338「オリーブオイルの秘密」(3月2日(晴れ)水曜日)

NHK「ためしてガッテン」で、オリーブオイルのことが放送され興味深かった。

主婦たちがペペロンチーニを作る。全く同じレシペで一流シェフが作る。ところが出来上った製品の味が全く違う。原因は熱したオリーブオイルにニンニクと赤唐辛子をいれて加熱し、ゆでたスパゲッテイを入れてあえ、スパゲッテイの煮汁をいれるが、素人は一度に入れる。しかしシェフは何回かに分けて、かきまわしながらいれる。こうすることで煮汁とオリーブ油の間に乳化作用がおこり、よくなじむのだそうだ。

オリーブオイルの加熱しすぎも問題。ニンニクや赤唐辛子を焦がしてはいけない。そのためにオリーブオイルはせいぜい150度までにしなければならない。いためる、という感覚ではないのである。
オリーブオイルとごま油、キャノーラ油、紅花油を原料面から比較する。ごま油以下は種を搾り出して取る。オリーブオイルは渋いオリーブの実を搾り出して取る。言ってみれば果物ジュースと同じなのである。
オリーブオイルは香りが命、オリーブオイルのソムリエというのがいて、主婦たちの持ってきたオリーブオイルを比較する。買って間もないというオリーブオイルが最低評価をうけた。主婦の家では、オリーブオイルを茶の間の太陽のよく当たるところにおいておいた。オリーブオイルの中には、クロロフィルが入っているが、紫外線があたると活性酸素を生み出す。これがオリーブオイルの劣化を引き起こす。従って冷暗所に保存するか、明るいところで保存する場合には光があたらぬよう、瓶をつつんでおくとよい。

先日、あさりのボンゴレを、銀座に「ラ・ベットラ」という店を出しているシェフの書いたレシペ本に従って作った。
その本によると「フライパンにEVオリーブ油、にんにくをいれて弱火にかけ、こがさないようにいためます。片方にためて焼くとこげにくいですよ。にんにくがきつね色になったら種をのぞいた赤唐辛子を入れ10秒くらい。」
これにあさり、白ワイン少々をいれてふたをして、口が開いたら取り出す。フライパンに残った汁を煮詰め、うらごししたホールトマト180ccを加え、塩で味を調える。ゆでたパスタ、あさりを加えてあえ、仕上げにEVオリーブ油を加える。
ほぼレシペ通りに行ったが、今日の番組をみて、ホールトマトを加えるときに少しづつ加えればよかったのかなあ、などと反省。

なお番組ではいろいろ面白いオリーブオイルの使い方を紹介していた。
ココナッツアイスクリームに塩をわずかにたらし、そのうえにたっぷりとオリーブオイルをかけるとうまいのだそうだ。これもオリーブオイルがジュースであるゆえか。
魚用に、わさびにオリーブオイルをかけ、水、レモン、しょうゆ、バルサミコ酢等で調味したソース、肉用にうらごししたフレッシュトマト、オリーブオイル、塩、胡椒、レモン汁、バルサミコスをまぜたソースなどが紹介されていた。
また、国内産のオリーブオイルの90%は小豆島でとれるが、さといもの煮ころがしなど和風料理にもどんどん使っていた。
いづれも一度試してみたい、と考えている。なお読者諸氏は通信の146「ビバ!オリーブオイル」も参考にしていただければ幸い。

付「しいたけソースのタリオリーニ?」」(3月3日(晴れ)木曜日)


あさりのボンゴレに続いて、牡蠣のリゾットなども作ったが今日は「ボルチーニきのこソースのタリオリーニ」に挑戦。
まずは材料。
まずボルチーニきのこがないから、しいたけで代用した。
なお日本ではきのこといえばしいたけ、マツタケ、シメジ、などが有名だが、ヨーロッパではこのボルチーニ(和名:ヤマドリタケ)がもっとも有名で、同時ににおい、味,食感共に最高とある。ほかに卵黄色のアンズタケ、アミガサタケが知られている。
タリオリーニ(パスタ)というのは何だろう、と思った。
ウエブサイトで調べると、生パスタについて解説があった。
粉と卵・水などのシンプルな材料で作る生緬で、卵を入れなかったり、強力粉、薄力粉、デユラムセンモリナ粉などの配合により、硬さや歯ごたえが違う。
ロングパスタとショートパスタがあり、タリオリーニは前者、厚さ2mm以下・幅約3mmの細いパスタで、オイルソースによくあう、とある。ちなみにフィットチーネは厚さ約2mm幅約1cmの幅広パスタである。
もちろん、そんなものはないから1.6mmのスパゲッテイで代用。
パルメザンチーズだけは本物を用意した。チーズは硬さで分類すると、軟質チーズ(カマンベール等)、半硬質チーズ(ブルーチーズ等)、硬質チーズ(ゴーダチーズ等)に分かれるが、パルメザン等はさらに硬い超硬質チーズに分類される。
牛乳を2年ほど熟成させ,40kg程度の円筒形に仕上げる。歴史は古く13世紀にはその製法が確立された、とある。イタリア北部のパルマ地方を原産とし、正式にはパルメジャーノ・レジャーノと呼ばれる。しかし周辺都市、ドイツ、フランス、最近ではニュージランドでも安価なものが作られているとか。今日買ってきたチーズは原産地イタリア、パルメジャーノと記してあったが、昔買ったふりかけタイプのチーズはパルメザン、原産地ニュージランドとなっていた。
さて実践篇。
「フライパンでEVオリーブオイルとにんにく、赤唐辛子を温め、適当に切ったボルチーニきのこが水分がでるようにじっくりいため、イタリアンパセリを加え、塩で味を整える。」
そう書いてあるが、しいたけでは余りうまく行かない。
しいたけを2人分で7個ほどいしづきをとって投入すると、オリーブオイルを全部吸収してしまい、汁がなくなってしまった。後で気がついたのだが、ボルチーニきのこは、しいたけにくらべていしづきの部分が大きく、そのまま切りいれている。そこから水分がでるのではないか。
仕方がないから後はつぎ茶ならぬつぎオリーブオイルである。しいたけはどうも汁がでない。解説にある「きのこのエキスたっぷりのソースがうまさのもと」とはいかない。
パルメザンチーズはこれも買ってきたばかりの専用おろしがねですりおろしたが、ずいぶん硬い。適当に切り上げたが、どうも少なかったようだ。緬もスパゲッテイではイマイチだし、塩気も不足していたし、オリーブオイルも少し加熱しすぎたようで風味がイマイチ、どうもうまく行かなかった。

後記(3月4日)
悔しいから、もう一度、昨日のしいたけスパゲッテイを作ってみた。EVオリーブオイルは本では1人前50ccになっている。しかし本で使うスパゲッテイの量は80g、私が食べる量は110-120g、するとEVオリーブオイルの量は70ccくらいなる。そこで70ccを軽量カップで測ってみると、今更ながら沢山である事が分かる。「これににんにく、赤唐辛子をいれて温める」とあったが、と確かに「炒めるのではなく、温める」になる感覚がわかった。
今回は、これにうらごししたホールトマト100ccを加えたが、「ためしてガッテン」通り、少し入れてはかき混ぜをくりかえし、それでしいたけを煮るようなかんじにした。EVオリーブオイルは乳化したのか、とろっとして比較的うまく行った。

註 ご意見をお待ちしています。
e-mail agatha@bekkoame.ne.jp
home-page http://www.bekkoame.ne.jp/~agatha