251「わが身に降りかかる民事再生」(4月3日〔晴れ〕)

いつもその会社から来る通知は封書と決まっていた。
ところが今日は大型封筒。黒い縁取りはついていないけれど何かいやな予感。
A4版を左上隅でクリップ閉じにしてある。そしてタイトルに「民事再生手続開始申立関連資料」送り主は株式会社鹿沼カントリー倶楽部など関連4社。「危ないな」とは感じていたがやっぱりそうか、という思い。

「さて突然のことで誠に恐縮ではございますが、弊社らは、本日、東京地方裁判所に再生手続開始の申立(・・・)を行い、同日、弁済禁止等を内容とする保全処分の決定をいただきました。」
「ゴルフ場業界は、バブル崩壊後の長期の景気低迷による売り上げ及び来場者数の減少、会員権相場の下落に伴う預託金償還問題という重い課題を抱えており、弊社も例外ではございませんでした。」

ページをパラパラめくると申立3ゴルフ場の平成4年から15年にかけて、年間来場者数は35万人から25万人、総収入は673億から297億、客単価も3分の2に下がっている。私が120万円で入ったこのうちの一つ鹿沼72カントリークラブは一時は500万円以上の値をつけたが、今では5万でも売れない。この話をするとみな「あの時売っておけばよかったのに。」と異口同音だが・・・・。さらに
「・・・・経営再建にむけての一定の成果もみられはじめたところでございました。ところがそのような矢先、・・・・昨年末に足利銀行の一時国有化という事態が発生し、もはや主力銀行の支援も今後は得られない情勢となりました。」
「このような事態を受け、弊社らといたしましては、経営破綻や外部資本の導入を回避しつつ、会員の皆様方のプレー権を確保するためには、民事再生法に基づく自主再建の途を選択することが最善であるとの結論にいたり・・・・。」
大体の経緯はこれで分かる。その後に北区と宇都宮で開かれる「会員・債権者説明会開催のご案内」がついている。まあ、当方の権利はあきらめているが、曲がりなりにも中小企業診断士をしているから民事再生には興味がある。


民事再生手続は、会社更生手続きに比べて進行が迅速で、会社自らが主体的に手続きを進め、再建をはかることが特色で最近よく取られる手法である。開始が決定されると、債権者が債権を届ける一方、会社の財産評価がなされ、それをベースに再生計画案が提出される。書面決議により可決されれば、認可決定され、再生計画が遂行されることになる。再生したいわけだから、その後に再生計画案への賛成への投票依頼がついている。
思えば高いゴルフ代。

確か私が会員になったのは昭和49年だと思う。入社して7年目、北部支社計画管理室係長になっていた。ゴルフは始めてまもない。うまくはないがやりたくて仕方がないころだった。営業所の気のあった一人によいゴルフ場があると勧められて会員になった。栃木県は遠いが、浅草から6時20分の急行に乗れば9時にはプレーできる、と考えた。しかしいかんせん遠い。その後、東北縦貫ができたが、自動車を運転するようになったのは91年にイギリスから帰って以来でゴルフ場に行くために利用したことはない。さらに鹿沼72というのは1972年にオープンさせ、72ホールのゴルフ場にする、というふれこみだったが、会社に金がないのか結局49ホールしか出来なかった。会員権も公称よりずい分沢山発行されたらしい。

せいぜい今までに行ったのは10回くらい。最近は膝が心配で、高等学校同期の仲間のゴルフにすら参加していない。今後鹿沼72カントリークラブでプレーすることはまずないだろう。諸雑費を入れれば1回15万円のゴルフとはお大尽気取りでございました。
会員権は会員として継続する場合と、退会する場合に分かれる。後者の場合には過去の未納年会費との相殺が可能だ、というのでそちらを選ぼうかと考えている。預託金の弁済率は「一般の金銭債権と同じ弁済率を予定しております。」ま、5万でも返ってくれば恩の字と考えねばならぬ。・・・・ええい、くそっ!