1727「墓じまいに仏壇整理」(310日(日)晴れ)

 

日経新聞土曜版一面に「「墓じまい」終活で急増」なる記事。

私もそろそろ「終活」を始めなければならぬ時期。興味をもって読んだ。

子たちに墓守を押し付けたくないと墓じまいをする人が増えているのだという。

墓じまいを代行する業者が増えているとか。平均すると3平方メートル程度で25万円前後とか。墓がある自治体との手続き代行に加え、遺骨のとりだしや解体作業などある。寺院との離檀料などの相談にも乗ってくれる。

囲み記事に「2018年の人口動態統計によると2018年に国内で生まれた日本の赤ちゃんの数は921000人、死亡数は戦後最多の1369000人、出征数と死亡数の差は広がるばかりだ。しかも未婚率や晩婚化が高水準で推移し、第一子を生む女性の平均年齢は30.7歳、一人の女性が生涯に産む子供の数は1.43と低位にある。」

さらに仏壇の整理の話が合った。仏壇大手の(はせがわ)には墓じまいほどの件数ではないが、仏壇を整理する依頼が増えているという。

・・・・そういえば私も一度仏壇の整理を考えたことがある。母親がなくなって、父親は100万円も出して法隆寺の夢殿を思わせるような仏壇を買った。4年後に妻がなくなった。私は彼女のために新しい仏壇を買った。さらに4年後に父が亡くなった。父母と亡妻一つの仏壇でいいと、法隆寺の夢殿状の仏壇を使うことにし、新しい仏壇を処分しようとした。友人が仏壇を2万ほどで売ったという話を聞いて記事にある(はせがわ)に相談した。売れるどころか「おたきあげ料」ということで逆に5,6万払ってくれということであった。馬鹿馬鹿しくなり、新しい仏壇は今でも押し入れの奥で場所ふさぎになっている。

さらに重要なのが日常である。我が家には夢殿風仏壇が残り、父、母、亡妻の位牌が安置してあるが、私は生来無精者であまり手を合わせたり、水を変えたり花を生けるなど世話をしない。1年に1度くらい来る子たちがやるくらいか・・・・。お寺とも全く縁がない。

話を元に戻すと、これも墓じまいと同じ流れ、加えて仏教信仰なんてものがなくなってきている影響かもしれない。父母、亡妻の葬式の時に、あわてて寺に行って頼むが浄土宗か浄土真宗かわからなくて混乱したほどだ。

ここは記事にはあまり触れられていないが、私は家族制度の崩壊が一番大きな原因と思う。

あるお墓屋さんの記事から抜粋

「・・・・・・・江戸時代になるとお寺との繋がりが強くなり「檀家制度」が確立されました。 江戸時代の武士のお墓は階級により板塔婆とか石塔婆などが建てられていました。 これが現代の卒塔婆や石の墓標の原型だと言われています。 大正時代になると土葬から火葬へ移行し始めます。なぜ急に火葬へと変わったのかというと、「墓地不足」であったためだと伝えられています。 火葬されるようになった大正時代から昭和初期にかけて、徐々に現在の形のお墓が建てられるようになりました。・・・・・・」

もちろん江戸時代以前に墓がなかったわけではない。天皇陛下の陵があるではないか、と考えればその通り。しかしその後も武家の一部で作るなど一般的ではなかったようだ。こうしてみると現代のような墓になったのは歴史的には比較的に新しいのだ。

そして戦後。

民主憲法によって家をいう制度が否定された。ご先祖を守り、家を長男中心に継いでゆくという思想が廃止された。大体墓は何のためにあるのか。江戸時代以前は個人への思いとしてあったのではないか。しかし江戸時代以降になると家を守ることに主眼が移っていったのではないか。しかしそれが今度は否定され、みな平等。父親と長男中心の家のことなどどうでもいい。自分のご先祖は、父母、その父母が4人、さらにその父母が8人と際限なく広がってしまう。自分の先祖は誰が誰やらわからない。そこが一番影響しているのではないか?

一方で記事には樹木葬や海や空への散骨のことが触れられていた。あれは家族やご先祖との絶縁を意味するものだ。墓の意味がなくなってしまう。結局人間はこの世にひょいと生まれ、そして跡形もなく消えてゆくだけのものなのか、とも思う。・・・・・もっともこうなると人間は何のために生きてきたのか、この世で生を楽しむだけか、など考えの古い私は思ってしまうのだが・・・。

最後に私は父母亡妻の墓に入ることになるのかもしれない。しかし海に散骨もあり、と子たちには伝えたいと思っている。同時に子たち特に長男に一度尋ねてみたい。

「君は自分自身の墓をどうするつもりだ?」

「まだ君の家には仏壇がないが、将来作る気があるか。」

私と同世代のあなた・・・・・あなたもこんな風に尋ねてみたらいかが?最後に墓は私の代は残るとしても、「子達、孫たちの時代になれば、父が300万円もだして作ってくれた所沢の墓も墓じまいが必要になるのかもしれぬ。」など愚考する

 

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