306「ハロウイン・パーテイ」(10月30日(金)曇り)

15年ほど前、私はイギリス中部のチェスターに住んでいた。ベッドルームが三つ、トイレは上下に一つづつある立派な郊外の一軒家に一人である。10月も終わりの夕方、ドアのチャイムがなり、あわててでると、三角帽子をかぶったり、お姫様風の格好をした子どもたちが3人ほど。こちらが親しみのない日本人と恐れたのか、少し小さい声で「trick or treat?」そのころは日曜日ごとに近くの教会に行っていた私は、心得ていたから、用意のお菓子を渡してお引取りを願った。

チョコレート屋が商売拡大を考えたのか、アメリカかぶれの幼稚園の先生が夢中になったのか知らないけれど、日本でもここ数年ハロウインが盛んになってきているようだ。デイズにーランドでは盛大なパレードが行われるし、モトマチ、川崎駅前、多摩センター、京都の北山商店街などでもイベントが行われるらしい。また関連グッズも目に付く。

HALLOWEENは、Hallow(=神聖な)+een(=even=evening)ということらしい。天上諸聖人と殉教者の霊を祭る万聖節の前夜祭という位置づけ。
もともとは2000年以上前のケルト人ドルイド教の宗教的行事で秋の収穫を祝うと共に、亡くなった家族や友人を偲ぶものだったそうだ。後にローマ人がブリテインを征服してからキリスト教に取り入れられ、混合したとのことだ。
この夜、死者が悪魔、魔女、妖怪、黒猫などになって、地上に現れて騒ぎまくり、危害を加えるから、丘の頂上でかがり火をたき火をともしたたいまつを持っておりる(アイルランド)とか、魔女が魔法の杖をベッドにおき、黒猫に付き添われて煙突から抜け出し、ほうきの柄にまたがって空へ飛び去ってゆく(スコットランド)、などの伝説がある。

あのかぼちゃに顔をほったちょうちんはJack-o'-Lanternというのだそうだ。こちらもアイルランドの伝説にもとづくもので、
「昔「けちんぼジャック」と呼ばれる酒癖の悪い男がいた。最後の飲み代が払えなくなって、悪魔をだましてはらった。その後悪魔がなんとか仕返しをしようとするが、いつもだまして撃退する。やがてこの男が亡くなり、悪魔もやっと解放されて、地獄の門をたたく。ところが人間にだまされるようなトロイ悪魔は入れてもらえない。道しるべがわりに石炭のあかりをともしたカブを持たされた。といって地上にももどれぬから行きつ、もどりつ暗い道をさ迷い歩くことになった。」(http://www.h-info/basics.htm)
Jack-o'-Lanternの作り方も、いろいろなページにでているが省略する。

でもハロウインというのは、パーテイより冒頭のように子どもたちが家々を安心して驚かしながら歩くところが一番の面白い。アメリカでは、ハロウインが盛んで、「trick or treat?」もよくあるらしいが、あの服部氏のような事件が起こっては困る。安全で、どこの家に行っても子どもたちが歓迎されねばならない。その安全対策マニュアルが出ている。ウエブサイトからぬいたあるページのそれのうち代表的なものを揚げると
・ 小さな子どもは必ず大人と、子どもたちだけで行くときは必ず複数で回りなさい。
・ もらったお菓子はお父さん、お母さんにチェックしてもらってからたべなさい。
・ お菓子は玄関で受け取りなさい。家の中に入ってはいけません。もらったらかならず「ありがとうといいなさい。
・ 知らない人に気をつけなさい、明かりのついている家だけ訪ねなさい。
・ 不燃性の生地の衣装着用のこと、またJack-o'-Lanternのまわりでふざけないで

なかなか安全に楽しむのは大変なようですね。日本の都会にも子どもたちが隣家を気楽に訪問する、そういう雰囲気を作り出せないものか、とふと思う。一人暮らしの私も、可愛い女の子の魔女でも来ないかと待っているけれど来そうもないねえ。

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