血液を作り出すところは骨髄である。骨髄とは、腰や胸の骨の内部にあるゼリー状の組織のことである。白血球、赤血球、血小板がここで造られる。
骨髄移植、骨髄バンクというのが宣伝されている。白血病や再生不良貧血などの血液難病は、有効な治療法がなく、治りにくい病気、しかし骨髄移植によって健康を取り戻せるようになった、みなさん、ご協力を、というものである。
先日、Aさんとの会話がきっかけとなって、献血の話を少し調べてみた。そのとき疑問に思った骨髄移植、臍帯血移植というものを今日は調べてみることにする。その効果も重要であるが個人としてやることが出来るか、という視点である。
結論から先に言うと前者はとてもじゃないけどできない、後者はもっと進めるべきだ。
骨髄移植というのは1950年ころからかなり幅広く研究されてきた技術である。
骨髄移植の手順をあるサイトに従って書き出してみる
「血液を検査し、白血球の型をコンピュータ登録する」
このとき採取する血液量は10ccの採血で費用はかからない。
「定期的に、患者と適合するかどうかを検査し、適合した場合、骨髄提供について詳しく説明する。最終的には本人の提供意思を確認する(家族の同意が必要)。」
骨髄移植を成功させるためにはドナーと患者の白血球の型(HLA型)を一致させる必要がある。一致する確率は兄弟姉妹で4人に一人、それ以外では数百人から数万人に一人と非常に稀である。
ずい分慎重に聞こえるが、実は危険がないとは言えない、ということなのだ。別のサイトには通常は速やかに回復するが、1950から96年まで行った6万件以上の骨髄採取で、イタリアと日本で2件の死亡事例が報告されている、とのことだ。
「健康診断を行い、数日入院する必要がある。(サイトによって2-3日、4-5日と違う)手術は全身麻酔下で行われる。骨髄液は骨を切るのではなく腰骨から採取する。」
全身麻酔ときいてびっくりした。全身麻酔というのは麻酔したまま戻らなくなることもあり非常に危険だ、と聞かされたことがある。
広く一般の人に善意の骨髄提供をよびかける「骨髄バンク事業は1992年から開始され、これまでに3000人以上の患者さんを救う実績をあげている。」というが恐い、恐い。
臍帯血移植は1988年にフランスのGluckman 等が再生不良貧血に臍帯血移植を行ったことに始まる。まだ研究途上の技術と言えなくもない。
臍帯血は、胎児の命を育んだ胎盤と臍帯(へそのお)の中にある血液のこと。その中には血液の元となる細胞が沢山含まれている。
胎盤は、赤ちゃんが生まれて臍帯を切り、10分から30分くらいの間に後産として出てくる。
採取量は70-80ccが平均的といわれている。採取された臍帯血は、検査後、液体窒素(マイナス196度)の中で保存し、患者の要請に備える。
臍帯血は骨髄の代替品として使用されるが
1)医療が必要なときにすぐに提供できる
2)提供者が外科的行為をうけることなく安全で、経済的、時間的負担がほとんどない
3)白血球のタイプが多少違っても拒否反応を起こしにくい。
4)臍帯血中の造血細胞は骨髄液のそれに比べ5-10倍高い。
患者への治療方法は点滴輸血である。
臍帯血はすばらしいことずくめだが、問題点がないわけではない。一人からの採取量が少ないため、成人の治療には血液量が十分でない事があるようだ。
また冷凍保存しなければならないために莫大なお金がかかる。採取、輸送、検査、保存、供給等を目的とした公的臍帯血バンクの設立が求められているがまだ実現していないようだ。ボランテイアが中心でそれらが結ぶ日本臍帯血ネットワークがある。
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