政府は、りそな銀行に公的資金を約2兆円注入し、事実上国有化することにした。
この事件はよほど注意してみないと何がなにやら分からない。以下に日経新聞の記事をねたに自分なりにまとめてみる。
まずりそなグループについて。2001年3月末に、大和銀行、近畿大阪銀行、奈良銀行が持ち株会社を設立、11月にあさひ銀行が加わった。そのうちの大和銀行、あさひ銀行グループがりそな銀行となった。今回の対象はりそなグループ全体で、従業員約2万人、総資産約45兆円である。
今回の措置は、監査結果で2003年3月期の自己資本比率が国内営業の最低基準である4%を下回り、連結で3%台、りそな銀行単体で2%台まで落ち込んだことである。落ち込んだ理由は、不良債権の発生もあるが監査法人がりそな側が作った長期計画に無理があるとし、「税効果資本」の大幅な取り崩しを求める方針を決めたことにある。
まず資本金や法定準備金を使って帳簿上の累積損失を消す。その上でりそな銀行があらたに発行する株式を政府が引き受ける形で公的資金を注入するのだという。減増資の形をとるが、既存の株主の議決権や将来配当を受け取る権利を損なうような実質的な減資はしない。預金は全額保護される。発表してからの窓口の様子など伺ったが、平常どおりで混乱が起こっているようにはみえなかった。私はわずかだがドルだて債権をもっており、心配になったが保護されるとのことであった。国の方針として、りそな銀行の財務内容を健全にすることを優先しているのである。
自己資本比率が下がる主因となった「税効果資本」というのは、将来利益が上がった場合に不良債権と認定して費用計上し収めた税金が戻ってくる権利をさす。しかし5年以内と限定され、しかもどの程度利益がその期間にあげられるか、という問題があるから見方によって変わってしまう。そこを監査法人が厳しくみたのである。
勝田社長以下トップは辞任するとのこと。しかし外部からではなく、生え抜きが昇格するとのことだ。トップにしてみれば非常に不満だろう。雇っているはずの監査法人のサジ加減一つで実質国有化などが決まった感じだからだ。
一方でとかく批判の多い従業員の給料を3割下げるなど、数々の合理化も計画されているとの話である。しかし銀行の将来となると、縮小均衡で回復できるかどうかということで、予断を許さない。
株式の価値はどうなるのだろうか。
減資は「資本の部」ですでに計上されている欠損と資本や資本準備金を帳簿上で相殺するだけなので「資本の部」の合計は変わらない。株式数も減らさないから一株あたりの純資産は普遍である。ただし増資で株数が増えるため、一株あたりの利益が低下する。
一方で、減資で欠損を穴埋めし、その後の増資で資本を増強するのだから財務内容が健全化する。しかも利益があがりさえすればりそなホールデイングスを通して配当などの形で一般株主に還元しやすくなる。
株価は最大で2割近く下げたが、その後は底堅い動きを見せているようである。私は株主に必ずしも不利には見えないような決定なので、むしろ上がる、と考えていたが案に相違した。国有化によって経営は必ずしもよくならない、日本経済の先行きは暗く、このような危機がまたおこる、りそなは立ち直れないのではないか、外の銀行などにも波及するのではないか、等の悲観的な意見が主流をしめたからだろうか。
今回の決定に、与党は「預金者、借り手、国民に迷惑をかけないために、金融システムの不安定を未然に防止するセーフテイネットを働かせた。立派な国民の銀行に変えてゆきたい。破綻ではなく再生だ。」などとしている。これに対し野党は、これまでにも公的資金を注入し、自力再生を期待したがしえなかったことを踏まえ「失政である。まさに金融危機が起きた。このままでは国家財政、日銀が破綻する。」などとしている。しかしそれではどうしたらいいか、となると内閣辞職以外明確な意見は聞かれないから困ってしまう。
個人としてはどうしたものでしょうかね。りそな株も少し持っているが「もう、どうにでもしてえ。」とやけっぱち気分。
最後に今日の日記はかなり苦労した。しかしそれだけに私自身の勉強にはなった。その自己満足だけで我慢するとするか。オヤスミナサイ!
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