに留学して帰国した後に買ったか。

「失敗する可能性のあるものは必ず失敗する。」

「自然はいつも隠れた欠陥に味方する。」「隠れた欠陥は必ず表面化する。」

など面白そうな金言集。但し読みすすむほどの意欲はわかずほってあった。

そのなかにジョンソンとレアードの法則と称し(157P)「歯が痛み出すのはおうおうにして土曜の夜である。」

金曜日が海の日であったから、今回は木曜の夜あたりから、左下奥の歯が痛くなりだした。

前々から言われていた。「かぶせ物をしてあるが、その下で割れてきてしまった。ここからばい菌が入り腐ってくる可能性が高い。」

どんどん痛くなる。いつでも痛むわけではなく、食べたときに当たるとウっと思うほど痛い。昨日は高等学校同期の友人が、「中学校から一緒のaさんが飯を食おうと言っている。一緒に行かないか。」と誘ってくれた。

aさんと友人は親しい。ならば二人で行けばいい、と思うのだが、そこは微妙。

「歳を取ったら昔の気の合った仲間に声をかけて一緒に過ごせばいい。」と言うが、二人が異性であるとなかなか難しい。電話をかけてお茶に誘うくらいでも躊躇する。同期のある女性に男どもはなかなか声を掛けぬ。電話をすると亭主が出てきて「どちら様ですじか。どういうご用件ですか。」と聞くからだ。同性の友みたいに自由にできるなら「一緒に一泊温泉旅行にでも行きませんか。」とできればいいが大分問題!

今回の場合も、私を出しに使おうというのかもしれぬが、私としてはうれしい。aさんはなかなかの美人だし、私にそれなりに気を使ってくれる。ただ三鷹にあるオークラ系のレストランでおいしいカレーを食ったのだけれど、歯が痛くて、口をしかめながら流し込んだ。・・・・少々残念。

私の浜松町の歯医者はいつが休みなのだろう、と電話すると、うれしいことに今日から平常通り診察するとのこと。予約しているわけではないが朝一番で駆けつける。

事情を説明すると「この次は予約を取ってください。」と嫌味を言われるが、すぐに治療してくれた。「こういう休みの時に都合の悪いことは起こるものだ。」と先生、マーフイと同じようなことを言いながら「前々からここは怪しいと思っていた。少々直してもまた痛み出したりします。抜いてしまいたいと思うのですがどうですか。」

仕方ありません、と答えたが、抜いた後はどうするのだろう。インプラントでも言われて数十万取られることになるのかとちょっと心配。しかし「一番奥だから別に構わないでしょう。」とのご託宣。

この歯医者さんには、3か月に一度来ている。いつもはbさんというきれいな技工さんが歯垢除去などしてくれる。その時は彼女の胸元など見ながら余裕綽々だが、今日は違う。下から見上げれば禿頭の大先生。痛い痛いと思っているから、何かをするのを見るとそれだけで痛く感じる。先生、不思議そうに「これで痛いですか。」「大丈夫です。」と歯を食いしばって??。

しかし麻酔をかけたせいで気が付いたら抜けていた。

「これが抜いた歯です。お持ち帰りになりますか。」

黄色い歯の真ん中に銀色のかぶせ物がしてある。

「ここまで70年、私の食に貢献してくれたか。」とは思うが汚いものは汚い。

終わって痛み止めと抗生物質をもらって、血の混じったつばを植え込みにはきながら新橋まで歩く。指を突っ込んで確認すると抜いたところがぺこんとへこんでいる。痛いわけではないが違和感を感じ、昼食も荻窪に出てやっと冷製パスを食った。

今日は一日何もする気がせず、歯を気にしながら時を過ごした。

寄る年波・・・・皆さん、歯は健在ですか。しかし結構前歯だけでも咀嚼には十分ということなのだろうか。となると一つ疑問、インプラントをしてでも最後まで生かさなければならない歯はどれを言うのだろうか・・・・。

 

註 ご意見をお待ちしています。

e-mail address   agatha@ivory.plala.or.jp

ホームページ    http://www4.plala.or.jp/agatha/