1580「男と女と歌謡曲」(8月17日(木)曇)

 

妻子ある地方議員と不倫旅行を楽しんだ国会議員の女性。週刊誌につけられ追及されて「でも一線は越えていません」大方の識者と称する人たちが「あれには笑った。」とあきれ顔。男と女が泊まれば世間は必ず何かあったに違いない、と断定し、悪いことと断じて男を女を糾弾する。しかし本当に何もなかったのかもしれない・・・・・。

非難される側から見れば「人の恋路を邪魔する奴は窓の月さえ憎らしい」・・・・わかるかな?

加藤登紀子 一人寝の子守歌

ひとりで寝る時にゃよぉー  ひざっ小僧が寒かろう おなごを抱くように あたためておやりよ
ひとりで寝る時にゃよぉー  天井のねずみが  歌ってくれるだろう  いっしょに歌えよ
ひとりで寝る時にゃよぉー  もみがら枕を  想い出がぬらすだろう  人恋しさに 以下略

ただこの歌は加藤登紀子が若い時に作詞作曲した歌だ。同じような歌を、我々のような晩節を迎えた老人が作ったらどうなるのだろう。

「黒の舟歌」・・・・確か2年前に亡くなった野坂昭如が歌っていた。

1 男と女のあいだには ふかくて暗い河がある 誰も渡れぬ河なれど エンヤコラ今夜も舟を出す *ROW ROW ROW ROW ふりかえるな ROW ROW

2 おまえが十七 おれ十九 忘れもしないこの河に ふたりの星のひとかけら 流して泣いた夜もある *繰り返し

3 あれからいくとせ漕ぎつづけ 大波小波ゆれゆられ 極楽見えたこともある 地獄が見えたこともある *繰り返し

4 たとえば男はあほう鳥 たとえば女は忘れ貝 まっかな潮(うしお)が満ちるとき 失くしたものを想いだす *繰り返し

5 お前とおれとのあいだには ふかくて暗い河がある それでもやっぱり逢いたくて・・・・
そして安全地帯の「ワインレッドの心」は、サントリー「赤玉パンチ」のCMイメージソング・・・・

もっと勝手に恋したり もっとKissを楽しんだ 忘れそうな想い出を

そっと抱いているより 忘れてしまえば

今以上それ以上 愛されるのに あなたはその透き通った瞳のままで 

あの消えそうに燃えそうなワインレッドの 心を持つあなたの願いがかなうのに(以下略)

これも若い人の歌。「一人でいるのは寂しい。同性といてもぶつかり合うだけでつまらない。ならば異性と仲良く過ごせばいいではないか。単純。だがなかなか思うように行かぬ。」

男も女も実は異性がいて初めて元気になる。それはそのように遺伝子に組み込まれているのかもしれぬ。やる気というものが出てくる。

何十年も前に見たテレビドラマ。恋に破れた若い女が湖のほとりにあるホテルに自殺をしようとやってくる。仕事に失敗し、汚名を着せられた男が本を一冊を持ち、読み終わったら死のうと同じホテルに泊まる。二人が出会い最後は「一緒に死のう。」とも考えるが、結局は「生きてみようか。」と抱き合ってエンデイングという作品であった。

最近は孤独独居老人の問題が世間を騒がせている。しかし彼らに異性のお友達でもできようものならそんな悩みなど吹き飛んでしまう。私の同期の友人に「君たちいい奥さんがいて幸せだ。」というと「酒がまずくなるようなことを言うな。」というものがいる。孤独独居老人から見れば、ずいぶん贅沢を言うものだ!仮面をつけて、あるいは鼻をつまんで、湯上りの彼女をそっと後ろから抱きしめ、やさしくKissをしてやればいいのだ。

一人身の私だって声を掛けたい女性がいないわけではない。しかも私はもう人畜無害の年齢。一線は越えたくても越えられない年齢。それなら気楽に「今度一泊で温泉にでも行きませんか。」

彼女は応じるかもしれない。しかし温泉旅行に行けば私の予期せぬ若さに感激し、「また行きませんか。」と言うかもしれぬ。結婚してくれ、金を要求するかもしれぬ。世間は「いい年をして」と騒ぐかもしれぬ。息子や娘は「もう親父とは縁きりだ。」とわめくかもしれぬ。実際起こることは大したたことはない。それでも十分幸せ感に浸って二人とも眠りにつけるはずだ。しかし実際は、勇気がなく、膝小僧を抱えて今日も布団に潜り込む。世の中はややこしいものだ。

追記  月に1度くらい出席する会に、我々から見れば夢みたいなことをしている男がいる。酒の席、不倫をしているというのだ。「金がかかってしょうがない。」と言うが、「彼女も感激している。」と得意顔。とくとくと我々に聞かせる。現場の庭に「さざんか」が咲いていたのかどうかは知らぬ。・・・わかるかな?面白くないから、お勘定の時、割り勘で出た端数を彼に払わせた!彼はこのエッセイを読んでいるだろうか。

 

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