1582「中国4大美人、いい女」(8月25日(金)晴れ)

 

「春の夜風が欄干をかすめて 夜露を受けた花はなんと細やかに香っております。ひるがえる雲に楊貴妃様の衣の様、咲き誇る牡丹の花は楊貴妃様の面差のようでございます。このような美しいお姿が見られるのは、絶世の美女西王母が住むという伝説の群玉山、それ以外なら仙界の月の下でございましょうか。」

「紅く艶やかな牡丹の花、露を含んでただよわせる濃密な香り。雲となり雨となる巫山の神女でさえも、この美しさの前ではいたずらなやるせない。それにも増して美しい楊貴妃様。お聞かせ下さい。漢の後宮の美女のなかにだれがこの楊貴妃様に似ることができるでしょうか。せいぜい、あの華やかでいて可憐な、「飛燕」が新しいよそおいを誇る時くらいでしょうか。」

「美しい牡丹と傾国の美女と言われる楊貴妃様、互いに美を競っておられる。そして皇帝様はそのありさまを皇帝は笑顔でいつまでも眺めている。 皇帝の寵愛を得て、春風の中に愁いをみせ沈香亭の北の欄干によって 花を賞でる楊貴妃様のなんと美しいこと。」

27日から詩吟の研修会があり、そこで李白の生涯を少ししゃべれ、と言われている。その過程で調べたもので三つの詩は「清平調子」3曲と言われるもの。

西暦744年ころ、中国は唐の時代、長安の宮廷、玄宗皇帝60歳くらい、息子の嫁で21歳くらいの楊貴妃を横どりして後宮にいれて4年ばかり、李白、この時44歳、呼ばれて詩を作れ、と言われてたちどころに作って見せたもの。いい年してよくやるものだ、と感心する。私にはとてもできない。

しかしこれだけほめても「飛燕」は漢の皇帝に愛されたとはいえ、奴婢上がりの女、そんな女と楊貴妃様を同列で比較するとはけしからん、しかも酔っぱらって参内、と李白を嫌う男に讒言された。そして採用取り消しと放り出されてしまったそうだ。

李白はほめまくったけれど、実は楊貴妃はデブだし、温泉が好きで、体臭が強かったという。なぜそんな女性がことさら玄宗皇帝に愛されたのか。するとあるサイトに

「楊貴妃はふくよかで、音曲に秀でており、踊りが上手でとりわけ取り入ることが得意だそうである。唐玄宗が自ら作曲した「霓裳羽衣曲」に一度目を通しただけの楊貴妃はすぐ暗記でき、歌に乗せながら踊ることができたという。」

(霓裳羽衣の曲は玄宗が婆羅門系の音楽をアレンジした曲と言われる。玄宗は愛妾である楊貴妃のお披露目の際、この曲を群臣に披露し、群臣に楊玉環が特別な存在であると意識させた。楽史「楊太真外伝」によると、玄宗が三郷駅に登り、女几山を望んだ時に作曲したものである説と、玄宗が、仙人の羅公遠に連れられ、月宮に行き、仙女が舞っていた曲の調べをおぼえて作らせた説双方が記されている。楊貴妃もこれに合わせて、舞うのを得意としたという。)

この特色が何かのきっかけで皇帝を魅了したのか?しかし皇帝の愛などと言うものは薄情なものかもしれぬ。安史の乱で長安を追われ成都へ落ち延びる途中馬嵬(陝西省興平市)で付き従っていた部下たちの要求で、楊国中と合わせて彼女も自殺させられてしまった。あとから彼女の好きであった南方からライチが届き、皇帝は改めて嘆いた、などと史書にはあるがどこまでが本当か?霓裳羽衣の曲も、玄宗期に起こった安史の乱以降、この曲は国を傾けた不祥の曲であると忌まれ、楽譜も散逸した。ただ白居易の「長恨歌」に曲名が登場する。

漁陽鼙鼓動地來   漁陽の鼙鼓 地を動(どよ)もして来たり、
驚破霓裳羽衣曲   驚破す 霓裳羽衣の曲。

中国の4大美人は中国4大美人は彼女のほかに西施(春秋時代)、王昭君(漢)、貂蝉(ちょうせん) (後漢)だそうである。李白の称えた飛燕は入っていない。

西施はあの芭蕉が「奥の細道」で「象潟や雨に西施がねぶの花」と歌った女性。「顰に倣う」という故事でも知られる女性。紀元前5世紀、呉越の戦いというのがあったが、敗れた越王が呉王を油断させるために送り込んだ女性である。

王昭君は紀元前1世紀ころ、北方の蛮族匈奴から前漢の女性を皇后として迎え入れたいと要望があり、講和のためにやむなく嫁に行かされた女性。

貂蝉は現実にいたかどうかもはっきりしない女性だが、三国志演義に登場する女性。こちらにも不美人で会ったから人に見せるとき首を挿げ替えた、などの話があるという。

いづれにしろ、美人、不美人は時代背景、個人の好み、等によってくるくる回るもの

・・・・・あなたの奥様も太っていれば「古代中国の美人楊貴妃のよう」、沈んで様子なら「西施のよう」、どうにも救いようがなければ「貂蝉のよう」とでも言っておけば家庭安泰?

もう一つ最後に世界3大美人はクレオパトラに楊貴妃に、3人目が小野小町という説とヘレナという説があるそうだ。

 

註 ご意見をお待ちしています。

e-mail address   agatha@ivory.plala.or.jp

ホームページ    http://www4.plala.or.jp/agatha/