169「個人金融資産」(6月16日 曇り)

今日の夕刊トップ記事は「個人金融資産1400兆円割れ」

2002年度4年ぶり、落ち込み最大1.9%、株式が大幅減、現預金シフトと少し小さな見出しが躍る。あわせて「株の割合はバブル期の7割減」として、89年末と2002年度末の家計金融資産の構成割合の図表が載っている。

出所は日銀が16日にまとめた資金循環統計。全体の数字よりも私たちがやっぱり関心があるのは一人当たり。個人ベースでどうなっているかということ。

個人金融資産というのは現金・預金、債権、投資信託、株式・出資金、保険・年金準備金など。89年度末に1013兆円であった。総人口を1.2億人とすると、一人当たり850万円だったということになる。

99年にピークに達し、1428兆円、一人当たり1200万円になった。

これが2002年度末に1378兆円になった。総人口を1.2億人とすると、一人当たり1150万円になったという。前年比で1.9%減少している。記事ではその原因を「所得の落ち込みや株式低迷で減少幅が過去最大になった。」としている。

株式・出資金は20.1%から5.9%に減少した。これは一人当たりに換算すると、170万円から70万円になったことを意味する。しかし89年といえばバブルのピーク、ダウ平均は40000円近くいっていたはずである。現在は9000円弱だから、平均的には170万円あった資産は、4分の1になったとして43万円くらいに減っているはずである。そう考えるとまだ多いくらいなのかもしれない。株式市場から個人が資金を引き上げているわけではなく、投資しなくなったと考える方が正しい。投信も2.1%、つまり25万円くらいと少ない。

逆に現金・預金は44.3%から56.2%になっている。つまり375万円から630万円に増えていることになる。株も投資がちっとも儲からないから、やむを得ず、現金で持ったり預金している、ということなのだろうか。

記事は後半に「米国の場合、三月末時点で家計の資産構成は現金・預金は13.9%に過ぎず、株式などが全体の30.8%を、投信が12.2%を占めている。」

インターネットで調べると米国の2001年度末個人金融資産は32.1兆ドル、総人口2.8億人で割ると11.5万ドルということになる。1ドルを120円とすると1350万円くらい。株式などに400万円、投信に160万円くらいを回していることになる。

「日本の資産構成は極端に現金・預金に偏っており、それが株式市場の低迷や経済成長率の鈍化の一因ともなっていると見られる。」

本来は株は下がっているときに買い、上がっているときに売ればいい。しかし現実に個人のとる行動は逆。上がってこなければ株式市場への流入資金など増えるわけはない。一因となったとしたって、個人としては関係ないこと!

ところであなたの家には家族人数に1150万円をかけただけの金融資産がありますが。私の場合はかろうじてなんとか・・・・・一人暮らしですからね。

そう、これらの数字は平均で考えた話。その上では私などむしろみなずい分沢山もっているなあ、と感心する。

記事に「家計の金融資産残高」とあるからさすがに統計では借金は引いてあるのだろう。しかしそう考えると個人金融資産マイナスの人も多いに違いない。どこかの記事で家計の「バランスシート」を作って見るとよいと書いてあったことを思い出す。

格差は大きく、むしろ広がっているように感じる。最近の別の新聞記事は若い人を中心に現金・預金も減ってきているとつたえている。彼らの中には借金返済に追われて貯金どころではない人もいるようだ。

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