1717「恵方巻を食べる」(2月2日(土)晴れ)
売れ残った恵方巻を大量に廃棄するとはけしからん、という議論がまた起きている。私に言わせればなぜ、あんなものを大量に売ろうとするのだ、ということだ。少々具の多い海苔巻きではないか、自分で作ればいいではないか。そうすれば廃棄をするほどたくさん作ることはあるまい!
しかし実は毎年私には作ってくれる人がいるから言える言葉。そう、ガールフレンドのAさん。明日は日曜日なので、今日彼女が恵方巻を持ってきてくれることになった。
彼女はこういうところやっぱり我々の時代の女性、よく気が付く。お正月はきんとん、黒豆、煮物を作ってくれたし、この前は鏡開きの日にぜんざい。大変そうな様子だったから「小豆の缶ずめを買ってきて薄めてもいい。」と言ったらとんでもない、という風。
「そうか。じゃあ、スープは昨日の鶏と白菜のスープがあるからそれで決まりだ。」
「中華風じゃない。日本風があうのよ。センスがないけど我慢してあげるわ。」
鶏と白菜のスープは私の得意料理である。鶏肉は骨付きの安い物、それと白菜のざく切りを一緒に鍋に入れ、水をたっぷり入れ、後は煮るだけである。もちろん最後に塩、胡椒で味付け、時には味の素や日本酒もぶち込むが・・・・。ただし骨付き肉はスーパーで8-10本単位で売られているから、二人で一回では食いきれぬ。
昼間、町で高校同期のa君夫妻にあった。恵方巻の話が出た。彼女が作ってきてくれるというと「作るの。」と怪訝な顔をし「私たちは吉祥寺の美登利寿司に注文したわ。海鮮恵方巻というのですって。おいしいわよ。」・・・そりゃ、おいしいだろう、あそこの寿司は値段が高い分だけ、うまいから。彼は着るものも食うものもなかなか贅沢だ。
しかし最近株も暴落したのに景気のいいこと!確定申告の話が出た。すると「俺は儲かってないから一切しないさ。」仕方なくおかみさんに「a君は株を安い時に買い、高い時に売るからいい。私の場合はいつも逆をやるから儲からないんです。」などちゃかす。
家に帰って、一服していると、沼津に住むもう50歳くらいになる長男から電話。
「今から行ってもいい?」「ああ、いいよ。しかし夜は彼女が来るから埋まっている。」
長男は30分くらいしてやってきた。
「大学時代から親しかった友人が交通事故でなくなった。僕、大学の時よく家に友達呼んでマージャンをしたろう。その時の一人だ。」その偲ぶ会をするのだそうだ。
あと10年少しで私も90歳だ。君の家に引き取ってくれるかな、位の話をしたら面白いことを言った。「沼津に来たら親父、寿命をちじめないか。知っている人がぜんぜんいなくなるよ。」
「僕の箱の中にあの時のマージャンの点数簿が残っていないかと思って・・・。」・・・・その箱自体私の記憶にない。すると彼は勝手に押し入れを探し出した。そしてあった、あったと嬉しそうな声。
さらに「こんな写真もあるぞ。親父のだろう?」
エッフェル塔の前の団体写真。端の方に長女と私が写っている。私がイギリスに留学しているときに彼女が来た、そのときの写真だろうが記憶にない。
原っぱの上に学生たちが座って談笑している写真。思い出した。大学に入ってすぐ、誰かが女子大と合同ハイキングを企画した。その時の写真だ。みんなその後どうなったのだろう。「こんなのもあるぞ。親父も多趣味だなあ。」カリフォルニアの美人たちと宣伝してある素晴らしい水着姿の女性たちの写真が5枚ほど。「おれのじゃない、お前のだろう。」と突き返す。
それから長男は私にLINEを使って現在の私の映像を送る方法を教えてくれた。電話を掛けたのち、ビデオ映像とかいうところを押すと長男のカミサン、つまり嫁の顔が出てきた。カミサンの顔はともかく画面の映った己の顔にびっくりする。こわい、オジン臭い顔をしていること!長男はしばらく我が家を物色したのち出て行った。
5時半ころいれかわりにAさんが来る。さっそく恵方巻の夕飯。
「今年はどちらが恵方であったか。一日前だから関係ないか。」
など慣例は無視してなかなかおいしい。美登利寿司のものとは違うのだろうが、ちゃんとマグロが巻き込んであった。恵方ずしもピンからキリだそうだ。西友では一番安い恵方巻というのを売り出しているとのことだが、何が巻いてあるやら・・・・。
後はいつものようにカラオケになった。ちあきなおみの「黄昏のビギン」に挑戦したが全然ムードが出ない。こんな歌に会った種族ではない、と感じる。
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