NHKで「プロジェクトX・・・・挑戦者たち」は、2000年3月28日の「富士山レーダー」の第1回放送以来、150回を越えているとか。
強い情熱と使命感をもとに、戦後の画期的な事業に向かってきた「無名の日本人たち」を主人公とする物語。人々の暮らしを変えた新製品開発、日本人の底力を見せ付けた巨大プロジェクト、どんな障害があったのか、その影にはどんな人たちがいたのか、どんなドラマがあったのか・・・・それらを解き明かした放送は大きな反響を呼んだようで、書店にはテーマごとのマンガ本まで並んでいる。私も幾つかを聞き感動した。
その実物模型や写真・説明等の展示会が8月25日まで行われていると聞きガールフレンドのAさんと出かける。東京ドームシテイプリズムホール、水道橋でおり、同名ホテルの裏にある。
ゾーン1は「6つの挑戦」としてテーマで分類して紹介されている。
日本から世界への挑戦では、アメリカでの厳しい排気ガス規制に対応するために開発されたホンダのCVCCエンジンが紹介されていた。マスキー法をクリアーするものを開発したとき本田宗一郎が「これで世界一の自動車会社になる。」ところが若手は「社会のためになることをやったのだ。」と主張したというエピソードが面白い。比較で世界初のロータリーエンジンに挑戦したマツダの努力が紹介されていた。
キャノンの複写機の開発は先行するゼロックスの特許への挑戦であったらしい。考えてみれば複写機もリソーなど現在市場に出回っている製品は、それぞれに独自の工夫が凝らされている。その辺の比較も興味の沸くところだ。
よりよい暮らしへの挑戦では、ウオッシュレットの開発。尻を洗うための最適の温度と角度はどうか、そのために大の男が毎日尻を洗って実験したという。
フリーズドライ製法を採用したインスタントラーメンも最初は食品ではない、と相手にされなかったとか。電気釜は倒産の危機に追い込まれた大田区の小さな町工場から生まれた。試作機を作っては飯を炊く実験を繰り返したそうだ。同じ様な苦労がガス釜にもあったのだろうな、と考える。
独創性への挑戦ではレーザーメスの開発が放送を見たこともあって興味深かった。摘出困難な腫瘍や出血に悩まされる患部をレーザーの照射によって切り取り、一瞬で出血を止める技術も町工場から出たものである。
ほかに自然への挑戦では、女性だけのエベレスト登頂、南極越冬観測、H2ロケット開発、巨大構造物への挑戦では青函トンネル、新幹線、黒四ダム、瀬戸大橋、霞ヶ関ビル、文化財保護への挑戦では桂の離宮の復元などが紹介されている。
ゾーン2はものづくりへの挑戦、そしてステージライブショウである。
ソニーのロボットQRIOが踊りを踊り、人間と会話をしている。開発担当者が出てきて、飛ぶための工夫、転んだときの対応などを説明していた。ロボットショウはほかにもホンダのアシモ、富士通の人間ロボットなど紹介があるらしいが見られなかった。しかし見物していてロボットはこれからの技術と感じる。映画などに出てくる人間と同じ機能をもつそれまではまだまだ時間がかりそうだ。
終って町工場的発想がこれまでの日本を支えてきた、これからもそうだ、と感じた。家へ戻るとテレビが、難局越冬隊の西堀氏の「挑戦しない人間なんてつまらない。」という発言に助けられ、脳梗塞に倒れながらリハビリに励み、復活した元越冬隊員の話を紹介していた。私も自分なりの分野で挑戦し続けたい、と感じている。
もう一度日本人の素晴らしさを理解するために、夏休みに一度出かけてみてはどうですか。イヤホンガイドがあり、22の展示について簡単に説明しており、便利です。
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