1700「「蘭亭序」を臨書」(11月15日(木)晴れ)
通信もようやく1700回。リタイヤしてから早いもので17年!
読売文化センターで習字を初めて10年近くになろうか。
2週に一度の講義、その間に先生も変わったし、生徒も変わった。ただ私はこの歳になって「なんでも続けることが大切」と考え、とにかく今日まで来た。
習字の世界で一番の手本とされている物が王羲之という人の書いた蘭亭序という事になっている。古本屋で筒井重徳著「蘭亭序をならう・・行書がうまくなる本」というものを見つけた。この書は単にお手本を示すだけでなく、一字一字書き方が指導してあるのがうれしかった。何回か一部を臨書したように記憶しているが、これを見てもう一度臨書してみようと考えた。少しづつやって1週間くらいかかったが、なかなか面白かった。
蘭亭序については、日本大百科全書の記述を引用する
「中国、東晋の王羲之の書。永和9年(353)3月3日、会稽内史であった右将軍王羲之は、謝安、許詢、孫綽らの名士を会稽郡山陰県(浙江省 紹興市)の名勝蘭亭に招き、子の玄之・献之ら一族も加え、総勢42名で宴を催した。人々は曲水を流れ下る盃を手に、自作の詩を朗詠した。このときの詩27編を編んだものが蘭亭集であり、それに付された序が「蘭亭序」である。蚕繭紙(さんけんし)に鼠鬚筆(そしゅひつ)を用いて、王羲之自らの揮毫になる28行、324文字。後日、何度も清書が試みられたが、即興で筆をとった最初のものには、はるかに及ばなかったという。
子々孫々に伝えられ、やがて7代の孫・智永の弟子弁才から、王羲之書跡の熱狂的収集家であった太宗の愛蔵となる。この経過は「賺蘭亭(たんらんてい)」として有名であるが、陰謀の果ての略奪に等しいものであった。
太宗の死後は、遺命によってその昭陵に陪葬されたという。現在伝えられるものは、太宗在世中に欧陽詢、虞世南、ちょ遂良らに下命した臨書、あるいは搨書人による模本である。「定武本」「張金界奴本」「神龍半印本」など、その数はきわめて多い。」
意味は「永和九年癸努丑の歳、三月初めに、会稽山のかたわらにある「蘭亭」で筆会をひらきました。心身を清めるのが目的の催しです。大勢の知識人、それも年配者から若い人までみんな来てくれました。さて、ここは神秘的な山、峻険な嶺に囲まれているところで、生い茂った林、そして見事にのびた竹があります。また、激しい水しぶきをあげている渓川の景観があって、左右に映えています。その水を引いて觴を流すための「曲水」をつくり一同まわりに座りました。
楽団が控えていて音楽を奏でるような華やかさこそありませんが、觴(さかずき)がめぐってくる間に詩を詠ずるというこの催しには、心の奥を述べあうに足だけのすばらしさがあるのです。
この日、空は晴れわたり空気は澄み、春風がのびやかにながれていました。(以下略)」
三国時代を統一して中国をまとめ上げた西晋の後を受けて、江南(揚子江より南の地域)に東晋が建国され317年から420年まで100年余り続いた。日本は弥生時代!
王羲之は其の役人であったわけだが、303-361とあるから、このころ50歳。
紹興酒で有名な紹興市に蘭亭跡が復元され公園のようになったところがあるそうだ。日本からも多くの観光客が訪ねているようだ。そこに「曲水流觴」の後というのがある。ウエブサイトの写真を見ると幅の狭い清流が曲がりくねって流れていて、これなら、あちらこちらで杯が石に引っかかって止まりそうに見える。
この書は神龍半印本を用いている。大きさはよくわからぬが、すでに手元にある二玄社の「蘭亭叙」に原寸と書いた写しがあった。それを勘案すると、どうやら一行12-13字で半紙2-3枚にびっしり書かれたものらしい。
蚕繭紙。中国で初めて紙が作られたのは「後漢書」によると105年に蔡倫が和帝に献上したのが始まりという。蚕繭紙は蚕が出す白い糸を平面上に集めて作る紙の様である。
筆は鼠鬚筆、鼠の毛を用いたものだが、かなり硬い筆のようだ。
墨は中国では殷・周の時代から用いられていたらしい。このころは松煙を用いたか。
現代に見られるような硯の発生は遅く、最初は陶硯で会った、石硯が登場するのは六朝時代とあるからこの時はどちらを用いたか・・・・。
最後にこの書が言うように「歴史上を見渡しても蘭亭序以上の行書の作品はないのかもしれない。」
その意味で書を学ぶものにとって重要なのであろう。
行書の特色について著者は @柔らかみのある曲線的な筆画を多用する。Aすっと入る起筆B逆筆の多用C多様な終筆D筆画を連続して書くことがある。E筆画の省略F多様な筆順 をあげている。
手元に半紙を6字、さらにそれを9桝に切った下敷きがあったのでそれを利用して、できるだけ忠実に書き写したつもり・・・・・。どこまで書けたであろうか。
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