325「少子に挑む」(1月10日(晴れ)月曜日(成人の日))

和服の若い女性にあこがれる。そう言う彼女たちタンと拝める時が1年に1度だけある。成人式・・・・・明治神宮に行ったが、チャパツ野郎に手をひかれ、真っ白なショールをつけ着付けぬ和服に身をかためた20の女性がよちよち・・・・。しかしみんな大事だ。可愛い、魅力的。何しろ少子化の時代、私どもに年金を払っていただくにはあなたたち。

日本経済新聞では正月から「少子に挑む」というシリーズ物を流し始めており興味深く読んでいる。大分力を入れているようで、著名人の意見など関連する記事も見かける。以下、その抜書きと感じたところ・・・。シリーズはまだ続いている。

現在の総人口を維持するためには、女性は一人当たり2.07人前後の子を産まねばならぬ。ところが1.29、府県別で一番低い東京にいたっては1.0、最高の沖縄でも1.72。東京の女性は最も晩婚で平均初婚年齢が28.7歳、晩婚と少子は深い関係にある。このまま行くと、日本の総人口は2050年には6000万台になり、国際通貨基金(IMF)によれば「日本は15-64歳のすべてが働いても、現在の労働力を保てない」状態になる。
人口の減少は、いろいろなところで問題を起こし始めている。山間の小学校は廃校になり老人の家に変わるし、熊本県では荒瀬ダムを廃ダムにせざるを得なくなるし、瀬戸大橋は平均通行量が当初予想の半分にも満たず赤字を増やし続け、今回水害にあった山古志村のような村は集団移転を考えるし、車の国内需要は50万台も減ると予想されるし・・・。一方、全体的に捕らえるアンケート調査では、年金破綻、労働力減少経済活力の低下、国力の低下などが国民の心配する上位をしめている。

元旦にあの「ローマ人の歴史」の著者塩野七生がインタビューで「実は古代ローマも少子化に悩んだ。」としている。彼女はそれをふまえ「少子化の問題を放置した国が再興した例は過去にない。日本は遅きに失した感もあるが、うまくやれば衰退のペースを遅くすることも可能だ。」「本気で取り組みなら、子どもを持つ家庭に徹底的な経済支援をすべきだ」「キャリア面でも子持ちの人が得をする制度を作る」「たくさんの子どもを育てられる親は能力があって、仕事も出来ると私は思う。」とまで言い切っている。

日本が産めよ、増やせよと叫び始めたのは、1941年に閣議決定した人口政策確立要綱に始まる。「わが国人口の永続的なる発展増殖と資質の向上を図ること喫緊の要務なり・・・・」背景に太平洋戦争に備えた軍事力強化があった。ところが敗戦後49年政府の人口政策は180度転換、産児制限が国策になった。前年に人口妊娠中絶に道を開く優生保護法が施工され、出産ブームはぴたりとやんだ。10年ほど前、政府は「エンゼルプラン」という名の少子対策を打ち出した。しかし不完全なもので、なかでも出産そのものへの支援は及び腰だ。出産費用は「出産と病気は異なる」という理由の元に健康保険の対象にならない。エンゼルプランの10年間に、出生率は1.5から1.29におちた。

一時出生率の低下に悩んだアメリカやフランスはかなり改善されている。米国の出生比率は2.0、移民や黒人に比べ低い白人のそれも1.83。結婚したら子どもを持つのが当然という価値観が定着している。働く母親を支援する事が社会の総意として定着している。フランスは1.6台の出生率が1.9まであがった。政府は24種類の子ども手当てを用意する。「働く女性が母になれるように。母が仕事ができるように。」ほかにスウエーデンでは出産後に七割以上が育児休業を取得する、など欧州各国の出生率向上策が紹介されている。

日本でも一人一人に聞くと、何とかしなければならぬと考えている人は多いようだ。大学に託児所を設置し、ママさん学生に奨学金を出すべきなどとする作家のS氏、価値観を抜本的に見直して子どもを中心において物事を考えるべきとN氏、育児は経営者の責任とF氏などいろいろの意見が上げられている。
そして暴論的な意見も散見するが、こうでもしないと・・・・。「出産費用を国が負担すると4400億円、住宅金融公庫の損失処理に使う公的資金と同じ額だ」、「出産者に一人100万円贈ると1兆1000億円。日本道路公団の維持費用と同じ額だ。」、「小学入学前の子どもに一人月5万円の育児手当をだしても4兆1000億円で公的年金給付の10%にみたない。」、「「独身税」をやってはどうか。」、「高齢者の高齢者による高齢者のための政治」ばかりがまかり通る世の中。ゼロ歳児からすべての国民に投票権を与える。子どもの分は親に委任し二票投票出来るようにする。」等々。

アンケートでは、こどもの頃に考えた結婚年齢より実際の結婚年齢が後連れし、「出会いの少なさ」や「経済的理由」「仕事の忙しさ」が主因の晩婚化はまだまだ進みそう。一方で歳をとってもいきいきと働き続けたい、と主張する女性が増えている。結婚したとしても、大半の人が子育てには「経済的負担が大きい」と感じている。
託児所など、働く女性を助ける体制は社会も企業も不十分。産児休業は徐々に根づいてきているものの、働く女性の6割近くが子ができると会社を辞めている。産児休業も同じ職場で2度目になると非常に取りにくい雰囲気、退職を迫られるケースも多い。

もちろん記事が解決策を提示しているわけではない。どうすればいいのだろうねえ。一緒に考えてみるのもよい機会かも知れぬ。最後に我が一族も子は3人だが、孫はまだ3人。少なくとも6人くらいは作って欲しいのだけれど・・・。

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