1730「結婚式へのご招待、4月1日」(3月30日(土)晴れ)
謹啓 新春の候、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
突然ですが、私こと阿傘湖南は、結婚式を挙げることになりました。
77歳、少々晩婚ではございますが、これから新しいパートナーとともに残りわずかになった人生をすごしたいと考えております。ついては下記の要領で結婚の式典を行いたいと思いますので、お忙しい中、ご出席いただければ幸甚です。 敬具
日時 平成31年9月9日
場所 平成記念会館
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すみません、突然のご案内で驚かれたと思います。少し事情を説明させていただきます。
通信では私にはガールフレンドのAさんがおり彼女との生活もおりにふれてご紹介してきました。しかし、実は本当の恋人が別にいたのです。彼女、馬蘭華は50歳、中国上海出身。現在私のアパートに娘の馬貴妃3歳とともに暮らしております。
5年前に彼女が不動産屋を通じて私のアパートに入室を希望したときに、私は外国の方であり、事情が分からぬといったんはお断りしました。
しかし不動産屋が「相手さんは「荻窪が非常に気に入っている。現在赤坂に住んでいるけれども、便利だが物価が高い。考えてみると自分の住んでいるところを人に貸し、荻窪に住めば家賃は安いし、物価も安い。本当に荻窪は便利だ。」とおっしゃっています。一度会ってみたらいかがですか。」というのです。
会ったところ、超美人とは言えぬが私好みの丸ぼちゃのかわいい女性です。
その話すときに相手を見つめる大きな瞳はことさら印象的でうつりました。
50歳の女性、この年齢の女性は20くらいの若造から見ればおばさんです。しかし77歳の私から見れば娘みたいなものです。若くぴちぴちしていて素晴らしい。
結局私は妥協し、彼女の入居を認めました。契約が終わってからお茶を飲み、公園に連れ出し、キスまでしたのは少し行き過ぎたかもしれません。
これが発展し、私は彼女に惹かれ、時々彼女の住む201号室に通うようになりました。一方で私にはAさんがいる。しょっちゅう夕食を一緒に取るために来てくれます。そのうえ食後には我が家をきれいに掃除までしてくれます。彼女も失いたくない。そこで馬さんと合うのは、Aさんと夕食を終えた後、つまり8時過ぎくらいにしました。
この話を友人の大野川君という関取みたいな名前の男にしました。彼とは高校同期です。
近くに住んでおり、よく食事をし、お茶を飲みます。彼は株で大儲けして、40歳を超えてから自由な身となったようです。商売をしようと一時神社のお札を製作する仕事をしたとか。その時知り合った巫女さんと深い中になり、現在海外旅行をしょっちゅうするなど優雅な暮らしをしているようです。その彼が台湾土産と称して、私に妙な薬をくれました。「楽愛馬」・・・・・なんと読むのでしょう。楽々と女性を愛して、そのとき我が身は馬みたいに元気になる、そんな意味なのでしょうか。彼は私に「彼女のもとに行くときは事前にこれを一錠飲んでゆくとよい。」と勧めるのです。
実際飲んだところ、本当に心ウキウキ、ハートどきどき、ちんちん何やら。とっても楽しくなったのです。そしてとうとう彼女と・・・・。それからは彼女との甘い生活、ドルチェヴィーダ。二人の秘密を守るために苦労しました。部屋から音が漏れぬよう工務店に頼んで防音工事もしてもらいました。それでも気づいたか、隣の部屋の看護師は出て行きました。最後に捨て台詞「やってられないわ!」
新婚旅行まがいにも行きました。3泊4日、彼女の希望でフランスは花の都パリ。まことに「花はマロニエ、シャンゼリゼー」。いいものですな。誰にもはばかることなく楽しみました。
その結果としての女の子誕生。楊貴妃のように美しくなれと、名前を貴妃としました。
しかしいつまでも隠しおおせるものでもいない。おぎゃあ、おぎゃあ。彼女からも「一生日陰の花ではいやよ。」と毎夜のごとくせっつかれます。
しかたなく、今回正式に結婚し、披露宴を開くことにしたのです。うらやましいでしょう。あ、ご祝儀については生前香典もかねて、どんなに多くとも結構です。お金は生きているうちに使うものですよ。
彼女との10時ころまで続く毎夜の営みは天国にいるようなものです。私は思わず歌いたくなります。「天国良いとこ、一度はおいで、酒はうまいし、姉ちゃんはきれい・・・・・・・・・。」
この招待状を私は今書斎でウイスキーを飲みながら書いています。突然天井が割れました。がらがらがら!!大きな仏様の顔があらわれました・・・・・。「こらー、お前、天国ちゅう所はそんなに甘いものじゃおわせんぞ。でていけー。」とうとう追い出されてしまいました。長い階段をとことこと地上に降りてゆくことになりました・・・・・・。もう、お分かりですね、この日記のタイトル何でしたっけ。
註 ご意見をお待ちしています。
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