202「鯛の話」(9月30日 晴れ)

アマダイの開きを買ってきた。焼いて食ったがあっさりとした悪くない味だ。
しかし食べながら考えた。私は鯛を食べているのだろうか。結婚式などで出てくる鯛と
大分味が違う。

思い起こしてみると、ずい分へんな魚にも鯛と名前がついている。イボダイ・・・あんな骨ばかりの小さな魚は鯛の名折れというものだ。キンメダイ・・・不思議にひどくおいしく感じるときとまずく感じるときがある。イトヨリダイ・・・黄色い縞が入っているし、普通の鯛に比べて細く弱弱しい感じがする。フエフキダイ・・・あれは鯛にしては田舎のタゴサクみたいで、品のない顔をしている。ほかにモウケタイ、ヤリタイ、タベタイ等々。

そこで早速インターネットやら図書館やら。
「「たい」と名がつく魚は日本周辺では200種類を越えますが、そのうち分類上タイ科と呼ばれるのは10数種類です。それ以外の「〜だい」と呼ばれる魚は、本物に「あやかりタイ」ということになり、縁もゆかりもありません。世界でタイ科の魚は100種類くらいいます。」
あるサイトでみつけた解説だが非常に参考になる。

まずはマダイ。スズキ目タイ科マダイ属。
普通に「たい」といえばこの魚をさす。姿、色、味とも最高である。2年で20センチ、4年で30センチ、6年で40センチほどになり、最大では1メートルにもなる。長命で通常は30年位、長生きすると40年位生きる。東シナ海、西日本から本州中部太平洋岸で取れるが、最近は養殖物が多い。養殖物は浅いところで育てられるので、日焼けのため黒ずんでいる、運動不足や栄養過多によって脂肪分が多く味も落ちる、とのことである。真鯛には輸入物で豪州真鯛やヨーロッパ真鯛があるとのこと。いづれも冷凍して輸入される。

ところでマダイについてのここまでの解説は資料によったものだが、一つ気に入らぬ事がある。魚として姿、色、味とも最高か、どうか、というところ。欧米では鯛は必ずしも高級魚ではない、と聞いた。そこで調べてみると、かっては京都が内陸にあったため、手に入れられる鮮魚では淡水魚である鯉が第一等であった。それが江戸時代になって海が近くなり、鯛が第一等になったという。赤をおめでたいとする風習、勇壮な姿形、上品な味などがたまたま日本人の心根に通じた、ということか。

クロダイ。スズキ目タイ科クロダイ属。
昔、江ノ島に教えてくれる人がいて何度か投げ釣りに行った。しかし目的のクロダイは一回もかからず、ボラ、ヒイラギ程度であった。ゴカイなど使ったが、教えてくれた人の話ではスイカの切れ端や羽をとったセミでもつれるとか。
北海道南部から朝鮮半島、中国にかけての沿岸に生息し、内湾性が強く、砂や泥底に多く希水域にも入る。3年で23センチ、十分成長すると60センチになるという。面白いことに若い魚はすべて雄で、体長15-25センチの範囲では雌雄同体、5年魚くらいの25-30センチで多くが雌に性転換する。

ほかに本当の「たい」には血鯛、黄鯛、鰭小鯛、平鯛などあるが省略。

さて以下は「あやかりタイ」

キンメダイ。キンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属。最深の場合で、水深800m程度の海に住む深海魚。伊豆方面で水揚げされ、稲取や下田の名産品としても有名な魚になっている。暗いところでも見えるように大きくて金色に光る目が特徴。捕れたてのものは、刺身にすると脂がのっておいしいそうだが、普通は煮付け用として売られている。

イトヨリダイ。スズキ目イトヨリダイ科イトヨリダイ属。これも「たい」ではない。ただしタイ科やフエフキダイ科と共にタイ型魚類と呼ばれる一部を構成し、近いらしい。

イボダイ。スズキ目イボダイ科イボダイ属
全長30cm程度にしかならない。東シナ海に多いそうだ。塩焼き、バター焼き程度。

チカダイ。スズキ目カワスズメ科オレオクロスミ属。
またの名をイズミダイとも呼び、刺身用に柵取りしたものがスーパーなどで売られているが川魚。山の中の温泉地や、温排水を利用して養殖され、山でとれるタイとして名物料理としているところもあるという。本当はアフリカ北部からイスラエルに住む、テラピアの仲間で形はクロダイに似ている。タイのような歯ざわり、うまみはないそうだ。

最後に今日買ってきたアマダイ。スズキ目アマダイ科アマダイ属。
開きで買ったからわからなかったから、頭が何かにぶつかったように角ばった細長いきれいな魚。図鑑にはアカアマダイ、キアマダイ、シロアマダイの3種があり、水深100-300mの砂泥底に住むとしている。やっぱり、3匹1000円では本物の「たい」は無理か・・・・。

註 ご意見をお待ちしてます。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha