174「乾燥機」(6月11日 曇り)

気象庁が、とうとう関東地方も入梅を告げた。例年より少し遅いそうだ。

亡くなった妻はいつも梅雨になるといつも乾燥機が欲しい、といっていた。ところが私は不精だったから「どうせやるなら、ガス方式だ。しかし乾燥機をおく場所にはガス管を延長しなければ並ぶ。まあ、そのうちにやるから。」と繰り返した。繰り返しているうちに夏が来る。すると乾燥機など馬鹿馬鹿しくなるような暑い日差しの日が続く。それが毎年定例行事のように行われてとうとう乾燥機を買ってやらなかった、と後悔している。

妻が望んでいたのは箱型の洗濯物を乾かすことだけを目的としたものだが、似たような機能を持つものに浴室乾燥機がある。風呂の天井などに取り付けられ、40度くらいに加熱した空気を年中循環させる。この方式だと、浴室自体湿気が蔓延する事がない。乾燥時間は箱型に比べ、遅いだろうが、ぶら下げておけば自然に乾いてしまう。

今、ガールフレンドのAさんが家を建て直そうとしている。
「浴室乾燥機はつけられないかしら。」「少し高そうだね。」
すると彼女は
「浴室の換気扇を回し放しにし、洗濯物をつるしておくと乾燥するというけれど本当?」
「本当だよ。ただ浴室乾燥機と違って温度が上がらないから早く乾くわけじゃない。」
「じゃあ、電気ストーブをつけ放しにしておけばいいわけね。」
「それはそうだけれど・・・・。」
自分で出すとなるとなかなか彼女も考えるようだ!

ところで妻が亡くなって、一人になってから私が乾燥機を買ったわけではない。私の場合、洗濯は1週間に1度くらいしかしない・・・。ここのところはいつもAさんと意見が分かれる。「シャツや靴下は毎日取り替えるのが当たり前よ。」私の意見は「そんなことをするから日本の河川や湖が汚れる、貴重な水という資源の無駄使いだ、靴下だって早く穴が開く・・・。」すると彼女は「だから痔になるのよ。水虫になるのよ。不潔だわ。」と手厳しい。「でも冬くらいいいじゃないか。」おたがい、いい放しで結論は出ていない。

よく考えると乾燥機がいるというのは、年間のある時期、汚れた衣類を洗濯し乾燥する期間が待てない、ということに起因する。

仮にシャツを1日で替えなければならないとする。洗濯、乾燥に最大3日かかるとする。すると4枚いる。着ている分と洗濯、乾燥している分と・・・。
洗濯・乾燥工程が乾燥機の導入によって1日でよいとすると、2枚持てばいいことになる。
しかしここで、シャツを3日で1回替えるとすると、乾燥機は導入しなくてもシャツは2枚持てば済むことになる。よって乾燥機の導入の必要性は、洋服を変える頻度と、所有洋服枚数の関数であるという事が出来る。

省エネルギー、省資源の観点から、乾燥機を買うことと、シャツを余計に持つこととどちらに軍配をあげるべきだろうか。私はどちらにも軍配を上げず、シャツを3日もたすことを優先する。水虫が問題だ?・・・・・それは夏の問題だからその期間靴下をはかなければいい・・・。この論理、Aさんや亡くなった妻は理解できるかなあ。

ただ、これは私のような独身生活ないしは老人夫婦の生活の話、成長期の子どもがいる場合はそうはゆかないのだろうなあ、とは思う。

註 ご意見をお待ちしてます。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha