1638「夢を見る」(3月31日(土)晴れ)
これから会議が始まろうとしている。イランのどこかの工場、私は日本から吸収式冷凍機の打ち合わせのために派遣されてきた。数人が入ってきてテーブルにつく。
その時私は何を話せばいいのだろう、何の準備もしていない。それに書くものがないことに気が付いた。向こうはにこやかにしているが書類の束を抱えているではないか。
私は「ちょっと失礼。」と外に出る。門に警察官のような帽子をかぶり、征服に身を固めた守衛がいた。「ちょっと出る。」と言うと不審な様子であったが出してくれた。
ところが外国のくせに、我が家は角を曲がったところ、廊下を見ると金属の小さなケース、父が使っていたものだ。そこに両方削った青赤鉛筆と芯の折れた鉛筆が数本。とにかく書けねばならぬ、と青赤鉛筆を懐に入れ、工場に向かう。守衛は入れてくれるだろうか、心配したが何とか入れた。
しかしロビーに出て気が付いた。どこの会議室であったっけ。何をしゃべる・・・・すっかり忘れていた。「日本の空調は・・・・」どうなっているんだろう。これ英語でどうしゃべるのだろう。頭の中が混乱してくる。
ガラス越しに何人かが会議をしている様子が見える。しかしメンバーが違う。あの部屋ではない。
通りかかった男にどこだろうと聞くと7階ではないですか。エレベータに乗る。7階、廊下、ドア、ドア・・・・どの部屋なのだ。人影はない。
ああ、もう開会時刻から15分も過ぎている。・・・・どうしよう。焦る、焦る・・・・・。
そこで目が覚めた、もう4時前、良く寝たものだ。
考えると最近はどこにいるのか、どうすればいいのか悩む夢をよく見る。
夢の内容は覚めるとすぐ忘れるのだが・・・・。誰かが言っていた。夢を記録するために枕もとに筆記具をおいておくといい。聞いただけで無精者の私は実行していない。
この前はお茶の水駅を出て次はなんという駅であったかわからなくなった。
秋葉原だか、神田だか・・・・。すると電車は何か違う方向に行く。やっと着いたが、なんだか森の中のぽつんとした駅。
これはわからぬ。戻らねばならぬ、とホームに出るが車掌が一人だけ、「次の電車ですか。あと1時間ですよ。」と車掌。ああどうしよう、周りには喫茶店ひとつ見つからぬ。
悩んでいるうちに目が覚めた。
夢はその時考えていることが脈絡なく登場することに面白さがある。
若いころは空を飛ぶ夢を見た。両手を動かすと楽に飛べる。ところがだんだん飛べなくなる。
落ちる、落ちる、これではいかんで目が覚める。同じように簡単に100mも泳げる夢も見た。
青年になったころは、どこかの浴衣姿の若い女性と吾妻屋にいた。
なんとなく抱き合う。素晴らしい瞬間。女が潤んだ目で私をみあげている。後ろを振り返ると上司がこちらに向かてくる。知るものか・・・・さあ、
ところがそこで目が覚めてしまう。慌てて目を閉じる。あの続きを見たい・・・・しかしいたずらに布団を抱くのみ。
宝くじの当選番号を見る私。何、私の番号ではないか。1億円当選。早く金に替えねばならぬ。
まさか夢ではないだろうな。手で頬をつねる。痛い!夢じゃない。外に出る。どこで金に換えてくれるのだろう。あれ、あの券はどこへ行った。懐を探すがない。やっぱり夢か・・・・。
友人にこのような話をした。彼は「おれは美人の前で頭に手をやった。するとふさふさとした髪。この若さなら大丈夫いともう一度彼女を見た。なんだ、ばあさんではないか。もう一度頭に手をやる。なんだ,つるつるではないか。」あの話はつくり話なのだろうか。もちろん彼は毛が無い。しかし、夢は日頃のことをどう組み合わせて夢として見せてくれるのだろうか。
夏目漱石は「夢十夜」という小説を書いた。あれは本当に自分が見た夢を書いたのだろうか、それとも想像してひねり出した者だろうか。評論家があれは名作と何人もコメントしている。しかしそこのところを議論したものにお目にかかったことがない。
ところであければ今日から4月、事に今日は1日、嘘をついてもいい日。昔はこの日に通信で嘘話を書いた。あれはやさしいようでなかなか難しい。
90歳で死ぬとして5000日足らず・・・・今後どんな夢を見るのだろう、と考えながら布団をはねのける。新しい一日が始まる
明日はどんな夢を見るだろう。素焼きの壺を白い布でくるみそれをもってとぼとぼ歩く。この壺の中には私が入っている・・・・そんな夢だって?冗談じゃない!
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