「おでん=田楽の略。田楽は田植え時に豊作を期待する踊りの一種で、白い袴に色変わりの上衣を着て、足の先には鷺足という棒をつける。その形が白い豆腐に色変わり豆腐味噌を塗ったのに煮ているので田楽のようだといったのが、後には田楽そのものの名称になった。江戸後期の川柳「田楽は 昔目で見 今は喰ひ」はそのことを如実に説明している。おでんは、やがて味噌を塗るものから味噌煮に変わり、明治直前には醤油煮に鰹節の煮出し汁で煮込むものに変わった。この東京独特のおでんの煮方は,1917-18(大正7-8)年に関西に「関東だき」の名で紹介され、薄口醤油を用い、鶏のスープを用いるなど関西風に変えられ、それが関東に逆輸入されたが、必ずしも薄口醤油は使わず、ただ下煮をして昔日のように煮込まないやり方に変わり、材料が練製品などの動物性のものを多く用いるようになった。一方、必ずしも庶民の味に止まらず、高級料理にも仲間入りして鍋料理として、あるいは独立して一つの料理として用いられているが、おでん・茶めしの組合わせは残されている。」(日本風俗史事典 弘文堂編)
夜、ガールフレンドのAさんがおでんを持ってきてくれて、二人で夕食。おいしかった、口がとろけるほどだった(・・・・と書かないと後のたたりが恐ろしい)
そこでこのことを日記に書こうと思っていたのだけれど、ここで書く事がなくなってしまった。おでんを食べ終わった後の話だって・・・・・む、む、むっ!そこでいつものようにインターネットに相談。
まさかと思ったがおでんについて研究している人がちゃんといるので驚いた。ルポライター&カメラマンの新井由巳氏で、おでん博物館なるホームページを開設していた。全国どんなおでんが食べられているのか、原付バイクによる日本縦断の旅を行った、その成果は「とことんおでん紀行」「とことん亭のおいしいおでん」(いづれも凱風社)にまとめた、とある。そのこだわりに感心。昔、物書きになろうと思ったら、何でもいいからひとつのことを調べなさい、と言った地酒の専門家がいたことを思い出す。
ほかにもはんぺんの?「紀文」などいろいろな人や団体が薀蓄を述べている。二つのホームページから面白かった話を二つほど・・・。アドレスは
http://www.odengaku.net/odentoha/index.html
http://www.kibun.co.jp/catalog/dict/story.html
「コンビニで最初におでんを作り始めたのは1979年セブンーイレブン。各社は現在ではおでん研究に余念がなく、味はどんどんグレードアップし下手な専門店や屋台に負けないくらい。そのうちローソンは全国を4ブロックにわけ、地域によって出しの味を変えている。関東は鰹節中心に濃い口醤油の風味、東海近畿は昆布中心の薄口等、地域特性にも考慮し、関東のちくわぶ、東海の黒はんぺん、近畿の京風ひろうす、四国のジャコ天などが用意されている。またファミリーマートも全国を8ブロックに分け、各地域でオリジナル種を発売している。」
「おでんだねのうち、大根とふくろは本郷の老舗「呑気」が、自分の食事用に煮ていたものを客が所望したところから始まった。ねぎまは、昔は捨てていたトロの利用法として考えられたもの。粋人の好むおでんだねとしてよく用いられるのは「がん・ちく・とう・だい(がんも・竹輪・豆腐・大根)」
「呑気」は学生時代によく食べに行った。明治に創業したそうで大変有名らしい。もっとも何年かたって「呑気」を訪問したらビルになっていて、その何階かに入っていた。なんだか縄のれんの気楽さがなくなってよらずに帰ってきた。
ところで代表的なおでんの名店にこの「呑気」を筆頭に以下の2件があげてあった。
「お多幸」=大正に創業し地下鉄銀座駅近くにある。(出口はB7)(tel=03-3571-0057)関東風の濃い口のおでんだそうだ。
「一平」=昭和の創業。やはり地下鉄銀座駅近くにある。(出口はA10) (tel=03-3567-3355)関東煮の濃いだし汁を上品な味に改良している。
ランチをやっているというから一度訪問して見たいものだ。
最後に自分で作る場合、あるいは人に作らせる場合(これが楽でいい!)、だし汁と沸騰させず、とろ火で煮るといい、おでん種は鍋につめすぎることなく大きな鍋を用意しだし汁のなかで漂うくらいにする、一度に調理せず食べたときに新しい種とだし汁を追加するとよいなどとしていた。
註 ご意見をお待ちしてます。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha