227「生体認証」(1月13日(晴れ))

12日の日経新聞に「スルガ銀行 預金引き出しに生体認証、手のひらの静脈で本人確認、6月に専用商品」などの文字が躍っていた。記事を抜粋すると

「スルガ銀行の新型預金は国内銀行で初めて登場する生体認証商品、預金者の静脈パターンが照合できる専用端末を窓口に設置、あらかじめ登録するパターンと一致する人が通帳を持参した場合に限り、現金を引き出せるようにする。キャッシュカードは発行しない」

「大手銀行では東京三菱銀行が指紋や指先の血流で本人確認するキャッシュカードを2004年度中に発行する。現金自動預け払い機(ATM)に認証機能を組み込む予定。みずほ銀行や三井住友銀行、UFJ銀行も研究を進めている。」

生体認証=バイオメトリクスは、パスワードやIDのかわりに、本人の生体的特長や特性と言った個人特有の情報を利用して本人確認を行う認証方式である。原理的に成りすましがしにくいといわれている。

指紋=開発がもっともすすんでいる。かっては犯罪捜査の主要な手段としてのみ使われたが、いまや一般の個人認証に使われている。小型化が可能であり、携帯機器にも採用されだしたという。線の結合、分岐,終止、曲がりなどを特徴点として抽出利用する。たとえば5点抽出すると、他の人が同じ特徴点をもつ確率は約7500万分の1,10点だと約17兆分の1になる。しかし指紋を偽造する技術も上がっており、この辺はイタチゴッコ。米国ではすでにシリコンラバーを使っての指紋偽造が出ている。

虹彩認証=虹彩とは目の瞳孔をとりまくドーナツ状の部分であるが,2,3歳で成長が止まり、固定されるそうだ。偽造しにくく、認識率が高く、さらに顔を近づけるだけの非接触式のため抵抗感も少ない。課題はコストダウンである。

顔認証=眉、目、鼻、口、頬などの特徴点を事前に登録したものと照合して行う。ただ本人に対する認証の拒否率も高いようで、技術的課題が多い。

静脈パターン認証=手の甲の静脈パターンが,個人によって特徴があることに着眼したものである。赤外線を照射してみると、静脈がはっきり見られるそうで、認識率は非常に高く、虹彩方式と肩を並べると言う。今回のスルガ銀行の記事では「手の静脈パターンが一致する確率は両手で1億分の1、片手でも1万分の1程度と言われており・・・。」

生体認証は認識率の低い方では筆跡、音声などがある。それでも特定の部屋の入退出管理やパソコンの本人確認などに使われる商品が提案されている。また逆に高いほうでは遺伝子情報DNAを使うものまで考えられているという。

普及に伴って生体認証機器の市場規模も拡大しているようで、ある民間機関によれば2001年の37億円から、2007年には約4.1倍の153億円に拡大すると予測している。また空港など公共機関での需要に対応する普及団体「バイオメトリクスセキュリテイコンソーシアム」も活動を始めている。

銀行が預金引き出しに生体認証を使う・・・・ようやくここまで来たかと言う感じである。本人確認は、平和で安全な社会を維持するための大前提条件である。コストもかかるであろうが、是非早い普及を望むものである。自分の口座の金がいつの間にか引き出され、銀行には責任がない、などというのは話にもならない!

ただ、この話をガールフレンドのAさんにすると「本人が行かないと預金を絶対に引き出せないと言うのは困る。突然死の場合はどうするのか。生きている場合でも委任を受けた者が引き出しに行かざるを得ない場合がある。」その辺の問題解決もよろしくお願いしたい。

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