302「中瀬天祖神社の大祭」(10月15日(金)晴れ)

久しぶりの秋晴れである。雲ひとつない真っ青な空が広がっている。暑くなく、寒くなく、べとつかず気持ちがいい日。スポーツクラブから帰り一服した後、2時前に、中瀬天祖神社で大祭があるというので出かけてみた。
「この辺は豊かな農業地帯で、しょっちゅう、餅つきうたなど歌いながら餅をついた。真竹を斜めに切ったところにその餅をつっこんで形を整える。それがべろの形になったものだから舌べろ餅と呼ぶようになった。」とおじいさんは話す。「名物舌べろ餅をさしあげます。」とのま新しい木の看板がたっている。

相当のこみよう、小さな本殿には人があふれている。区会議員の顔もちらほら、背広をきて何やらそっくり返った様子をしているのは、地元選出I議員の秘書かなにかなのだろう。後から来た我々庶民は、入口あたりで様子を伺うのみ。桃色と白の派手やかな提灯が神社の塀に沿って並び、せいぜい200坪くらいの境内には団子餅売店、おでん売店、生ビール売店等。
「これから何がはじまるのですか。」「2時に井草八幡から御神体が来るのですよ。」
御神体というのは、昨年の日記に書いたけれど、男根石である。そこでここは「良縁・安産」のご利益がある神社とか・・・・・我々には関係ないか?しかし別の人に聞いてみると御神体はもうきているらしい。前に進んで本殿奥の神棚を眺めると、白い布で覆われた御神体らしき物が安置してあった。

様子を伺っていると、どうやらお祝い金を払うほうがいいらしい。いくら払うべきか表にいって確かめると一番多いところで3万円、少ないところで1000円、ところが財布を見ると1000円札がない。仕方なく「これが永久のお別れ」とキスした5000円札を、受付で用意してある熨斗袋にいれて渡す。すると係りが急に愛想がよくなり、やっとお守りと名物?舌べろ餅の入った袋にありつけた。

「お祓いをしますから道を開けてください。」どこからか声が聞こえてくる。衣冠束帯の神主がでてきて我々の前を素通りし、奥にあった建てかけの荷物置き場みたいな小屋におじぎをし、何やらとなえてきれいな紙をばら撒く。後できいたところ、物置の奥がトイレになっており、その竣工?のお祓いをしたらしい。ここ2,3年でずいぶん変わったものだ。ちょっと前は、今の本殿だけで、全体がもう一つの御神体のサワラの古木などの樹木でおおわれていた。年々開けるのは良いけれども・・・。
「さあ、なおらいですよ。皆さん席について・・・。」の声につれられて乾きものの並んだテーブルにつく。酒が注がれ、飲み始めると、なにやらラジオ体操会のO会長が挨拶を始めた。この人の演説はどうもぼそぼそではっきり聞こえない。しかし「ここの発展のために毎日掃除をしておりまして・・・」というところだけは良く聞こえた。おそらくこの大祭の中心はこの人なのだろう。

となりの大分酔っ払ったおじさんが、団子を山ほど買ってきて勧める。すると別のじいさんが「団子いくらでした?80円?この前井草会館でやったときは70円。」するとさらにその隣のばあさんが「その前は60円でしたよ。」「そうですか。団子の原価、知ってますか?12円か13円ですよ。」肩の凝らぬ噂話ほど楽しいものはない?
「上井草の有志による太鼓が始まります。」ねじり鉢巻はっぴ姿の数人の男女が用意されていた太鼓の前に並ぶ。「私たちは助六で練習しております。未熟ですがよろしく・・・」助六は、何かよく分からないけれど、太鼓はなかなか威勢がよく景気づけになる。

大分楽しんだからもう帰ろうとすると受付のEさんに「今からくじ引きがあるから、待ってなさいよ。」「年々盛んになりますね。」と感想を述べると、ずいぶんうれしそうな様子。
「あなたも午前中から来ればよかった。餅つきをやったんですよ。」「杵で回りながらついたんですか。」「いや4人でとまってつくんですよ。杵もずっと軽いものを使っています。昔のやり方は難しく、タイミングが悪いと怪我しますからね。」

いい気持ちになって帰路につく。午後のひと時、楽しかった。ガールフレンドのAさんとの会話。彼女いわく「ヒマねえ・・・。」そういう彼女だってテニスで汗を流していたくせに・・・・。

(agatha通信135参照)

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