秋晴れになりそうな日曜日、山にでも登ってみたくなった。
手元にあった「日帰りハイキング」なる本を開いて、高水三山。奥多摩入門の山、歩行時間3時間45分とある。ここなら少々膝に自信のない私でも何とかなりそう。
電車を乗り継いで青梅には11時に着いた。ところが待ち時間30分、人はどんどん増えて、4両編成の電車に乗り込んだぐあいはまるで通勤電車なみの混みよう。そら、そうだ、こんなハイキング日和の日曜日はめったにあるもんじゃない。かって三田氏一族が興亡をかけて北条氏照と最後の戦いをおこなったところから、その名前がついた軍畑でおりる。
上り口を探していると登山姿のおばさん風が教えてくれた。「私ものぼります。」というのでついてゆく。平溝川沿いに第一目標の高水山登山口のある高源寺に向かう。道はバンバンの舗装、車が時々行き交う。昔は山道だったろうが記憶にない。それにしてもおばさんは早い。遅れるのも癪な話と必死でついてゆく。登山口まで30分とあるところを20分ちょっとで高源寺にきてしまった。
かなり急な道であるがよく整備されており登ることに問題はない。小さな川にも丸太の橋かかっている。しかも大体は樹木が鬱蒼としているから気持ちがいい。
頂上より一段下に高水山常福院、波切不動尊が祀ってあるとのことだが、暗くてよく見えない。何の役得があるか分からぬが、10円玉を入れて手を合わせてる。寺の裏手に回り、一登りすると頂上。途中にカタクリの群生が見られるとあるがてんでわからない。奥多摩線はあれだけ混んでいたのに頂上にいるのは男が2,3人。私も仲間入り。10分もすれば今朝コンビニで買ったおにぎりも鳥のから揚げも食い終わってすることなし。ザックを再び背負う。東南に無線中継所があり何か興をそぐ。しかし秋晴れの日に一人でこんなところに来ておにぎり食う若者なんて何を考えているんだろうね。物好き!私も同じだけれど・・・。
ここから岩茸石山に出るが尾根に出るまでかなり急勾配で下がる。膝を考え、慎重に、慎重に降りる。ストックを使い出す。
尾根に出るとルンルン気分。風が気持ちいい。時々逆方向から来る人と行き違う。杉が多い。しばらく行くと「惣岳山をへて御岳駅へ」と「岩茸石山頂上へ」の分岐に出会う。ここは頑として頂上をめざす。また急な坂道。岩が重なり合い、木の根をつたうなどして人の通ったらしき後を探しながら直登。ただ距離がそれほどでもないのが救いだ。頂上、ここも雑木に覆われ、大した展望が開けているわけではない。793m、今日登る三つの山の中では一番高い。学生たちが数人騒いでいる。こちらは一服もせず、先を急ぐ。一人だと休憩など取る気がなくなるから不思議だ。ここからの下りも急勾配。
またしばらく行って惣岳山。登り口に20人くらいの学生たち、追い抜いてゆく。「ここが最後の登りだ、頑張れ」とリーダーらしい男が声をかけていつ。ここも同じ様なものだが大きな岩に体を預けるくらいにしないと登れぬ所もある。頂上に小さなお堂がある。まだ2時過ぎ。「日帰りハイキング」の設定時間より20分かそこらは早い。
ここからは基本的にはくだりだが、ガイドブックにも1時間とあるとおり相当距離があり、しかも結構きついコブが数箇所。ストックのありがたさを知る。勾配のきつい階段風なども、ストックをまず下ろし、体重を移動してから足を下ろす。膝にかかる負担はほとんどなくならんばかりだ。膝がガクガク言うこともない。
途中に沢井に出る分岐があった。学生時代にここに来た事を思い出す。やがて慈恩寺裏にでてくると御岳の町が見えてきた。あの頃は木造の安っぽい家ばかりが目立ったが、今ではみなちょっとしたビル風。時代が変わったな、と思う。
かなり疲れたが、膝は問題ないようで自信が少しついた。しかしこの前同期の健脚むけが組んだツアーは川苔山、あそこは本では6時間のコース、高低差1000mというから、まだちょっと無理かなあ。
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