221「クリスマスの六本木ヒルズ」(12月25日 晴れ)

クリスマスをどこで過ごそう、とガールフレンドのAさんに持ちかけると「六本木ヒルズを見物したい。」
六本木ヒルズは8月18日に行っている。しかし御意なれば・・・。

ところが短い間にずい分変わったのか、それとも、この前、気づかなかったのか。

地下鉄六本木駅から六本木ヒルズ正面にはエスカレーター一本で行ける。53階の大展望台東京シテイビューはさすがに変わらない,というか変わりようがない。夕方のせいか、少しもやっていて海までは見えぬ。あれが東宮御所、皇太子ご夫妻が今楽しんでいらっしゃる、少し右に国会議事堂、近くヘリポート、アルカイダのテロで首都圏が火の海になったら大臣方はみなをおいてあそこからお逃げ遊ばされる、東京タワー、今日は幸い飛び降り自殺をしようとする若者はいない、ぐるっとまわって広尾ガーデンパレス、家を建てるのをやめればトイレ分くらいは確保できるかも知れぬ、などと説明しながら、想像をたくましくするのはなかなか楽しい。

館内に目を転じると、この前やっていた都市博覧会の変わりに森美術館が入り、開館記念展ハピネスを開催していた。ピカソ、ターナーなどの世界名画、江戸時代狩野派の屏風絵があると思えば、インドの秘仏にチベットのセクシーな曼荼羅、モダンアートの数々と美術品のごった煮である。

ラジカセのような箱を胴体にし、蝶々のような羽根をつけた人形がいくつも天井からぶら下がっている。羽根がゆっくりゆっくり動いている。トイレまで「作品」と称し、中に入ると壁に20種類くらいの落とし紙のロールが貼り付けられ、便器の中には針金と鉄で作ったらしい妙な人形がひとつづつおいてある。おしっこをひっかけると針金がゆれて身震いしているみたいに見える。いつかある中華料理屋で右左に笑いながら揺れる便器に度肝を抜かれた事があるがこれも相等のもの。

屋上も東京スカイデッキと名づけ、別に500円払えば出られるようになっていた。ただしキュービクル、クーリングタワーなどがあり、その上にヘリポートが設けられている。見物人?はヘリポートの周りの指定された板の道を通るだけ、ただし、風が気持ちよく解放された感じはする。アベックが多いが警備係も多く、あまり愛をささやく雰囲気ではないかも?冬の夜は短くもう夜の帳がおり始め、美しい夜景を見せ始めている。

地上、毛利庭園前には人工のクリスマスツリーが飾られている。ツリーはゆっくりと色を変えてゆく。東京電力はもうかるなあ!若者でごった返している。記念写真を撮るもの、何か食らうもの、抱き合うアベック、公園を散策する者、しかし少し遠くの塀の向こうには車が高速に行き交う。

さて、デートのしめはデイナー、そのくらいは私だってわかっている。レストランを事前に探すとき、私は大抵インターネットのぐるナビを使う。「駅で選ぶ」ににし、業種を選んでフランス料理、中国料理などをスキャンする。その結果、今日は、麻布十番にある「デユヴァンハッシシ」というフランス料理屋にした。路地裏の小さなレストラン。ここはジビエ(野鳥)を売り物にしているらしく今日は鴨、鳩、ウサギがあるという。「鴨や鳩はまさか公園にいる奴を捕まえてくるわけじゃなかろうね。」と聞いたら真顔で、主人が「いえ、別に求めるのです。」と答えた。今日食った鳩はイギリス製だそうだ。

味はなかなかよく、ワインの酔いも手伝ってAさんはご機嫌である。・・・・静かな晩年?しかしデイナーを楽しみながらAさんはおっしゃるのである。
「東京の中心部が一望出来て、六本木ヒルズはとてもよかったわ。暮れに来る外人夫妻も最後にここを見せましょうよ。いいでしょう?」

うえーっ!短い間に3度だよ。

(参考)8月18日(雨)
都心には新しいコンプレックスが次々に誕生しているらしい。そういったものを全然知らないのは時代遅れと、オープンしたばかりの六本木ヒルズに出かける。
地下鉄六本木駅から麻布十番方面に200メートルかそこら行ったところ。途中、見物したあと昼飯だな、と考えてレストラン等の看板を見ながらすすむ。サバの味噌煮定食680円、路上に置かれた黒板にきれいとはいえぬ文字で書きなぐってある。
場所は人々が大勢群がっているからすぐにわかった。案内等によると地上54階、高さ238メートルの超高層オフィス棟六本木ヒルズ森タワーを中心に、今はやりの都心型高層マンション六本木ヒルズレジデンス、テレビ朝日、ホテルなどが一緒になっている。
設備としては、1フロア約4500平方メートルの無柱空間、国内最高水準の耐震性能、何重ものセキュリテイ設定による高い安全性確保、ガスタービンによる熱電可変型コジェネレーションシステムの採用等が売り物のようだ。(以下略)

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