1592「大学の学科の同期会」(9月30()晴れ)

 

朝方二つのことに出くわした。一つは所有しているアパートの女性が結婚し、アパートを出ると挨拶に来た。目が輝き、幸せそうだ。いいなあ、私にもあんな時代があった、と思い出す。

もう一つはいっかいのサラリーマンらしい男が株で儲け、300億の資産を作ったという話。ネットで見るとこういう人間は結構いるらしいのだ。金など時には簡単に作れるのかもしれぬ、それより世の中で大切なことは何なのか、と聖人君子みたいな疑問を持った。

私は1965年に国立大学・理工学部に入学工業化学を専攻し、Y研究室大学院で2年間過ごした。勤めていた会社を2001年に退社し、あとはのんびり、来年で古希を迎えようとしている。

午後、3年ぶりに工業化学科の同期会。場所はある研究センター内の会議室。72名のうち29人参加。すでに物故者がわかっているだけで12人。

みんなそれなりに立派な人になったが、さすがに後期高齢者ばかり、引退した人が多い。

久しぶりに仲間に会う、と自分の住所、e-mailアドレス等だけを書いた名刺を用意したが、もうそんなものないという者、あってもほとんどそこにはゆかぬ、などと言う者が多かった。名刺は勤務先と自分のステータスを書くもので自宅の住所など書いている者はいなかった。a君はずば抜けて優秀、卒業後も大学に残り、研究生活をつづけた様子。名刺を渡したところ「作っていない。作ればわが大学の名誉教授と言うことになる。」

Y研究室からはb君、c君のほか私の3人が出席した。前日に親しかった出席予定になっていた友人君に電話した。「昨日ボストンから帰ったばかりだ。明日は都合が悪くて欠席することにした。」とのことであった。

時間がないから全員の近況報告ではなく、研究室単位で行われた。b君はまだ仕事をしているという。Y研を代表して挨拶してもらったが「根っからの仕事好き」と自己を評価していた。海外に出かけていたことが多いらしく「まだ差別というものが厳然と存在する。なくしたい。」としていた。

彼の言う差別は白人の黒人、我々黄色人種に対するそれを指すようだ。

c君はほぼ引退した様子で、新居浜に居住で「相も変わらずバラ作りとゴルフで草との戦いを続けています。」とのことであった。だいぶ痩せられた様子だが、元気な様子だ。

一人が「自分の研究室の教授のために会社から300万円苦労して引き出した。」と紹介した。私は冒頭の株で300億円の話を思い出した。

一人が太極拳を披露してくれた。中国語と太極拳を20年以上もやっているそうだ。みんなもそれ相応、碁の仲間、書をやる者、ゴルフ三昧など趣味はそれぞれであった。

研究室単位でまだ結びつきの強いものもいるようだ。Y研究室はY先生、引き継いだ先生ともども他界され、今は若い人の時代。研究室としての集まりもなくなってしまった。

地下鉄で荻窪までd君と一緒であった。彼は薄膜などの分野で権威であったと聞く。

どのように会話を勧めるか迷うが少し技術的なことを聞いてみた。わずかばかりの知的好奇心と株投資判断の材料にでもできないか、という下心だがそこは隠して・・・・。

EV(電気自動車)について電池はどの程度持つのか、と疑問を投げかけたところ、現在全固体電池というものが開発されていると雑誌を見せてくれた。

現行のEVには航続距離が短く、充電に時間がかかりすぎるなど課題が多い。全固体電池が課題をクリアするものとして期待される。リチュウムイオン電池は正極と負極があり、その間にイオンの通り道となる液体の電解質が満たされている。全固体電池はこれを従来の液体の代わりに固体材料を用いているため、全固体電池と呼ばれる。全固体電池は安全性が高いこと。電解質が固体であることで液漏れが起こらない。また、揮発成分がないか、あってもわずかなため発火しにくい等々の利点がある。航続距離も長く、いつかはガソリン自動車並みになるかもしれぬそうだ。

太陽光発電は変換効率が問題だ。どの程度まで高くできるのか。

汎用品では20%台の製品が販売されているが、太陽エネルギーの5分の1しか使われていない、火力発電などと比べて効率が悪いとする意見が聞かれる。しかし彼によると、太陽光発電のモジュール変換効率の理論値の最大は25%程度で限界近くまで製品の開発は進んでいる。多層セルにすれば、セル変換効率としては大幅に上がるがコストがかかりすぎるとか。あとで調べたところ前者で20.1%、後者で46%程度のものがあるそうだ。息子さんたちと暮らしている様子で、穏やかなおじいさんになったように感じた。

また3年後に開催とのこと、元気で出席できるよう頑張りたい。

(追記)あとからトラック製造会社に勤めていた知人に「なぜトラックではEV仕様が出ない。」と聞いた。答えは「馬力が全然でない。環境対応でトラック業界が注目しているのは天然ガス自動車である。」と言うことであった。

 

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