ニッポン放送株をめぐるライブドアとフジテレビの攻防が話題を呼んでいる。
フジテレビはもともとラジオのニッポン放送子会社として出発したが、その後テレビ時代に乗って大きく成長、今では親会社よりも大きくなってしまった。ねじれ関係を解消するため、フジテレビはニッポン放送株を50%以上獲得するとTOBをかけていた。
ライブドアはそこに目をつけた。リーマン・ブラザーズを通して複数の売り手を見つけておき、4日の立会い外取引で一気に株式を取得、34.99%取得したとの事実を発表した。さらに50%以上まで買いましてニッポン放送の経営権を握り、フジテレビも支配しようと考えているようだ。
フジテレビの提示しているTOB価格は5950円。この報道でストップ高を繰り返し、8800円まで行ったが、現在は6600円。しかしフジテレビはライブドア堀江氏を拒否、TOB価格をあげることはせず、取得する割合を25%にし、商法の規定によりニッポン放送のフジテレビへの議決権を消滅させようと動き始めた。
財界等は「立会い外取引で秘密裏に株を取得し、のっとろうとするのは問題だ。」「メデイアという公共のものをのっとろうということ自体が問題だ。」などとし、ライブドアは袋叩き状態。立会い外取引を規制しよう、外資・・・この場合はリーマン・ブラザースがCBを株に買え、ライブドアを通してニッポン放送を支配するという意味・・・が日本のメデイアを支配する事を制限しよう、あるいは敵対的買収者が一定比率以上株式を買い集めれば新株を割安価格で大量発行できるようにしよう、などという議論もでている。
ライブドアは資金が必要なため、24日に800億円の転換社債型新株予約権つき社債(CB)を発行し、リーマン・ブラザースが引き受ける。株価の変動でCBから株式への転換価格が上下し、発行される株数に応じて既存の一般株主の株価価値は薄まってしまう。この希薄化をいやけしたのか、問題の長期化を恐れたのか、ライブドアの株式価格が下落、前よりも2割も安い350-60円程度になってしまった。転換価格370円で転換株数2億1600万株、株式は33%増える、との試算もある。さらにリーマン・ブラザースはすでにつなぎで担保にとってある同社株を市場に流し、転換価格を下げようとさえしているという。
フジテレビはすでにニッポン放送の24%を獲得したと発表した。目標間近ということでライブドアの株価はさらにさげた。この株は最近分割されたが、分割後の安値301円にもせまろうという勢いである。大衆紙はもうライブドアの負けがきまったような書き振りである。しかしまだまだ結果は分からぬと思う。時間はかかるがライブドアがニッポン放送株を50%以上取得し、経営権を握り、堀江氏の言うように増資してフジテレビの所有株式を25%以下に押さえ込んでしまう手だって残されている。ニッポン放送の20%近い株を有し、今回の勝敗の行方を左右する村上ファンドの動きも注目される。たとえ株を放出しなくとも、堀江氏と共同戦略をとればニッポン放送を支配できる。
堀江氏のやりかたもきれいとはいえないけれども、フジテレビの堀江氏を絶対に受け入れぬというガンコな姿勢、堀江氏が法に違反しているわけでもないのにこれをたたく政財界諸氏、こういったものにいやなものを感じる。プロ野球球団買収のおり、言い出しの堀江氏を追い出してしまった球界と同じ古さを感じないわけには行かなかった。
立会い外取引については一部で現行行われていることであるし、メデイアが支配されるのが問題なら、株式など公開しなければいい。「何でも金でできる。」というような態度が怪しからん、というなら政治はどうだ、ということになる。株式市場や資本主義の問題点をあげつらうなら、それを利用してフジテレビは鹿内一族を追い出したではないか、ということになる。
2006年には「大買収時代」が来る、今回の事件はその先駆けだ、という人もいる。とてもこんな古い体質では対処できないのではないだろうか。
ヤフーのニッポン放送株欄の書き込みから・・・
「会社は経営者の私物と勘違いしている人が多いね。ライブドア批判ばかり。一社くらい、企業は株主のものであるから、とやかく言える立場でないくらい言える人はいないのか。」あるいは「既得権益に守られて、ぬくぬくと生きているマスコミ人。ライブよ、マスコミ界に風穴をあけよ」
追記
正直、堀江氏に様子を見ると、うらやましいと思うし、偉い、すごいと思う。うらやましい部分は金力もそうだが、若さだ。何かのおり「挑戦し続けることが大切、事業はやった方がいいんです。失敗したって命までとられるわけじゃないんです。」今回も「命がけでやっている。」と主張する。歳をとるとやはり、自分自身もそうだが、失うことを恐れこうは言えない。偉い、すごいと思うところは、プロ野球の改革を見て感じた。堀江氏はうるものがなかったかもしれないが、球界は彼が手を上げたおかげで助かった、本当は足を向けて寝られまい、と思うのである。今回の件も成功、不成功はともかく、政財界をこれだけゆるがし、問題提起をした点はものすごく重要だと思う。こういうことがないと日本は変わらない。
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