301「おお、シーザー!」(10月11日(月)雨)

秋に行ったローマ、フィレンツエが忘れがたく、今、すっかりイタリアに凝っている。とうとう塩野七生「ローマ人の物語」を読みはじめた。これについての感想等は別の機会に述べたいけれども、今日は関心を持ったところをひとつ・・・。
文庫本で8冊目、いよいよユリウス・カエサル、つまりシーザーの伝記である。そこにわれわれ男が、女性に持てるために役立ちそうな記述があった。

あのカエサルは女たらしで有名だったのだそうだ。
しかし、彼は「・・・絶対に美男ではない。若い頃から頬にはたてじわが深く刻まれていたし、四十台後半からは、はえぎわの後退いちじるしく、中頭部の頭髪までひたいにむけて流したりして、禿げ上がる一方のひたいを隠すのに苦労していた・・・・」
わが身に当てはめ、まずほっとする。ある人が言っていたけれども禿げる男はそれだけ男性ホルモンの分泌がよいのだとか。
それでいてシーザーは、勢力絶倫!しかも頭がよい。
「・・・元老院議員の三分の一が、カエサルに「寝取られた」という史家もいる・・・・」
「・・・女が相手でもなかなか悪賢かった。妻を離縁して自分と結婚してくれという怖れのある、未婚の娘には手をだしていない・・・・」

その結果はどういうことになったか。
「・・・それでいて、女たちの誰一人からも恨まれなかった・・・」
すばらしい!そんな風に持ってゆくためにカエサルのとった行動とは・・・・。

「第一に、愛する女を豪華な贈り物攻めにした・・・セルヴィーリアに贈った六百万セステルチウスもの真珠は、ひとしきり首都の女たちの話題を独占した者であった・・・」
これは確かにいえるだろう。しかし我々サラリーマンやそのリタイヤ組ではとてもこんな贈り物は無理な話。そこで安い贈り物で我慢してもらおう。ただし作戦がある。こういう話を聞いた。「女性は大きな贈り物を一度にもらうよりも安いものでも何回ももらう方が喜ぶ。1度に5万円の指輪を贈るより1万円のものを5回贈ったほうがいい。」
しかしこの話をガールフレンドにしたところ、「5万円のものを5回にしなさい!」強欲!
でも奥の手はあるさ。1万円のものを5万円と思わせればいい。キュービックジルコニアの指輪をダイヤと言いくるめればいい・・・・出来るかな?
「第二に、愛人の存在を誰にも隠さなかった・・・・ポンペイウスもガビニウスも自分たちの妻の浮気を知っていた。これではスキャンダルにもならない。公然ならば、女は愛人であっても不満に思わないからである。」
君の奥さんとは昨日の夜、いっしょだったけれどベッドでは素晴らしいね・・・・亭主にこう言えればもう言うことなし。ただし結果がどうなるかは、保証しない。
「理由の第三は・・・・次々とモノにした女たちの誰一人とも決定的には切らなかったのではないか、と思われる」
これは言える。私は潔癖だったのか結婚するときに、親しい女性とはすべて・・・といってもそんなにいるわけではないけれど、わかれた。結婚してからも浮気をしなかった。この歳になって、しかも一人になってしまうと惜しいことをした・・・。切れていなければ今頃呼び出して「ねえ、昔のようにしようよ。」

作者はことさらにはあげていなかったけれども、シーザーはおしゃれでもあったようだ。当時、男はトーガというあのソクラテスも来ている奴を着ていたが、高級生地を使ったとか、きれいな縁取りをつけたとか、あるいは留め金に凝ったものを使ったとか・・・・。その上話し好きで人の話を聞くことも上手だったらしい。でもそういうことなら我々も心がけ次第で出来るかも知れぬ。頑張りましょう!

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