290「原油価格の高騰」(8月20日(金曜日、晴れ))

原油価格が急騰している。
19日夕方の時間外取引で、指標となるウエスト・インターミデイエート(WTI)の9月私価格が一時、1バレル=48.98ドルと取引中最高価を更新した。
原油問題はいろいろな国際情勢や国内情勢がからみ、素人がまとめるのは難しい。しかし石油危機の再来はないか心配。そこでインターネット等を使って調べておこう。

原油価格について、市場では「近いうちに1バレル=50ドル台まで急騰する」との見方が強まっている。現在の相場観は以下のような状況を見越した上で形成されている。
1)イラク戦争以後、中東の不安が増している。もし大きな混乱が起きれば、第三次石油危機を招きかねない。 2)世界経済の回復、とりわけ高い経済成長を続ける米国と中国が石油需要をおしあげている。 3)原油価格をリードするニューヨークの先物市場では、今年度秋以降の石油需要期をねらって投機的取引が活発になっている。一方で中長期的に見て供給側の増産が期待できないため、需給の逼迫は避けられない。

ある統計では世界の生産量トップはロシア(これは忘れていた!)、ついでサウジアラビア、米国、イラン、メキシコ、中国となっているが、多くは可採年数が少なく、増産余力も乏しい。(イラクは政情が安定すれば4位くらいに食い込むとのことである。)そのため、結局は世界原油生産量の三分の一強を占めるサウジアラビアなど数カ国が頼りとされている。米国などはこれらに増産を要請するが、必ずしもうまく行っていない。サウジは日糧800万バーレルを越す生産量を誇るが、王室支配の政治・経済体制が続き、内外の批判が根強く、政情不安が高まりかねない。

しかし原油問題が価格上昇に留まれば、日本への影響は少ない、といわれている。
1)原油依存度の低下、2)企業部門での吸収、3)税制によるバッファー、4)円高による緩和などの要因により軽微との話である。
1)については少し古い資料だが「日本経済に占める石油の比重が低下してきた。名目GDPにしめる石油輸入量の比率は1980年ころには5%に達していたが、2001年には1%ほどに低下している。」との記事があった。なるほどバレル10ドル上がってもガソリンに換算1リットルで約7円にしかならない。

また企業収益についても限定的で、むしろ欧州や米国に比べて影響は少ない、というのが一般的な見方のように思われる。さらにバブル現象の見える米国や中国の経済をスローダウンさせるにはある程度の原油価格高騰はむしろ好機、あるいは石油価格が上がれば代替エネルギーの加速が推進され、長期的には元に戻る、等の見方もるようだ。その辺を見越してか19日テーラー米財務長官(国際経済担当)は、エネルギーコストが上昇しているにかかわらず、世界経済の見通しは依然良好との認識を示している。
石油のほぼ100%を海外に依存する日本は、昭和48年に石油ショックにあった。あのときに比べれば、現在は160日分の石油備蓄があり、国際的な緊急融通制度も整っているので直ちに困る事はないということか。

しかし思い出すのだ。あのとき境屋太一の「油断」がベストセラーとなり、私も夢中で読んだものである。今までの話はテーラー財務長官のコメントにあるように「中東情勢がこれ以上不安定にならない」という条件がつく。日本は中東石油への依存度は依然として90%近くに達し、米国の20%以下と好対照を成している。「油断」のような状況が来ないことを神頼みで願うのみ・・・・。

註 ご意見をお待ちしています。なお、通信を筆者旅行のため2週間ほど休みます。
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