1689「認知症、財産を定期預金で残すな」(8月27日(月)晴れ)
日本経済新聞8月26日「認知症患者、資産200兆円に」と言う記事が気になった。
いわく「高齢者の進展で認知症患者が保有する金融資産が増え続けている。認知症になると資産活用の意思表示が難しくなり、お金が社会に回りにくくなる。国内総生産の4割に相当するマネーが凍結状態になれば日本経済の重荷になりかねない。」
日本経済の重荷はどうでもいいけれど、自分の金が使えなくなるのは困る。
記事は続いて、本人が認知症になり、信用金庫で途方に暮れる男の話。入院治療費が必要なのだが、本人の意思確認がとれぬ限り父名義の口座から下ろせぬのだという。本人の意思確認は例えば銀行が本人に電話する。その時必ず本人が出なければならない。電話に出た人間が本人であるかどうかは、どうやって確認するのだろう?
この話は預貯金を定期預金にしなければいいことに気が付く。キャッシュカードの暗証番号だけ伝えておけば、何とかなるからだ。ただキャッシュカードで下せる金は1日50万円の縛りがある (証券会社の預け入れ部分も同じ、株式や投資信託は預入金に替えなければ引き出せない。)。これ以上になると窓口に預金通帳と印鑑持参となるが、向こうも振り込め詐欺等警戒して、本人確認だの何に使うのだとうるさい!
記事は、高齢者の消費が減り、さらに「株式などの運用が凍結されれば、ただでさえ欧米より少ない日本のリスクマネーは目減りし成長のための投資原資がますます少なくなりかねない。」として成年後見制度の普及をあげている。投資原資がどうなろうとかまわないが、最後は自分の金をどこまで面倒みられるかと言うところが気になる。
「後見人制度利用は約21万人と認知症患者の5%に過ぎないとする。後見人には・・・。」
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親族。しかし近くにいないケースが多い。
A
弁護士や司法書士などの専門職 最低でも月に2-3万かかり収入の少ない高齢者には負担が大きい。
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上記以外で無報酬で行う市民後見人は、家庭裁判所への報告などに加え、借金返済や家賃滞納への対応など想定外の仕事が降りかかり、負担は軽くない。もちろんこういう人は「信用できない。」という声も多い。
全国銀行協会や法務省、金融庁などが協議し、高齢者の銀行口座を資産用と資金用に分け前者は金融機関や家裁などが厳しくチェックする一方、後者は後見人の自由度を大きくする仕組みを打ち出している。また法人などが後見人になる取り組みも行われているようだ。
本人と家族が認知症になる前に資産活用についてあらかじめ定めを結ぶ「家族信託」という仕組みがある。但し本人も家族も認知症になることを前提に話し合うことは抵抗があるようだ。周囲から見ると、もう認知症の本人も、自分としてはまだ社会に復帰できると考える例は多いのかもしれない。
これについては最近聞いた話。お姉さんがもうなくなりそうな状態で妹さんが面倒を見ている。お姉さんは死の淵をさまよったげく、彼女等がようやく老人ホームに入れた。お姉さんの預金は**万。お姉さんとしては面倒を見てもらいたいが、自分がいつか社会に復帰できる可能性考えている。そのため8割は定期預金に入れ、妹さんは使える分はごく少ない。これでは面倒見切れぬと妹さんは嘆く。
最後に気になることをひとつ。
其の200兆円を超す認知症患者の金はどこに保管され、どのように利用されるのか。
多分多くは銀行だろう。200兆円は遺産相続になれば銀行から引き出され、生きている物に分けられてしまう。しかし次から次に認知症になるものが現れるから、結果として200兆円は減るどころかむしろ増えてゆくだろう。するその金を銀行は文字通り凍結、金庫に入れて封でもしておくか。そうはせずやっぱり運用するのだろう。・・・・さらに気になることが一つ、この埋蔵金を国は指をくわえて眺めているだけだろうか・・・・・。
さらに付け加えてもう一つ。
私は少々たまった金を万一の時にそなえてどのような形で残しておくべきか。せっかく貯めたのに、いくら残すかはともかく、自分のためにつかえぬ、と言うのは切ない。もっとも意識なし、胃ろうを受ける状態になっても生きていたいか、と言えば話は別。せいぜい美人看護婦に夢見るように死ぬために使っておくれ・・・ともいうべきか。
後記 最近少し銀行も考えるようになった。りそな銀行などではそのような形で本人が図けておけばいざというときに親族が下せる制度があるとか・・・。とにかく私は定期預金は解約・・・・。
註 ご意見をお待ちしています。
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