315「ヒマラヤスギのマツカサ」(11月4日(木) 晴れ)

子どもの頃から、松ぼっくりつまりマツカサなんてものがどうして出来るんだろう、と思っていた。しかもあそこから松の実、つまり種がでてくると信じられなかった。少し大きくなって、マツカサは大きさや形がいろいろあると知った。
生成過程くらいは分かるだろう、とインターネットと植物図鑑。まずは基本事項。マツカサの形がマツの種類ごとに示されて面白そうだが、そこは詳論になるので別の機会に調べることにする。

「マツ科、スギ科、ヒノキ科などの針葉樹は裸子植物と呼ばれる。これら樹木はマツカサを作り、葉が針のように細長い特徴がある。少し違った裸子植物の仲間には、イチョウ科、ソテツ科がある。イチョウやソテツは雌雄異株だが、その他は雌雄同株。」
「裸子植物は、種を作る植物のうち、胚珠が裸出しているものを言う。胚珠は受精するとやがて種子を形成するが、被子植物ではこれが子房に含まれている点が異なる。胚珠や花粉はもともと 葉の表面に形成される。胚珠が形成される葉はそれ専用に変化し、やがて花へ発展してゆく。花は葉が変化したものである。」

なかなかわかりにくいが、インターネットの便利なところはいくつもサイトを参照できること。別の写真入サイトを開くと
「マツは、5月頃、小さな葉をつけた新しい枝がのびてきます。その先のほうに赤紫色をした小さな実のようなものが見えます。これがマツの雌花です。雌花の大きくなったものが球果つまりマツカサです。近くに黄色の雄花も見つかります。そこから黄色い花粉がでます。マツの花粉は浮き袋のようなものがついていて、風に乗って雌花に飛んでゆきます。」
プロセスはイチョウで記述したとおり。ただ赤紫や黄色のそれはみたことがない。

「このころは雌花の鱗片は開いており、花粉を受け入れるが、やがて鱗片と鱗片は合着し、翌年の秋に種子を散布するまで中身を守っている。閉じた鱗片の中には胚珠と花粉があり、これらが成長して卵と精核を形成し、受精が行われる。花粉が雌花に到着した時点ではまだ受精が行われていない。」
「翌年秋になると、鱗片が開き、種子を散布する。」
マツカサの鱗片の開閉は乾湿運動である。マツカサの中の種子が熟すと母樹からの水分供給が減少し、鱗片が根元から反り返る。そして種子を放出する。クロマツの場合、種子は一つの鱗片に2つ形成される。種子には羽根がついており、空中に放り投げるとくるくるときれいに回転するそうだ。これでどうにかマツカサの生成過程?が判明。
開いているマツカサを水の中につけておくと、やがてマツカサは閉じてしまう。小学生の実験機録が写真入で掲載されていた。

朝の妙正寺公園。ヒマラヤスギのてっぺんに、カラスと並んでマツカサが10個あまり、葉をベッド代わりにして突っ立っている。格別に大きく、普通の松のものの3倍以上はありそうだ。「あの台風でも落ちてこない。余程強くついているんだろうなあ。」とA氏が感心したように言う。A氏は大きいのが落ちてきたら自宅に飾ろう、と考えているらしい。確かにあれはクリスマスのデコレーションによく使われている。
植物図鑑によるとヒマラヤスギはスギと名がつくが、実はマツ科ヒマラヤスギ属である。ヒマラヤ北西部からアフガニスタン東部が原産とか。
「10-11月に開花する。雄花は穂状で長さ3cm。雌花は円錐形で淡緑色。球果は長さ6-13cmの卵形で、翌年10-11月に成熟すると果鱗が落ち、果軸だけ残る。」

改めてヒマラヤスギを眺める。マツカサのついている木とそうでないものがある。雌雄同株というのは本当かな、と疑う。果鱗は周囲を探すが落ちていない。ひょっとしたら、あのマツカサは開花したばかりなのかもしれない、すると近くに雄花があるはずなんだか、・・・・うーん、見えない!カラスさん、ちょいと教えてくれませんかね。

追記
12月初旬、ヒマラヤスギの根元にハート型をした木屑のようなものと磨り減った松かさのようなものが落ちていた。どうやらヒマラヤスギの果鱗と果軸らしい。

2006.11 面白いことを聞いた。ヒマラヤスギの松ぼっくりは、ばらばらになって落ちるものと思い込んでいたら、朝早く暗いうちに集めに来るのがいるそうだ。

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