329「郵政民営化」(1月25日(晴れ)火曜日)

24日から始まった国会は、首相の答弁を不満として民主党などが退場するなど最初から荒れている。この国会の焦点は郵政民営化問題で、実は焦点となっているのは政府・自民党の調整というのだから変わっている。確認しておくと民主党のスタンスは「郵便貯金・簡易保険の民営化は将来的に必要ではあるが、将来展望のない民営化は、日本経済に大きな混乱をもたらしかねない。もっと丁寧に民営化を模索すべきだ。」基本的には賛成しているのである。

今回の議論の対象は昨年9月に閣議設定された「郵政民営化の基本方針」である。そこでまずこれをおさらいしておく。
郵政公社の機能は窓口サービス、郵便、郵便貯金、簡易保険であるが、第一に民営化により経営の自由度が拡大し、より良い多様なサービスが安い料金で提供できるようにする、第二に郵政公社に対する「見えない国民負担」が最小化され、国民資源が有効に利用できるようになる、第三に公的部門に流れていた資金を民間に流し、国民の貯蓄を経済の活性化につなげられる、という。具体的には以下に述べる方針で、2007年に郵政公社を民営化し、移行期を経て、最終的な民営化を実現するものである。
4機能を4つの会社に分けるわけで、その業務内容などが詳しくあるが、その基本方針は第一に国の関与のありかたを勘案し、経営の自由度を拡大する、民間とのイコールフィッテイングの確保(同様の競争条件の確保、納税義務など)、事業ごとの損益の明確化と事業間リスク遮断の徹底などである。
窓口ネットワーク会社については、郵便、郵便貯金、郵便保険の各事業会社からの委託業務は分かるが「民間金融機関からの業務受託のほか、小売サービス、旅行代理店サービス、チケットオフィスサービスの提供、介護サービスやケアランナーの仲介サービス等地域と密着した事業分野への幅広い事業分野への進出を可能にする。」とし、この機会に業容拡大の姿勢がうかがえる。
郵便事業会社については引き続きユニバーサルサービスの提供義務を課す、ユニバーサルサービスの維持のために必要な場合は優遇措置をとる、特別送達等の公共性の高いサービスについても提供義務を課す、などとしている点が目をひく。
郵便貯金会社や郵便保険会社では「運用に当たっては、安全性を重視する」という文言が目をひく。自民党はこれらについてユニバーサルサービスを要求すると共に政府の保護を要求しているらしい。
移行期というのは民営化の後、最終的な民営化を実現するまでの期間。持ち株会社を設立する。郵便貯金会社、郵便保険会社について金融情勢の動向等のレビューを行い、移行期間中に残株式を売却する。本体株も売却するが発行済み株式総数の3分の1を越える株式は所有する。

基本的には賛成である。
公共事業というのは万人が必要な事業であろう。しかし電気、ガスに始まり、電話、鉄道、住宅、道路などが次々に民営化されたり、されようとしている。その中で郵便だけを特別扱いする理由はみあたらぬ。基本的な理由は国民が小さな政府を望んでいること、民間でやった方が効率がいいこと、資源を妙な方向に使わないことなども重要なポイントだろう。

最後に郵便のユニバーサルサービスの必要性について一言。私は必ずしも必要ではないのではないか、と思う。なぜなら携帯電話、メールなど情報の伝達手段は最近になって急拡大しており、必ずしも郵便がなければならない時代ではなくなってきていないか。少子化問題などでこれから過疎地の拡大は避けられない、そうした中で、山の中に独り住む人間にまで、基本的人権か何かを盾に公共サービスを提供し続けなければならないというのは筋が通らない、と思うのである。もちろん、郵便貯金や郵便保険のユニバーサル化もナンセンスである。

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