1751「実現するか、中国が基準の世界」(7月18日 (木)曇り)
「バラクオバマは世界の平和だの公正だの正論をのべ、自国利益優先に陥りがちな他の国々を戒めた。そこにはアメリカ主導の平和な世界があった。今や同じようなことを習近平が述べている。そしてアメリカは自国の利益ばかり述べている。」
彼はそんな記事を思い出しながら、床についた。
どこの町なのだろう。どうやら語学の授業。教師が何語でしゃべっているのか分からぬが、彼の発言内容は十分理解できる。あの教師はロボットなのかもしれぬ。
「皆さん、それでは今日から中国語を勉強しましょう。それを駆使して世界で通用するあなたになりましょう。英語などというローカルランゲージで満足していてはいけません。」
抜け出して街を歩いてみる。50の星と13の赤白の横縞、アメリカ国旗が掲げられている。しかしポールに掲げられた看板には「美国万歳!」とある。美国とはどこの国なのだろう。市庁舎らしい建物。「纽约」とはどこの町の名前なのだろう。分からぬだらけだ!
昼飯にしようとハンバーグを売っているらしいレストランに入った。
看板に「麦当劳」とある。なんという店なのだろう?ポケットをまさぐり、ウオークマンみたいな機会を取り出す。それを看板に向けると「マグドナルド、マグドナルド!」と繰り返した。店に入り、ハンバーグとコーヒーとポテトチップを看板を指さしながら注文する。支払いをどうするのだろう。財布にカードがあったのでそれを示すと目の前の機械が何か表示した。さっきのウオークマンを示すと「いつも金連カードのご使用ありがとうございます。」という声が聞こえた。
席に着きコーヒーをのむとなぜかしら、意識が急に薄れてきた。
彼は美国系のある情報機関で働いている。今ユーラシア超特急の一室。この鉄道は上海とマドリードを二日で結ぶリニアモーターカー。アゼルバイジャンに出張だが、情報技術進展した今、列車の中でも会社は彼を自由にしてくれぬ。どこからか命令が聞こえてきた。
「世界のパソコン、携帯等のOSには現在「チュアンフ10」が使われている。我が国は世界で売れるコンピュータを開発しなければならぬ。しかしこの「チュアンフ10」は中国のウエイルアンチエンが権利を持っている。それゆえこれを参考にしながら、わが国独自のOSを考えたい。そこで君の使命だが、まず「チュアンフ10」の内容を解読してほしい。」
電源を入れると「チュアンフ10」と書かれた画面が現れ、そのプログラムが現れた。な、なんと・・・・・すべてあの中国文字ではないか!彼は再び意識が遠くなってゆくのを感じた。
いつのまにか自宅の居間、妻の許可をえてTVを見る。妻が夕食とビールを持ってきた。
彼の三度目の妻は中国系でヤン・グイ・フェイという。美人だが、少々デブ。牡丹の花と果物のレイチが好き、など妙なことを言っていた。彼女と結婚するに当たって契約を結ばされた。その第一条「家庭ではすべて妻の命令に従うこと。」ハイ、ハイ。
TVはちょうど中国首相の演説を伝えている。
「核開発合意は世界の平和のためになされた。しかるに美国はひそかにアラバマの砂漠で核実験をおこなった。そのうえ美国の濃縮ウランの貯蔵量はすでに国際間合意の1,5倍に達している。このような無法を許してはならない。世界は協調して美国に対する核関連物質の禁輸措置を徹底しなければならない。世界は有志連合を作って対処しようではないか。」
続いて美国大統領秘書官ソンナ・バーカナの談話。「我われは約束を守っている。中国に話し合いを持ちかけているが回答が来ない!」さらに日本の安倍川首相。「中国と美国の理解のために頑張りたい。しかし美国はストキリ教の国。両国の文化風土が違い苦労している。」彼の国内での支持率は高いらしい。そういえば日本人は甘いもの好きと聞いた。
チャンネルを変える。「こちらは月面宇宙開発センターです。宇宙開発船「東方回収1号」が発射されました。これはかって美国などが打ち上げ、今は宇宙ゴミとなった衛星等を回収するものです。」
皆終わり、ベッドに入る。
ヤン・グイ・フェイがわきに滑り込んでくる。何かささやいている。あのウオークマンのスイッチを入れる。
「今日はあなたは私の相手をしなければならない。さあ、ブラジャーのホックを外して・・・。」
再び意識が遠のいてきた。8畳の畳の部屋、そこで一人で眠っている自分に気が付く。
「そうか、私は日本人、東京の荻窪とやらに住む一人暮らしの老人78歳。それにしても最後に見る夢は近頃どうしてこうエッチなのだろう。人間はかなわぬ願望を追い続けるものなのか。中国主導の世界・・・・・いづれは来るだろうなあ。何しろあちらは13億、アメリカは3億、世界の動きは民主主義であるなら多数決で決めるべきだ。当然の動きか・・・・・・・・。」
・・・・・・・4月1日でもないのに、失礼しました。AGATHA。
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