NHK/BS2で放送された有田焼ラーメン鉢プロジェクトを興味深く見た。
ウエッブサイトをさがしたところ、経過をまとめたものが見つかった。
「ある日、NHKから「有田ならではのプロジェクト」という、番組企画が飛び込んできた。
言われてみれば、そば丼、うどん丼の種類は数あれど、ラーメン鉢と謳った器は少ない。
いま家庭で楽しむ高級ラーメンが市場で受け入れられているのに、それに対応する質感の高いラーメン鉢は皆無といっていい。「これは面白い」と思った。
仲間に声をかけ14の窯元の参加を得てプロジェクトはスタートした。ほどなくいくつかの試作品完成。勇躍乗り込んだ食品メーカーでは「重い、大きい、熱い」「こんなの持てない」と酷評。
自信は打ち砕かれた。挫折の中に新たなアドバイスを得て、ゼロから再出発した。
試作品の数は20を越えた。試行錯誤の結果、ひとつのフォルムが出来上がった。しかし機能性を追求し、薄く軽くすれば歩留まりに影響する。妥協はしたくない。土と火と時間との戦い。ひとつひとつクリアーしていった。
そして・・・・企画から3ヶ月後。
「いいじゃないか。こんなラーメン鉢で食べたかった!」専門家も太鼓判をおした。ここに「ラーメン鉢の新スタンダード」といえる形が完成した。」と書いてあるが、放送を見るといろいろエピソードがあったようだ。
陶工たちが技術については完全ながら、出来上がった作品が主婦感覚やメーカー感覚で見た場合、ぜんぜんおかしい、というところが特に面白かった。初期段階では口部に少しへこみを入れたり、持ったときに熱くないように底近くに削りをいれたものもあった。
しかし具の見栄えがいいように作った大きな口径の自信作は、主婦に「重くて手が痛くなる」「食器棚に入らない」「インスタントラーメンをいれて所量の湯をかけると幅広すぎてラーメン塊が飛び出してしまう」等々。
出来上がった製品の特色をならべると
「3つのCが開発のキーワードです。
Compact 十分な容量があって小さくまとまっている。
Comfortable 適度な重さで手に持った感じがいい。
Cute 形が可愛くて斬新
口径 180mm 広口のラーメン鉢に比べ冷めにくい。収納が場所をとらない。重なりがいい。
薄い口部 口当たりがよくスープがおいしく飲める、高さ 80mm
底内直径 110mm 指がゆったりとおさまる、重さ 480g
高台径 85mm 安定性がある
高台高 13mm 手に持ったとき熱くない。高台内に丸みがあって洗いやすい
我が家のラーメン鉢を取り出す。少し大きめだが、自分では気にいっている。
口径 195mm、高さ67mm、底内直径 103mm、重さ 510g、高台径 78mm、高台高 9mm、これに比べて究極のラーメン鉢は口径が少し小さく、高さが高く、お椀に近いように見える。また底内直径は思ったより大きく、少しずんぐりしているように見える。
重さについて急に心配になり、自作の抹茶茶碗を量ったところ380g、まずまずだった。
最後に統一した形で作られた白いラーメン鉢に14の窯元が思い思いのデザインを施して販売が行われているようで、ウエッブサイトからも注文が出来る。
ただ、価格についてのマーケットリサーチは、あまりしなかったのかもしれない。1個3000-4000円以上・・・これだけの値段でラーメン鉢を家庭用に買うかなあ。
それから家庭用ラーメンの研究自体もあまりしいないように思えた。生ラーメンまがいの新製品、3分間鍋で煮てから器に注ぐなど新製品が出ている現在、どれに的をしぼるか、というのも重要な視点、と思った。
しかしいづれにしろ、究極のラーメン鉢という考え方はあるべきで、究極のコーヒー茶碗、紅茶茶碗、抹茶茶碗、カレー皿、などいろいろ考えても面白いのだと思った。
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