1604「適当にやる株の勧め」(11月22日(水)晴れ)
株をやり始めたのは昭和50年ころ、入社して10年目くらい、日本橋に勤務していたころと思う。あのころ長谷工がマンションを次々に建て元気のいいころであった。確か110円くらいで2000株買ったのを覚えている。今は1500円くらいだから、大儲けだろう、というがさにあらず、その後会社はつぶれそうになり、5分の1減資というのを2度もやった。それを勘定に入れれば3000円近くにならねば割があわぬ。
株の価格はどのようにして決まるのであろうか。PBRだのPERだの配当性向だのいろいろなことを言う人がいる。ざっくりいえばこれにその会社の将来性というものが加わる。しかし価格はみんながよってたかって決めるのであって、絶対的なものなどない。誰かが株は美人投票みたいなもの、と言っていた。
私などわずかの投資であるから、証券会社は新人やアルバイトまがいを当てて、購入を勧める。ただ、彼らは一つには勧めて失敗すれば客から「お前のせいだ」と言われかねない、そこで「自己責任、自己責任」と呪文を唱える。その上新人である、そんなに経験や情報があるわけではない、上司が進める株かあるいは表面情報だけで独自で判断した情報しかない。
一方で客も確実な情報など得られぬ。せいぜいの日本経済新聞の情報であったり、新製品に関するニュースであったり、その程度だ。「自己責任」と言われても判断材料を与えられないまま、判断せよ、と言われているようなものだ。
友人の一人は完全に株を趣味にしている。しかも信用で株をやっている。危険だが少ない金で大きな利益を期待できるというのであろう。彼は価格等を自分のノートに記入し、ラジオはその関連の報道を逐一聞いている。彼はいう。「いろいろ聞いてみる、情報を集めてみる。良いと思う情報が必ず転がっている。」その通りなのだろう。ただ私は平均的人間という事なのだろうか、心の中で「株ばっかり集中していても仕方がない。人生ほかにやりたいことがあるだろうに。」・・・・大金を扱いながら、一方でそれを軽蔑している。そして長い経験から分散して投資せよ、という格言を信じている。これでは大金持ちには決してなれぬ!
熱心に研究する気もない、だけど楽しみたい私はどうすべきか。友人や株や、あるいはマスコミ報道の何気ない情報というものをできるだけ重視している。
3年くらい前詩吟の帰り、一人が妙なポロシャツを着ていた。「そうせいという会社の株主総会に行ったときに配られた。」という。彼は「あの会社のオーナーはほらばかりふきよる。去年も今年も「やがてわが社は世界の会社になる、利益も売り上げも天井知らずだ。」とほざいていた。仕事?医薬品の開発らしいが専門的すぎてわからぬ」興味を持ち調べて見たところよさそうだったので少し買った。株価は、倍以上になって少しは懐が潤った。
別の友人が「日特エンジニアリング」という会社は、株主総会に行くとホテルでパーテイ、お土産をくれる。また「すかいらーく」は無料お食事券をくれるという。調べて見て前者は数字がよかったし、堅実な会社のように見えて購入した。後者は実際に食べに行った時の印象があまりよくなかったのでやめた。結果はおおむね成功であった。
いままた友人が推奨した「ヤーマン」という会社の株が少し上がり、私は毎日ドキドキしている。しかし明日はどうなることやら・・・・・・。
いろいろあるが私は人に株を勧める。若い人は社会人になったら日本経済新聞を読め、という。結局自分の会社、業界、経済界、ひいては日本の情報に理解が深められるから、強いてはそれが仕事で役に立ち、出世に影響するからか。しかし引退した我々は、今更出世はどうでもいい。しかし社会に関心を持ち、つながりをもちつづけていたい。株を少しでも持っていると損得に駆られて勉強する。これが先日書いた「かきくけこ」論ではないが若さの持続につながる。これがいい。本当は社会勉強という点からは起業がいい。しかし大抵はかなわぬ。それなら株。
株はまた人の考え方も変えると思う。統計があるわけではないが、持っている人と持っていない人の政党支持に大きな差があるのではないか、という気がする。
また友人関係をよくするためにもよいのだと思う。
年寄りが話し合う。何もないとたいていは病気と子や孫の話に陥るのがおちだ。しかし聞いているほうは関係ないからうんざりしてしまう。趣味が趣味と言われるゆえんは個人個人が独自の世界を持ち、独自のそれを持っているからだ。だからなかなか一致しない。株は多くの人が関心を持ち、更にその先にある政治や経済になるとほとんどの人が関心を持つ。テーマとして面白い。
ただ欲得に駆られて夢中になることは勧めない。定年後に今までやったことがないくせに夢中になり、退職金をなくすなどよくある話だ。余裕をもって遊びくらいの気持ちで、株を少しでいいからやることは勧める。
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