1666「ホタテ貝」(712日(水)晴れ)

 

最初は豪勢に鰻を買おうかと考えた。

しかし12000円くらい、ガールフレンドのAさんと二人で4000円、金は冥土に持ってゆけるわけではなし、の考えもあるが根がケチちょっともったいない。

そのうち今日はAさんが肉と野菜を煮込んだものを持ってくると言っていたことを思い出した。

「何も一人一匹食うことはないではないか。1匹にして、半分づつ出してもいいし、鰻を小さくちょん切って薄焼き卵と一緒にし、飯に賭けてもいいではないか、と考えだした。これなら2000円。

そのうちそれなら中国産の鰻ではどうだろう。あれなら1000円。

中国鰻はマーケットでは売っていなかったから、別の八百屋アキダイへ。

あった、あった、980円と手を伸ばしかけてふと横を見ると、貝殻ホタテが4粒で580円、しかし売り切らぬといけないのか100円引いて480円。急きょ方針変更、こちらになってしまった。

家に戻り、インターネット記事を参考にしながら、調理。フライパンで加熱して二枚の会の隙間にフォークなど突っ込んで無理やりこじ開ける。この貝はどちらを表と言うべきか。実のたくさんついているほうに一緒にし、再びフライパンに乗せ蓋をして3分加熱、ふっくらおいしそうになったところへバター、酒、しょうゆを垂らし、もう一度加熱。出来上がり!「鰻を値切ってホタテにしたこと」は伏せてAさんとおいしく食べた。

所でホタテの貝を開けながら、根元に所に緑色のビニールの紐が付いていることに気が付いた。それがきっかけで何となくホタテ貝の養殖のことを調べて見た。青森県のサイトにわりに詳しく説明してあった。要点を抜き出すと

1ホタテは春の産卵期が近づくと、生殖巣が大きく膨らみ、卵径は約90ミクロン(1ミクロンは1/1000mm)である。春、海水温が6~8になると、海中に卵や精子の放出がはじまり海中で受精が行われる。この後、浮遊生活をつづけ約40日位で物に付着する。その付着時期は、桜の開花後の4月下旬〜5月下旬である。この頃の貝の大きさは300ミクロンとなっている。

付着生活は40~60日位で、盛夏の頃7~8月に落下して海底生活に移ることになるが、このことが、ほたての生死を決定づける重要なこととなる。すなわち、落下の頃の貝の大きさが8~10mmで、このひ弱い稚貝が、夏の高水温で海底の環境条件が悪い(無酸素状態等)ところへ落下するため、100%近くが死滅するといわれている。養殖が始まる昭和40年代以前は、ほぼ10数年おきに1~3万トン台を記録し、これを異常発生といっているが、たまたま稚貝の落下時期に環境が生存に適する条件になったと考えるべきか。その後生き残った稚貝は、海底生活の中でヒトデ等の害敵に脅かされながら海中のプランクトン(浮遊生物)や有機懸濁微粒子を餌とし、産卵してから1年で約6cm、2~3年で10cm以上に成長し生産の対象となっている。

2採苗

産卵後浮遊し、春の桜の開花後、物に付着する習性を利用して付着器(採苗器)を作って海中に入れ、これに付着した稚貝を夏の落下前に採取することを採苗と呼んでいる。この採苗の良否がその後の生産の大小を決定づける。近年の全国的なほたて生産の増大は、この採苗の量産化の成功がもたらしたといえる。陸奥湾では毎年数億個もしくは10億個台が採苗される。

3中間育成

採苗器に付着した稚貝は、そのままにしておくと、夏季には、8~10ミリ の大きさになって海底に落下するが、これを落下させずに採取して、篭 (パールネット)に入れて3cmくらいの大きさまで育て、地まき向け、垂下養殖向けの種苗として利用している。

4増殖

かっては45cmくらいに育った稚貝をヒトデなどの害敵を駆除した漁場に適正な密度(1u当たり6個以内)で放流し、2年以上たってから漁獲していた。しかし最近は海中の施設(篭に入れるか、吊下げるか)で育てるのが垂下養殖が主流。昭和37年、38年頃から始められ、施設、方法に種々改良が加えられ今日に至っている。

垂下養殖は、延縄式施設に吊下げられた化繊製の網で作られた篭に、ほたてを入れて育てる方法とほたての貝殻に穴をあけテグスまたは、アゲピンで吊下げる耳吊りの二方法がある。

ここに至って今日食ったホタテについたビニールひもは海中に吊り下げるために取り付けたヒモらしいと分かった。

最後にもう一つ蘊蓄。あの有名なヴィーナスの誕生でヴィーナスがのっかっている貝はホタテ貝だそうだ。シャコ貝かと思ったが違った。但しあのホタテ貝はジェームズホタテ貝と言う種類でせいぜい12-13センチ程度にしかならぬ者のようだ。

 

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