「カラスはどれほど賢いか」(唐沢孝一、中公新書)を読んだ。カラスとゴミについて昨年5月8日の日記に書いた。このときは新しく建てるアパートのゴミ置き場をどうするかで悩んでいた。その後の報道でこの近くのカラスが平林寺からやってきていることを知った。それらとあわせて書く。
この書の魅力は第3章以下の実際に都心でカラスを捕まえて、その行動などを追った実験である。東京都の有害鳥獣駆除の目的で設置された捕獲用の箱わなを利用させてもらったのはいいが、取り出すときに苦労する話、全部ハシブトガラスで重量が平均700グラム強であった話、遠くから見ているとどれもこれも同じ様に見えるが重さも顔つきも羽の艶もそれぞれ異なっている話、飛んでいるカラスを識別するために足輪やカラーリングをする話、発信機の苦労話など実際に体験してみないと分からないものだ。
都心のカラスはそれぞれに1000メートル間隔くらいで餌を取るための縄張りを持っている。その縄張りが最近小さくなってきている。考えてみれば生ごみなど発生量が多くなれば、縄張りが小さくてもいい、という話もうなづける。
カラスは1日1卵づつ4-5日産む。雌親によって約20日間抱卵されて孵化する。最初は羽が生えていないから、ピンク色だが、次第に黒色化してくる。雌親はずっと抱雛し続け、孵化後約1ヶ月で巣立ちする。巣立っても、およそ20日くらいは、家族郡を作って生活するが、その後縄張りを出て幼鳥郡の仲間入りをする。巣作りまで入れると子作りには3ヶ月以上を要する。巣立った雛を守るために親カラスが人を襲ったりするトラブルは、雛が巣立つ5月下旬から6月中旬に集中する。
完璧な雑食で、残飯等は当然だが、魚類や甲殻類、車に引かれた猫の死体、山で遭難した人の死体、バイソンの糞、何でも食う。腹の中を調べると食えない輪ゴムなども食うというからすごい。その上、他の鳥やその雛や卵に目をつける。ドバトなど都市鳥はよく襲われる。開放型の巣は都市ではすぐにカラスの攻撃を受けるから見られなくなった。スズメなどは木のうつろなどに巣を作るが、カラスは毎日パトロールして雛が育つのを待って襲う。飛行能力の弱い雛はひとたまりもない。
頭脳のよさの話も思わずうなる。捕まえて餌を与え、足輪などつけて離すのだが、あるカラスは何度も捕まる。どうも足に触られるくらいで餌にありつけるなら、つかまろうと考えているらしい、などびっくりした。そのほかにも2羽がペアーになって陽動作戦で猫をつついたり、オオタカの卵を失敬する話なども面白い。
なんとなくカラスに親しみを覚えた。彼らも大変、そういえば彼らが一番恐れるのはやはり人間様とか・・・。そうはいいながら最後に著者のあげるカラス対策。
1)カラスを被害場所に接近させない。目玉模様、カラス自身の死体、空砲、匂いなど
2)捕獲機による生け捕り
3)銃による射殺、毒物による毒殺
4)カラスの繁殖や繁殖成功率を抑制する。巣を取り壊す、ホルモン摂取等
5)カラスの生息環境を繁殖や採餌に不向きなようにする。ゴミ処理方法の改良等。
しかしどれも決め手になるというわけではなさそうで、当分はカラスと人間の知恵比べが続きそうだ。
なお私の新しいアパートのゴミ置き場は、ブロックで囲いを作り、屋根に鉄製の網を載せ、その上から清掃局事務所でもらった網をかけた。網の端には錘をつけ、カラスが入れないようにした。ゴミを入れるときは錘のついているあたりを持ち上げて入れる。当番をもうけていないが、比較的うまく行っている。
平林寺の話は平林寺からわが家まで地図上で直線10キロくらいか。彼らは2,30分かけて通勤してくるのか、とも考えたが、この近くにも寺や雑木林が多く、そちらから来るのではないか、と思うがよくわからない。
註 ご意見をお待ちしてます。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha
杉並区の広報誌など余り見ないのだけれど、今日の一面には「カラス対策賞が決まりました。カラスとの知恵比べにピリオドを!」の活字が躍っていて興味を引かれた。
2月から3月にかけて、見近なカラス対策を募集したところ、74件の応募があり、有効な対策14件を「カラス対策賞」として選定し、表彰するという。
本当にカラスには困ってしまう。わが班も緑色の網を当番に当たった人がかけるのだけれど、しばしば上手に突っつきだして往来を思う存分汚してしまう。
今回の応募内容でもっとも多かった対策はゴミの容器だしだそうだ。ただ容器出しは容積をくったり、予想以上の多くのゴミが出たときなどは困りそうだ。銀色のシートで覆う、折りたたみ式の囲いを作り、その上にネットをかける、釣り糸をはり、カラスが飛行できないようにする、黒い日陰ネットを利用するなどの提案もあったという。
しかし、カラスはなかなか頭がいい。宇都宮大学農学部杉田教授の研究によると、知能の高さを示す指数がイヌ、ネコを上回っており、脳の重さは約10グラムで、鶏の約3倍あり、脳内の神経細胞密度は、約6倍あるという。
そのせいで広報誌も「いずれの対策も永久に有効であるとは言い切れませんが、いくつかの対策を組み合わせたり、数ヶ月ごとに違う対策を実行すれば、効果を維持することができるそうです。」などと書いている。
いっそのこと、撃ち殺してしまえばいい、と思うのは私だけではないかもしれない。しかし、東京都の出している「カラスに関する苦情相談マニュアル」によると「カラスは鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」により、狩猟鳥獣に定められている。それによると
「カラスが多くすんでいる寺社、森、公道などでは年間を通して捕まえてはならない、その他の地域では狩猟期間中(毎年11月15日―2月15日)に限って、狩猟者登録を受けた者が、法定猟具(銃、わな)を用いて捕獲することが出来る、法定期間以外の捕獲は有害鳥獣駆除による知事の認可が必要になる」
と、まあカラスの人権、いやカラス権を慮ってかなかなかうるさい。
また捕まえたカラスを食用にする、というアイデアは、東北のどこかの県で出たことがあるが、あまりうまくないのか中止になったらしい。
インターネットでその生態について少し調べてみる。
荒らしまわるのは「ハスブトガラス」が主体だが、最近は「ハシボソガラス」も増えているらしい。しかし「オナガ」「カケス」「カササギ」などがカラスの仲間とはしらなかった。
カラスは11-3月に、一番大きな群れをつくり寒い冬を乗り切る。3-6月は繁殖期で恋愛、結婚、巣作り、出産、子育てと忙しい。この時期はカラスもわが子が可愛いから、気がたっており、人間がしばしば襲われる。まさに今じゃないですか!
7-10月は幼鳥が巣立ちの時期を迎え、親鳥ともどもまた群れをなして、普通の生活にもどる。親ガラスも一息というところである。
ところで「そんな御託を並べないで有効な方法をお前も考えろ!」
先日、東村山の近くを散歩した。鉄性の網籠が置いてあった。どこかの業者が作ったものらしくわりにキチンとしている。本質的には容器式だが、ビニール袋に入れていくつも籠の中に入れられるし、見えるから怪しいものが入れられる可能性も少ないようで、比較的よいアイデアと思った。
一つ問題なのは常時道路の一部を電信柱みたいに占有している点だ。ゴミだし施設が道路の一部を占有することが許されるのか。ネットをかけたり、折りたたみ式の囲いや移動式ポールに網をかけるなどは、その点を考慮していると思われるが、手間がかかりすぎるように思う。
考えてみれば行政はこの点を頬かむりしてアイデアを求めている、とも思える・・・・。