333「レイ」「オペラ座の怪人」(2月3日(晴れ)木曜日)

面白い映画を二つ見た。先週は「レイ」、今日は「オペラ座の怪人」いづれも見て損のない映画、お勧めします。60すぎれば野口英世でゆけることだし・・・・。

「レイ」はレイ・チャールズのそっくりさん、ジェイミー・フォックスがレイになりきっており、レイの歌が次から次へと流れる伝記作品。レイは、1930年ジョージア州アルバにーで誕生した。6歳のときに緑内障により視力を失い、15歳までに孤児になっていた。フロリダ州のろうあ者や盲目の学生のための学校で学び、最終的にミュージシアンとしての職を得た。1947年にシカゴに移住し、本格的な音楽活動を展開、4年後に「Baby, Let Me Hold Your Hand」をリリースしてヒットした。音楽史に永遠に残るその名は、Atlantic Recordsと契約し、数々のヒット曲を飛ばした50年代半ばに確実なものとなった。

映画は子ども時代の話及びシカゴに向かうバスの話をカットバックで挿入しながら、それ以後の話が、時系列的に進められる。
彼は4重苦、すなわち盲目,孤児、黒人、貧困を背負って生まれてきた。しかし盲目になったレイに対するお母さんの態度が立派で心を打つ。「自分の力で立つのよ。世間は助けてくれない。」と叱咤しながら、レイがひとり立ちできるようにさせる。
子ども時代に弟を死なせたトラウマ、バスの中で黒人として差別される話などが後半の彼の人生に大きく影響する。音楽では大成功した上、幸せな家庭を得るが、やがて女におぼれ、ヘロインにも手をだす。そして禁断症状が現われ、病院に入れられ,もだえ苦しむ。どうにか立ち直り、50年代半ばにはその地位を不動のものにした。
彼は昨年6月に73歳で亡くなった。12人の子どもと、25人の孫、曾孫・・・・少子化に悩む日本の男も女も見習って欲しい?人生。
一方の「オペラ座の怪人」は「黄色い部屋の秘密」の著者ガストン・ルルー(1867-1927)の原作だが、アンドリュー・ロイド=ウエーバーがミュージカルにし、1986年にロンドンで初演、88年にブロードウエイでオープンした。

19世紀、パリのオペラ座では謎の怪人ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続発していた。「ハンニバル」のリハーサル中に、背景幕が落下、怒った主役のカルロッタが役をおりてしまう。ところがここで名乗り出た無名の新人クリステイーヌが見事に代役を勤め上げる。彼女は幼馴染ラウルとも再会。
実は彼女は、オペラ座の地下にすむファントムを亡き父親が授けてくれた「音楽の天使」と信じ、その教育に、夜毎従ってきたのだ。しかし彼女は地下の隠れ家でファントムの仮面を剥ぎ取り、その秘密を知ってしまう。一方で「イル・ムード」で、カルロッタが主役を完全に失敗し、彼女はプリマ・ドンナにのし上がる。
ファントムはクリステイーヌを絶対に失うまいとたくらむ。その恐怖におびえるクリステイーヌにマダム・ジリーはファントムの暗い過去を打ち明ける。やがて亡きクリステイーヌの父の墓場でのファントムとラウルの決闘へと話が展開する。悲劇は厳重な警戒態勢のもとで幕があいた「勝利のドン・ファン」の初日に起こった・・・・。
話の捉え方としては、ファントムを父親と置き換えると分かりやすい、という人もいるとか。娘は父親に恩義を感じながら、やがては巣立ってゆかねばならぬものだ。

冒頭、今は廃墟となったオペラ座で過去の遺物の競売が行われ、最後にあの事件で落下し破損したシャンデリアが登場する。そこから白黒のシーンが、ダイナミックに、現在から過去に、一瞬のうちにワープ、フルカラーのシャンデリアと19世紀末華やかなりし頃のオペラ座がよみがえる。この場面が特に素晴らしいと感じた。シャンデリアは有名なスワロフスキー・クリスタル製とか。
クリステイーヌ役を17歳のエミー・ロッサムが演じている。ほかにファントム役にジェラルド・バトラー、ラウル(ファントム)役にパトリック・ウイルソン。
総勢100人のフルオーケストラが、主演3人の吹き替えなしの圧倒的歌唱力を引き立て、あの甘美なメロデイ、戦慄するテーマが贅沢なサウンドで迫ってくる。

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