201「民主党のマニフェスト・・・庶民の思うこと」(10月2日 晴れ)

9月18日に発表された民主党のマニフェストが議論を呼んでいる。

「政権選択への戦い」になる11月総選挙をにらみ、1日の衆議院予算委員会では菅代表が、小泉首相をこのマニフェストにそって激しく責め立てた。またマニフェストの配布を可能にする公職選挙法改正案が成立する。自民党も対応におおわらわらしい。

新聞もいろいろ書きたてているところであり、私としても興味のあるところ、自分なりにインターネット等で調査し、考えてみた。

18日に発表された民主党政権公約/マニフェストは(第一次草案)とあり、これからまだ見直すらしいが(仮)と書いてあったり、イラク問題のように調整中としているものも目立つ。何より発表されたのはVの「マニフェスト・・・民主党は公約します」だけで、Tのメッセージ、Uの総論は完成時に起草としている。

「マニフェスト・・・民主党は公約します」は5つの柱を掲げているが、問題はその中身。

1 失業率のない、強い経済を再生します。

景気を回復させ、「仕事」と「雇用」を生み出します、がメインだが・・・・。

2 税金の無駄遣いをやめ、公正で透明性のある政治を実現します。

道路公団を廃止し、高速道路を原則無料化します(仮)、衆議院の議員定数を80議席削減します、などの提案が目をひく。

3「自立力」をもった、活力に輝く地域を創造します。

18兆円の補助金を廃止し、地方が責任と自覚をもって使えるお金にかえます、10年間で1000万haの森林を再生・・・・「緑のダム」をはぐくみます、などが目立つ。

4子どもや高齢者、女性が安心して暮らせる社会をつくります。

成人年齢を18歳に引き下げ、選挙権も18歳以上とします、若者からも信頼される年金制度をつくります(仮)などがめだつ。

5国民の命と健康を守る強い社会を実現します。

警察官の3万人増員により、落ち込んだ検挙率を回復させます、イラク問題(調整中)、国民を守ることができる防衛力整備への転換をはかります、などが目をひく。

このマニフェストは小沢氏が「小泉政権では絶対にできないことをマニフェストにかかげるべきだ。」とハッパをかけて作らせたとか・・・。

どうも一般素人からみるとスタンドプレーに見えて仕方がない。そして従来の当てにならない公約とどこが違うのだ、と言いたくなる。

理由の第一はウラの部分を見せていないことだ。高速道路を原則無料化といったって
財源問題が残る。一部では自動車税保有税をかけるとか現在財政投融資から借りている資金を国債に切り替えることを検討していると言う。前者はそこまでして高速道路無料化のメリットがあるか、交通渋滞はかえってふえないか、との疑問が残るし、後者はそうでなくて高い国債依存をますます高めるじゃないか、との議論もありそうだ。

18兆円の補助金を廃止し云々の話は現在の補助金は約20兆円、このうち18兆円を廃止し、12兆円を使途を決めない「一括交付金」として自治体に交付すると言うことだ。地方から言わせれば補助金を3分の2に減らされる方がずっと問題なのではないか。

成人年齢を18歳に引き下げ、選挙権も18歳以上とする、などもすればいい、というものでもないように思う。そこには相当の議論と国民の意見集約が必要だ。

若者からも信頼される年金制度をつくります(仮)だって、実現しようと思えば、あずけた年金以上に確実に多く返ってくる事が保証されない限り若者は信頼しまい。そのためには国庫支出を増やさなければ成らないが、出てくる案は増税くらいしかなさそうだ。あるサイトに民主党のマニフェストは経団連の作った政党評価の「優先政策事項」とトひどく似ているそうだ。「優先政策事項」にありながら、「マニフェスト」に載っていないのは「消費税の引き上げ」と「法人税の引き下げ」とか。

こういったことを考えると、どうも絵空事じゃないか、議論を迷走させるだけじゃないか、タタキ台として耐えないと言う気がするのである。

別に現政権礼賛と言うわけではないが、これでは、するどい菅氏の質問に「自民党は政権を担っているので、毎年、予算編成で具体的な財源もはっきり提示し、実績を積み重ねている。」とあっさり受け流した小泉首相に軍配を上げたくなってしまう。

こんなことより、この日本を将来どういう方向に持ってゆこうというのか、具体的には構造改革はどうする、財政建て直しはどうする、防衛はどうする、教育問題はどうする、外交はどうする、地方分権はどうする、そういった問題の基本的な考え方の方が大切な気がする。いろんな選択肢があるだろうが、自分たちの案を作り、その利点と問題点を示した上で国民に提案して欲しい。

追記

10月5日に民主党はマニフェストを正式発表した。日経新聞要旨によると

Tは「「最小不幸社会」の実現と脱官僚政権をめざす。

Uは国民的な憲法論争を巻き起こし国民合意の下で「論憲」から「創憲」へ

Vのマニフェストは5項目のタイトルは基本的に変わりないようだが、

1では失業率を4年間で4%台前半以下に、公共事業費削減に伴う予算捻出

2では、2年以内の郵便事業への民間事業参入、川辺川ダム、諫早湾干拓、吉野川可動堰の即時中止

3では5兆5千億円の所得税を地方税にする

4では基礎年金の財源に消費税を充て、新しい年金制度を創設する、年金を税を財源とする基礎年金と所得に比例した拠出を財源とする「所得比例年金」に再編

5ではイラク特措法にもとづく自衛隊の派遣は行わない、イラク国民の政府が樹立され、安保理決議があれば、PKO、PKFで、自衛隊の活用を含めた支援をする。

などがと加わっている。

失業率は本当に減る?、消費税は据え置くのか、あげるのか、イラクはそれほど悠長にかまえて国益をそこなうことはないのか、など私にはよく理解できない。

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