1696「三原山に登る!」(1029日()晴れ、30日(火)晴れ)

 

高等学校同期の中間が行う山歩きの会に参加して一泊で大島に旅してきた。

迷った。私は一応一日10000歩以上歩いているとはいえ、だいぶ足腰弱ってきている。特に膝が弱い。しかしこれを逃せばもう大島に行くことなどないだろうと考えた。

参加者は女性3人を含む10名、同期であるから皆76歳か77歳。

朝早く竹芝桟橋からジェットホイルに乗る。パソコンで拾った定義によればジェットホイルは「ガスタービンで動かすウォータージェット推進機によって、海水を吸い込んで船尾から勢いよく噴射、水中翼で船体を海面上に持ち上げて航行する高速船で、海を飛ぶ船とも表現される。」

とにかく早く、時速80キロ近く、竹芝から大島まで2時間かからぬ。

天気はこの上なく快晴。バスで登三原山山頂口。海越しに富士山がくっきり見える。いつもは東京にいて東から、今日は南から見ているからか少し違うように見える。

ここから外輪山の上り、距離にして2キロ余り、130mくらいの上り。

1986年に大噴火が起きたことは記憶に新しい。あの時は全島避難にまでなった。その時の溶岩であろうか、登り道にはごろごろと黒い溶岩が転がっている。ところどころにコンクリートでできた「かまぼこ」のようなシェルター。ここから一周コースに向かう。向こうにここより高いのではと思われるような丘二つ。あそこまで行くのか、と考えたが行くのだ!

風が強い。少し行ったところで日本300名山を踏破したというc君が「この辺で昼食にしよう。」早いと思ったが正解であった。溶岩の一つに腰掛け早速朝コンビニで買い求めた弁当を開く。少し窪地に入っただけで恐ろしいほど風がしずかだ。

しかしそれから再び丘登り。大変だ。とにかく下から吹き上げてくる風が強い。その上足元が小さい溶岩だらけで悪いことこの上ない。左右はほぼ崖、落ちればたぶん助からない?道沿いにロープが張ってあるので吹き飛ばされによう、それにすがりながら登る。草木はほとんどない。西部劇の光景と誰かが言う。行き交う人はほとんどいない。すこし拍子抜け!

やがて噴火口が見えるポイント。遠くの富士山は美しいが、手前の噴火口がひどく大きく見える。噴火で山が吹き飛んだという山肌が恐ろしげだ。ただ現在噴煙は見えぬ。

私が、最初に亡妻と子たちを連れて大島に来たのは、1975年ころであったと思う。その時はまだ火口はそれほど大きくはなく、近くまで行ったことを記憶している・・・。

ところどころに観測計器などがすえられており、そこで休みながら、とにかく前進あるのみ。86年にできた新しい爆裂口というのも見えた。ようやくほぼ一周。今晩のお宿大島温泉ホテルに行く分岐にいたる。ここまでくれば、一安心とゆったりした気分だが、ここからも結構長かった。

最後のホテル近くの樹海。いくつかの木がゴムの樹液を採取した後みたいに、一周傷がついている。植物にも地政学にも詳しいa君の話によると、「台湾リス」だそうだ。昔動物園で買っていたが、洪水か何かで逃げ出し野生化した。歯がどんどん伸びてくるので、削るために木に食らいつくのだそうだ。ところで私は、樹海の道で石に躓き、転倒し、岩に頭を打った・・・・と書けばその通りだが、木々など必死につかんでいたし、幸い帽子をかぶっていたから大過なく幸甚。

4時前にホテルにつく。古いホテルだが、温泉から眺める三原山がいい。しかし風は相変わらず激しく、木々が右に左に揺れて音を立てている。酒も食事もまずまずで大満足。歩数計は25000歩以上をカウントしていた。だいぶ疲れた。

翌日はのんびり、余分の一日。バスで元町まで行き、そこからハイヤーを借り切って豪勢に地層大切断面観察と波浮の港。地層大切断面は、火山の灰が降るたびに層ができ、それが何層にもなってあのような地形を作り出すのだそうだ。

大島と言えば波浮の港、昔からそう決まっていた。あの名曲「波浮の港」もそれゆえにできた。浜辺に長さの違う金管がずらり並んでいる。それをたたくとあの「波浮の港」の曲になる。港はもともと池であったが、1703年の大地震の時に海につながって入り江になったとか。そのため深くないという事で、大型船が増えるにつれて岡田港や元町港に移っていったらしい。bさんの指摘で波浮港が伊豆の踊子の出身地であると初めて知った。

元町に戻ってお土産屋。店の看板に「元祖椿油」、普通のてんぷら油と比べればずいぶん高いと思ってやめたが、買うべきだったか。240分の船に乗る。案内してくれた運転手のおじさんが言っていた言葉を思い出す。「近くなりすぎて皆さん、日帰りで来るんです。団体だと交通費と食事、観光がついて7000円、とても勝負になりません。過疎化が進んでます。」

無事に二日間大いに楽しめてよかった。よい冥土への土産になった、というのは少し早すぎるか。幹事と皆様に感謝・・・・。

 

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